山口線の看板列車「DLやまぐち」号に乗車【青春18きっぷと路線バスで秘境温泉へ③】

山口駅からは「DLやまぐち」号に乗車しました。本来は「SLやまぐち」号ですが、DE10形の代行による「DLやまぐち」号も人気者のようです。

 

(DE10形重連で牽引される「DLやまぐち」号)

・快速「SLやまぐち」号とは

 「SLやまぐち」号は新山口駅―津和野駅間の快速列車で、その名の通りSLによって牽引されます。現在では全国各地でSLの復活運転が行われていますが、「SLやまぐち」号の運行開始は1979年であり、JR(当時国鉄)のSL動態保存の取り組みとしては、初期からのものになります。牽引機関車はC57形やD51形ですが、このうちC57形は1号機です。トップナンバーは大事にされることが多いですが、山口県には先ほどのD601号機と合わせて2種類の1号機関車が現存することになります。

 

(「SLやまぐち」号は長期間DL代行による「DLやまぐち」号として運行されています)

 

 SLの検査日に当たる日やSLが不調な場合は、ディーゼル機関車 (DL) が牽引することがあり、その場合は「DLやまぐち」号として運転されます。担当のDLDD51形になることが多いようですが、DE10形の重連になる日もあるようです。

 

(展望車が付いていることもこの列車の特徴です)

 

 「SLやまぐち」号は、20225月に炭水車の台車に亀裂が見つかって以来、長期的な修繕に入っているため「DLやまぐち」号として運転されています。私が乗車した20238月も「DLやまぐち」号として運転されており、私が乗車した日はDE10重連による牽引でした。

 

(旧型客車のようなぶどう色の35系客車)

 

 「SLやまぐち」号は、機関車+客車5両の6両または7両編成で運転されますが、客車にも大きな特徴があります。SLの復活運転では国鉄時代の客車を連結することが多いですが、「SLやまぐち」号では2015年に新造された35系客車を連結しています。新造とはいっても、外見はぶどう色をしており、戦前に多く見られた旧型客車のような雰囲気です。

 

(旧型客車を模して造られた洗面台)

 

SLやまぐち」号はもともと旧型客車を使って運転されており、35系客車はその雰囲気を損なわないように、旧型客車を再現して作られた客車です。したがって、35系客車は外見も内装も旧型客車のような雰囲気ですが、空調設備や台車など見えないところでは現代の技術が使用されており、かなり快適です。

 

(旧型客車風の内装)

 

山口駅から「DLやまぐち」号に乗車

 私が乗車する「DLやまぐち」号は山口駅1112発です。駅に着くと、すでに列車が入線していました。改札口ごしにぶどう色の客車が見えると、なんだか国鉄時代の雰囲気ですね。

 

(ホームにはすでに「DLやまぐち」号が入線していました)

 

DLやまぐち」号は山口駅3番線から発車します。3番線は改札口直結のホームで、普通はこのような駅長室に最も近いホームは1番線になります。なぜ3番線と付番されているのか気になりますね。昔は別のところに駅長室があったのでしょうか。

 

(改札口直結なのになぜか3番のりば)

 

 出発してしばらくすると、最初の停車駅である仁保 (にほ) 駅に停車します。仁保駅は山口の街がある山口盆地のはずれにあり、ここから峠越えの区間になります。仁保駅はカーブに位置しており、跨線橋から「DLやまぐち」の編成をカッコよく撮影することができました。

 

(ホーム上の人たちを見下ろしつつ跨線橋から撮影)

 

 山口線は大正時代に作られた古い路線であり、このような路線では山間区間は川の流れに沿って走ります。そのため、車窓から川沿いの美しい景色を楽しむことができます。35系客車は作られてからまだ日が浅いので窓がきれいで、車窓を楽しむのには最適です。また、この日はDE10重連が牽引しているということで珍しいのか、多くのギャラリーが駆けつけていました。珍しい列車を撮影するために集まったギャラリーを見物するのも、観光列車の楽しみですよね。

 

(本日の「DLやまぐち」号は超人気者!)

 

 仁保駅からいくつかの駅に停まりつつ、45分ほど走ると地福 (ぢふく) 駅に停車します。地福駅では列車行き違いのため14分間停車します。改札の外に出てみると、九州地盤の製パン会社である「リョーユーパン」の看板がありました。地福駅の駅前は人通りが絶えていましたが、そんなところにもある「リョーユーパン」はおそるべしですね。

 

(「リョーユーパン」の看板と地福駅の駅舎)

 

 地福駅は島式ホーム1本の構造であり、改札から構内踏切でホームに渡ります。そのため、低い位置から「DLやまぐち」号を撮影することができました。ちなみに、今回は観光列車ということで係の方の監督のもと撮影しましたが、一般的に踏切内で立ち止まってはいけません。

 

(地福駅に停車するDE10形機関車)

 

行き違いのキハ40系が来たところで地福駅を出発します。地福駅1230発。

 地福駅山口県島根県の県境近くに位置しており、地福駅を出発してしばらく走ると島根県に入ります。島根県に入って最初の街は津和野であり、「DLやまぐち」号も津和野駅が終点です。津和野駅1258着。

 

(地福駅で交換したキハ40系)