下高井戸駅から世田谷線に乗車【世田谷線散策きっぷで歴史散歩①】

世田谷線散策きっぷ」は東急世田谷線という全長 5 km のミニ路線が乗り放題になるフリー切符です。価格は340円ととてもお手頃で、今回はこれを使ってマイクロツーリズムを楽しむことにしました。

 

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(東急世田谷線の招き猫列車)

 

・東急世田谷線と「世田谷線散策きっぷ」

 東急世田谷線は下高井戸駅三軒茶屋駅間を結ぶ路線です。全長5 km、全10駅の短い路線で、全駅を乗り通しても16分から17分です。最高時速40 kmのいわゆる路面電車ですが、全線が専用軌道で、道路上を自動車と一緒に走る区間はありません。東急世田谷線は全て300系2両編成での運転で、10編成が在籍しています。

 

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(東急世田谷線の青い電車)

 

路面電車軌間は1067 mmの狭軌か1435 mmの標準軌が多いですが、東急世田谷線は1372 mmの馬車軌道です。路面電車はもともと馬車鉄道としてスタートしたこともあり、いくつかの路面電車で採用されています。馬車軌道の鉄道は、路面電車では函館市電や都営荒川線、普通鉄道では京王線などがあります。運賃は乗車区間にかかわらず150円均一で、切符はなく、乗車時に運賃箱に支払います。都会のバスの雰囲気に近いですね。

 

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(世田谷線散策きっぷ)

 

 東急世田谷線では、1日フリー切符として「世田谷線散策きっぷ」が発売されており、340円で東急世田谷線が1日乗り放題になります。つまり、1日に3回以上利用すれば元が取れてしまいます。東京近辺で買えるフリー切符としては、東武鉄道の「東京下町周遊きっぷ」、京成電鉄の「下町日和きっぷ」、東急電鉄の「トライアングルチケット」などと並んで最も安いもののうちの1つです。

 

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(東急世田谷線の緑の電車)

 

世田谷線散策きっぷ」は、下高井戸駅、上町駅、三軒茶屋駅の駅窓口で発売しており、上記の駅以外から乗車する場合は、電車内で1回分の運賃を支払った上で精算票を受け取ると、上記3駅で差額分を払うと「世田谷線散策きっぷ」を購入することができます。今回は「世田谷線散策きっぷ」で東急世田谷線を観光しました。

 

京王線で下高井戸駅

 今回は吉祥寺駅からスタートです。井の頭線の急行に乗って、まずは明大前駅に向かいます。京王線甲州街道沿いの路面電車として開業し、今でも東急世田谷線と同じ軌間1372 mmの馬車軌道を継承していますが、井の頭線軌間1067 mmの狭軌です。一方で井の頭線は駅間が短く、その点は世田谷線に近いです。明大前駅京王線に乗り換え、下高井戸駅に向かいます。下高井戸駅は各駅停車か準急しか停まらないので、明大前で優等列車を何本かスルーし、やっと各駅停車に乗車しました。下高井戸駅明大前駅の1つ隣です。

 

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(京王井の頭線の並び)

 

 下高井戸駅は、京王線の線路2本と東急世田谷線の線路1本が並んでいますが、東急世田谷線の駅舎が地上にあるのに対し、京王線は橋上駅舎なので、1度階段を上って、また降りなければなりません。京王線の駅舎から東急世田谷線の駅舎に移って、「世田谷線散策きっぷ」を購入します。「世田谷線散策きっぷ」は自動券売機では買うことができず、駅窓口からのみの発売です。

 

・まずは宮の坂駅

 東急世田谷線の下高井戸駅は、線路1本に対して両面にホームがありますが、進行方向右側が乗車ホームで、左側は下車専用ホームです。東急世田谷線は全線複線ですが、始発駅のみ1線で、反対側の始発駅である三軒茶屋駅も同じ構造です。ちなみに、三軒茶屋駅では、進行方向右側が下車ホームで、左側が乗車ホームです。やってきた電車に乗って、最初の目的地である宮の坂駅に向かいます。

 

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(東急世田谷線赤い電車世田谷線の車両はカラフルです)

 

日中の東急世田谷線は7分から8分間隔の運転で、1線のみのターミナル駅だと、列車はあっという間に折り返していきます。宮の坂駅は下高井戸駅から3駅目で、駅間が短いのですぐに着いてしまいます。

 

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(宮の坂駅に展示されているデハ80)

 

 宮の坂駅横には、東急デハ80形が展示されています。デハ80形はもともと玉川線 (現田園都市線)、世田谷線で活躍していましたが、その後江ノ島電鉄に譲渡され、600形として使用されました。平成2年に江ノ島電鉄で廃車された後、世田谷区の宮坂区民センター (宮の坂駅横) で保存されています。車内にも入ることができ、床は板張りで、昔の路面電車の雰囲気を今に伝えています。

 

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(内装もいい雰囲気です)