「スーパーおき」号と普通列車を乗り継ぎ山陰本線を東へ【青春18きっぷと路線バスで秘境温泉へ⑤】

津和野駅からは特急「スーパーおき」号に乗車しました。特急と普通列車を乗り継いで江津駅まで移動します。

(山口線のもう一つの看板列車「スーパーおき」号)

・特急「スーパーおき」号で益田駅

 津和野駅では、「DLやまぐち」号の客車が休憩中でした。「DLやまぐち」号はこの後新山口駅行きとして出発します。津和野駅での折り返し時間が3時間ほど取られているので、津和野で観光して日帰り旅行という行程でも楽しめそうですね。

 

(テールマークはヘッドマークとは別のものでした)

 

 私は山陰地方を目指すので、逆方向の特急「スーパーおき」号に乗車します。山口線のこの辺りのエリアは列車の運転本数が少なく、事前にきちんとスケジュールを組んでおくことが重要です。今回は青春18きっぷでの移動なので、普通列車で移動することも検討したのですが、普通列車だとよい時間の便がなかったので、特急列車を利用することにしました。

 

(津和野駅の留置線で休む「DLやまぐち」号)

 

 特急「スーパーおき」号は、新山口駅米子駅鳥取駅間を結ぶ特急で、振り子式気動車キハ187系によって運転されています。新山口駅鳥取駅間は378.1 km で、本州の昼行特急列車としては最も長い走行距離です。山陰本線では、「スーパーおき」号の他にも鳥取駅―米子駅益田駅間の特急「スーパーまつかぜ」号も運転されていますが、山口線内の特急としては「スーパーおき」号のみです。私も、「スーパーまつかぜ」号の方には乗ったことがありますが、「スーパーおき」号に乗るのは初めてです。

 

(津和野駅に入線する「スーパーおき」号)

 

 津和野駅の跨線橋で待っていると、キハ187系の黄色い顔が見えてきました。本日の「スーパーおき4号は3両編成のようです。津和野駅1422発、津和野には1.5時間ほど滞在したことになります。津和野は観光スポットが豊富なので、もう少し長く滞在してもよかったのですが、明日も来るのでその時に取っておくことにしました。

 

(美しい山口線の車窓)

 

 山口線山口県側では阿武川の流れに沿っていましたが、島根県側では津和野川と津和野川と合流する高津川の流れに沿って走ります。川沿いの景色が流れていく様は見ていて気持ちいいですね。山口線はカーブが多く、高速運転に対応している山陰本線とは異なり、速度制限を受けて走ることが多いようですが、益田駅までは約30分で着きます。

 

(シンプルにして快適なキハ187系の座席)

 

益田駅1455着、快適なリクライニングシートで一息ついたと思ったらすぐに着いてしまいました。津和野駅―益田駅間は31 km で、50 km 以内の自由席特急料金760円で乗車することができます。ただし、青春18きっぷでは特急列車には乗車できないので、別に乗車券も必要です。

 

(あっという間に益田駅に到着)

 

普通列車益田駅から江津駅

 益田駅山陰本線山口線が合流する主要駅のはずですが、なんだか静かな雰囲気です。2路線が合流する駅とはいっても、山陰本線益田駅以西は特急列車の運転がなく、普通列車の運転本数も少ないため、人の流れとしては山口線を経由して山陽方面に出るというのがメインになるのでしょうか。山口線のほうが本線で、山陰本線長門市駅幡生駅方面が支線のような扱いですかね(笑)。乗り継ぎまで少し時間があるので、駅前の観光案内所で情報収集をしました。益田駅には明日も降りて、周りを観光する予定です。

 

(益田駅は静かです)

 

 乗り継ぎは1522発の浜田駅行き普通列車で、キハ120系による運転でした。キハ120系はJR西日本が開発したローカル線用の気動車で、JRの一般的な車両より一回り小さいのが特徴です。つまり、一回り小さい車両でも事足りるような需要の少ないローカル線向けの車両ということです。投入されている路線としては、中国地方では芸備線木次線、そのほか北陸地方大糸線など、赤字路線として有名なところばかりです(笑)。近年廃線になった三江線でも活躍していました。

 

(益田駅に停車するキハ120系)

 

 キハ120系が走る路線は、カーブの多さや保線状況の悪さから低速走行を強いられるところが多いです。しかしながら山陰本線は地元の支援も受けて高速走行に対応した整備が行われており、キハ120系も高速で走ることができます。さすがは「軽快気動車」とも呼ばれるキハ120系、高速での走りもなかなか頼もしいものです。

 

(山陰本線は絶景路線)

 

 山陰本線の海沿い区間は、日本海の景色が美しいところでもあります。特に折居海岸のあたりは、鉄道写真スポットとしても有名です。この日は良く晴れていたこともあり、車窓が美しくて見ていて飽きることがありませんでした。

 

(浜田駅に入線するキハ126系)

 

 浜田駅には1614着、50分ほどの乗車でした。浜田駅からは再びキハ120系に乗り継ぎです。先ほどまでは1両編成でしたが、乗り継ぎ便は2両編成での運転です。山陰本線のこの辺りは単線なので、対向の普通列車の到着を待っての出発です。対向列車はキハ126系での運転でした。キハ126系は快速列車としても運用されている車両です。山陰本線の快速列車は、特急列車を補完するためのものでかなりのスピードで走ります。したがって、キハ126系の高速性能も素晴らしいものです。

 

(キハ126系とキハ120系)

 

 私が乗車する普通列車出雲市駅行きは1631浜田駅発、キハ120系の2両編成で島根県を横断するような感じですね。私の目的地である江津駅には1658着、江津駅からはかつて三江線が分岐しており、キハ120系が活躍していましたが、山陰本線のキハ120系も三江線から転属してきたものなのでしょうか。

 

(波子駅にて特急列車と行き違い)