「よこすか満喫きっぷ」で横須賀軍港へ【よこすか満喫きっぷの旅①】

京急電鉄から発売されている「よこすか満喫きっぷ」を駆使すれば、品川から日帰りで、手ごろな価格で横須賀地区を満喫することができます。

 

(実は陸揚げされている記念艦「三笠」)

 

・「よこすか満喫きっぷ」とは 

「よこすか満喫きっぷ」は、「みさきまぐろきっぷ」や「葉山女子旅きっぷ」といった京急電鉄が発売するお得な切符の1つです。京急電鉄三浦半島、横浜、羽田空港方面に多数のお得な切符を発売しており、過去には「京急油壷マリンパークきっぷ」なんていうのもありました。京急油壷マリンパークは現在では閉館してしまい、寂しい限りです…。

 

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 「よこすか満喫きっぷ」は、京急沿線から横須賀方面の観光に出かけるための切符で、品川駅からであれば3千円ちょっとで日帰り横須賀観光を楽しむことができます。この切符の大きな特徴は、各駅から横須賀エリアの往復運賃と横須賀エリアの電車・バスフリー切符に加えて、飲食店で使える「食べる券」、様々な加盟店で使える「遊ぶ券」がセットになっている点です。

 

(「よこすか満喫きっぷ」はフリー乗車券、食べる券、遊ぶ券がセットになっています)

 

「食べる券」は1500円分の食事券として利用可能であり、「遊ぶ券」は加盟店での優待券として使うことができます。「遊ぶ券」で受けられるサービスは加盟店によってさまざまであり、「食べる券」と「遊ぶ券」の使い方が「よこすか満喫きっぷ」をうまく使うポイントといえそうです。各駅からの料金は、最も高い品川発で3330円、フリーエリア内からであれば2880円であり、料金面から見ても「遊ぶ券」と「食べる券」が大きな比重を占めるようです (20222月現在は品川発3110円でした)

 

・まずは横須賀で軍艦「三笠」を見物

 品川駅を9時ごろに出る「快特」に乗って、まずは横須賀中央駅に向かいます。品川駅から横須賀中央駅は、「快特」や「特急」で約50分です。欲を言えばクロスシートで行きたいところでしたが、今回はロングシート車でした。

 

(あっという間に横須賀中央駅に到着!)

 

 横須賀中央駅で降りて、港のほうへ向かいます。横須賀は、戦前は横須賀鎮守府が置かれ、軍港として栄えました。今回は京急線で来ましたが、東京と横須賀を結んでいるもう一つの鉄道路線であるJR横須賀線は、軍からの要請で、日本の鉄道史の中で比較的早くから開業しました。軍港エリアは戦後は米軍の拠点として利用され、現在でも米海軍第7艦隊が置かれています。第7艦隊は原子力空母「ロナルド・レーガン」を中心とする第5空母打撃群を有し、太平洋最強の艦隊と言われています。「太平洋最強の艦隊」の基地が置かれている横須賀は、現在でも軍港の性格を持っているわけです。

 

(「三笠」と東郷平八郎像)

 

 そんな軍港としての横須賀を象徴しているのが、記念艦「三笠」です。「三笠」は日露戦争時の連合艦隊旗艦としてロシアのバルチック艦隊と戦って歴史的な勝利を収めましたが、現在は記念艦として横須賀に保存されています。「三笠」はイギリスの「ヴィクトリー」、アメリカの「コンスティテューション」とともに、自国の独立を守るために勇敢に戦ったことから世界の三大記念艦といわれています。

 

(こうしてみると今でも海に浮かんでいるかのようです)

 

 「三笠」は、日露戦争の後、大正時代のワシントン軍縮条約によって廃艦が決まりましたが、日露戦争の勝利の象徴として保存を望む声が高まり、現役に復帰できない形で保存されることになりました。現在の「三笠」は、船として浮かんではおらず、陸地に引き上げられた状態で保存されています。

 横須賀中央駅から10分ほど歩くと、海岸に出て、記念館「三笠」が見えてきます。何も知らずに側面から見ると、「三笠」は海岸につながれて浮かんでいるようにも見えます。観覧料600円で見学することができます。「よこすか満喫きっぷ」の「遊ぶ券」を使って入ることもできますが、600円で「遊ぶ券」を使うのはもったいないので、他のところに取っておきましょう。

 

(艦首主砲)

 

 ちょうどボランティアによるガイドが始まるところだったので参加しました。ガイドは20分ほどで、「三笠」の歴史や見どころをコンパクトに紹介してくれます。最初にガイドしてもらってから、後でじっくりと見学するのがおすすめです。「三笠」の構造物は、元々のものはほとんどが撤去されてしまい、現在のものは再現のものが多いとのことですが、それでも明治時代の軍艦の雰囲気がよくわかりました。全長は100 m ほどで、史上最大級の戦艦「大和」の半分以下しかありません。東海汽船の「たちばな丸」や「さるびあ丸」と同程度の大きさになりますから、現在の基準で見るとだいぶ小型ですね。

 

(甲板の屋根と煙突)

 

 「三笠」の甲板上は、屋根はついていますが通路側の壁はなく、半屋外のような感じになっています。副砲や機銃の砲手は海の風や匂いを感じながら任務に当たってたのでしょうね。東郷平八郎連合艦隊司令長官も、鋼板で守られた司令塔ではなく、屋外の最上船橋から日本海海戦の指揮を執ったといわれています。船室内は、日露戦争当時の様子が再現されているところもあれば、海軍の歴史や日露戦争についての展示スペースになっているところもありました。甲板と船室内を見るのに1時間から1時間半もあれば十分でしょう。私は2時間じっくり見てしまいました… ()

 

(艦内には浴槽もありました)