真岡鉄道が誇る面白普通列車に乗車【休日おでかけパス境界駅の旅⑤】

下館駅では、水戸線から真岡鉄道に乗り換え、真岡駅に向かいます。乗り継ぎの列車は、ディーゼル機関車牽引の普通列車で、最後尾にSLを連結しているという面白い列車です。「SLもおか」号の運転日にのみ運転されています。

(煙を上げるC12蒸気機関車、こうしてみると先頭についているようだがこちらは最後尾、真岡駅にて)

 

真岡鉄道の客車列車に乗車

 ここからは真岡鉄道線に乗り換えです。真岡鉄道下館駅茂木駅41.9 km を結ぶ鉄道路線で、官設の軽便鉄道として1920年に全通しました。しかし、開通当初から利用状況が芳しくなく、1988年にJR東日本から分離されて、第3セクター方式の鉄道会社になっています。全線にわたって単線で、おおむね毎時1本の運転です。今日乗る路線はほとんどがこのパターンですね…。

 

(茂木―下館のプレートがつけられた客車)

 

真岡鉄道では、土日祝日を中心にC12蒸気機関車牽引による「SLもおか」号を運転しています。下館駅茂木駅行きと茂木駅下館駅行きの上下1本ずつで、茂木駅には転車台があるので、ここでSLを方向転換させます。この転車台はもともとあったものではなく、1996年に「SLもおか」号のために新しく作られたものだそうです。「SLもおか」号の乗車には乗車券のほかにSL整理券「SLもおか券」500円が必要です。500円ならそれほど高くありませんね。

 

(SLもおか号として運転されるC12蒸気機関車)

 

下館駅には転車台は設置されていないため、上りの「SLもおか」号を牽引したC12蒸気機関車下館駅に到着後、DE10ディーゼル機関車に牽引されて真岡駅まで回送されます。真岡駅には真岡鉄道の本社があるほか、車両基地や転車台もあり、C12蒸気機関車はここで再び方向転換して、次の「SLもおか」号牽引に備えるというわけです。この回送列車は、6103列車として運転され、乗車券のみで乗車することができます。今回はこれに乗車しました。

 

(SL列車を牽引するDE10ディーゼル機関車)

 

真岡鉄道6103列車は1603下館駅を発車します。私が乗ってきた水戸線の列車は1558下館駅に到着するので、5分の乗り換え時間しかありません。うまく乗り換えられるか心配だったのですが、同じホームで連絡していたので余裕で乗り換えることができました。真岡鉄道線のホームはJR真岡駅の構内にあり、真岡鉄道の切符もホーム上で買うことができました。ちなみに切符はよくあるエドモンソン券の常備券ではなく、駅員さんが着駅のところに印を入れて売ってくれる準常備券タイプのものでした。写真があるとわかりやすかったのですが、車内で車掌さんに回収されてしまいました…。車止め側にC12が付いていて、先頭側にはDE10が付いていました。客車は3両繋いでいましたが、普通列車として開放されるのは後ろ側の1両だけとのことなので、DE10を撮影して急いで乗車します。

 

(50系客車に乗るのは初めてです!)

 

 「SLもおか」号に使用されている客車は50系客車というもので、国鉄が主に近距離用に設計したものです。座席はデッキ付近のみロングシート、そのほかはボックスシートセミクロスシートで、ロングシート部分にはつり革が付いています。現役で客車が使われていたころを知らない世代の私にとっては、客車につり革が付いているのが新鮮でしたね。当時としては画期的な車両だったようで、1979年にはローレル賞を受賞しています。私もそれなりにたくさんのSL列車に乗車していますが、実際に乗るのは客車であり、いろいろな客車の違いを観察するのも楽しいですね。

 

(途中駅では記念撮影することもできます)

 

 6103列車は通過運転を行い、途中、折本駅久下田駅のみに停車します。途中駅を飛ばす爽快な走りを楽しむことができるのですが、なかなかよく揺れました。この揺れもまた新鮮でしたね。昔の列車はこんな感じでよく揺れていたのかなと思いました。久下田駅では反対列車との行き違いのため数分間停車しました。この間にC12蒸気機関車の写真をとします。ちょうど蒸気を吹いていて、写真で見るとあたかもC12蒸気機関車が客車列車を牽引しているようです。

 

(久下田駅では対向列車と行き違い)

 

 久下田駅を出るとしばらく走って、1631に終点の真岡駅に到着、真岡駅では茂木駅行きの普通列車に接続しています。「SLもおか」号の運転日でない日には6103列車とほぼ同じダイヤで下館駅茂木駅間の普通列車が運転されており、「SLもおか」号の運転日にはこれが下館駅真岡駅間だけ運休し、代わりに6103列車が走っているということらしいです。

 

(真岡駅では乗り継ぎ列車が縦列停車していました)