東京スカイツリーとブルーインパルス【東武本線乗り放題デジタルきっぷでまわる北関東の旅①】

東武鉄道は私鉄最大級の路線網を持ち、ちょっとやそっとでは沿線を回り切れません。2021年夏季、「東武本線乗り放題デジタルきっぷ」という切符が発売されていたので、これを使って伊勢崎線方面を観光することにしました。この旅程は、「ふらっと両毛東武フリーパス」でも回ることができます。

 

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(ちょうどいいタイミングで東京スカイツリーからブルーインパルスを見ることができました)

・「東武本線乗り放題デジタルきっぷ」とは

 新型コロナウイルス感染症の流行は人々の暮らしを大きく変えました。外出時にはマスクをすることが当たり前となり、テレワークが広まったことで通勤ラッシュが緩和されました。人の移動が少なくなったことで、鉄道会社は大きな打撃を受けました。旅行を自粛する流れが広まったことで、JRの特急列車の乗車率は大きく下がり、一部の特急列車では、定期列車の減便が行われているほどです。通勤需要も減少しており、鉄道各社の定期収入も減少しました。

 

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(京成線を行きかう列車)

 

 このような情勢の中で、東武鉄道は、旅行需要を喚起し、沿線の観光地を盛り上げるために、「東武本線乗り放題デジタルきっぷ」を発売しました。価格は大人3000円で、東武鉄道東上線系統を除く全線に2日間乗車することができます。利用期間は2021年7月16日から9月30日までです (この記事が出ているころには販売が終わっていますね…)。さらに、この切符には、東京スカイツリーの入場券が付いています。東京スカイツリーの入場券は、平日なら大人3100円、休日なら大人3400円であり、入場券としてだけでも「東武本線乗り放題デジタルきっぷ」のほうがお得です。

 

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(東京スカイツリーから臨海部を望む)

 

見方によっては、東京スカイツリーの割引入場券に、東武本線の2日間のフリーパスが付いているという風にも考えることができますね。なんて太っ腹な切符なのでしょう!紙の切符は発売せず、デジタル切符のみとすることで、販売コストを抑えているのでしょうか。実際に利用してみたところでも、スマートフォンのアニメーションを駅員さんに見せることで改札口を通過できるというシステムで、既存のシステムを改修するということはしていないようでした。

 

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(眼下を走る「りょうもう」号)

 

 今回は東京スカイツリーの見物に加えて、館林、足利、桐生といった両毛エリアを観光することにしました。両毛エリアの観光は、東武鉄道から発売されている「ふらっと両毛東武フリーパス」でも行うことができます。3日間有効で浅草駅発2440円なので、こちらもなかなかお得です。

 

東京スカイツリーブルーインパルスを見る

 「東武本線乗り放題デジタルきっぷ」で東京スカイツリーに入場する場合、フリー切符の利用開始日に入場するように案内されます。必然的に、旅の最初に東京スカイツリーを訪れることになります。「東武本線乗り放題デジタルきっぷ」利用2日目に東京スカイツリーに入ろうとするとどうなるかは怖くて試していません…。

 

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(隅田川上で行違う列車)

 

 東京スカイツリーの展望台には、地上350 m の「展望デッキ」と、地上450 m の「展望回廊」の2種類があります。休日訪れる場合、「展望デッキ」の入場券が2300円、「展望デッキ」と「展望回廊」のセット券が3400円です。また、「展望デッキ」では、「展望回廊」に上るための当日券が休日1100円で売られています。「東武本線乗り放題デジタルきっぷ」では、もちろん「展望デッキ」と「展望回廊」の両方に上ることができます。

 

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(行き違う「りょうもう」号と「スペーシア」号)

 

 東京スカイツリーには何度か上ったことがあるので、今回は東武鉄道に注目することにしました。東京スカイツリー東武グループが開発したこともあり、最寄り駅は「とうきょうスカイツリー」駅です。この駅は、もともと「業平橋」駅だったものを改称したものであり、「とうきょうスカイツリー」駅になってからは特急停車駅になりました。展望台の真下に東武線の線路があり、とうきょうスカイツリー駅-浅草駅間を多数の特急列車が走っていました。浅草駅の手前で線路が大きくカーブしており、浅草駅がいかに無理して作られているかがわかります。

 

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(カーブを曲がりながら浅草駅に入る「りょうもう」号)

 

 上から東武線を観察していると思いのほか時間が経ち、お昼ごろになってしまいました。この日はちょうど東京オリンピックの開会式の日で、航空自衛隊ブルーインパルスの飛行があることが予告されていました。「密」を避けるために、詳細な飛行時刻は伏せられていましたが、「まあお昼頃だろう」ということは予想していましたので、うまくいくと東京スカイツリーからもブルーインパルスを見られるかもしれません。

 

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(カーブを曲がる「スペーシア」号、眼下の東武線を見ているとすぐに時間が経ってしまいます)

 

なんとなく都心方向に人が集まっているようです。しばらく待っていると、期待通りブルーインパルスの編隊が飛んできました。カラフルなスモークを吐いて、とうきょうスカイツリー付近を飛行したときには、展望台からも歓声が上がっていました。ブルーインパルスを見られたことに満足して、とうきょうスカイツリーを降ります。

 

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(雲の間からブルーインパルスがやってきました)