tyoutyouuoの日記

鉄道を中心に公共交通を利用した旅行の様子を投稿しています

「A列車で行こう」号と「天草宝島ライン」で天草へ【FDA「どこでも1万円」プランと「みんなの九州きっぷ」で行く熊本・大分の旅④】

三角線のD&S列車「A列車で行こう」号と「天草宝島ライン」は、接続を考慮したダイヤが組まれています。両社とも水戸岡鋭治氏のデザインで、なんとなく統一感があります。

 

f:id:tyoutyouuo:20210509113956j:plain

(「A列車で行こう」号、三角駅にて)

 

 ・「A列車で行こう」号で三角駅

 「A列車で行こう」号は、熊本駅三角駅間で運転されているJR九州の特急列車です。D&S列車の一つで、ほかのD&S列車と同じく、内装は水戸岡鋭治氏が担当されています。

 

f:id:tyoutyouuo:20210509113119j:plain

(ワンマン運転の「A列車で行こう」号)

 

使用されている車両はキハ185系2両編成で、特急列車でありながらワンマン運転が行われています。ちなみにJR九州では、いくつかの特急列車でワンマン運転が行われています。「A列車で行こう」号の「A」は、目的地のAmakusa (天草) から取られており、三角港と松島港 (上天草市) を結ぶ定期船である天草宝島ラインとの接続を考慮したダイヤになっています。「A列車で行こう」号は、基本的に土休日に3往復の運転であり、平日には運転されていませんが、天草宝島ラインのダイヤも、「A列車で行こう」号の運転日と非運転日に分かれたダイヤが組まれています。また、「A」には、Adult の意味も込められており、大人の旅をイメージした車両になっているそうです。「A列車で行こう」号の大きな特徴として、車内BGMとしてジャズが流れていることが挙げられます。主な曲目は、列車名にちなんで「A列車で行こう」です。まさに「大人の旅」ですね (笑)。

 

f:id:tyoutyouuo:20210509113205j:plain

(側面もかっこいいデザイン)

 

 熊本駅で指定席を発券していると、「A列車で行こう」号の発車時刻が近づいてきましたので、急いで乗り込みました。私が乗車したのは3号で、12:24発です。車内にはジャズミュージックが流れており、これだけでも通常の特急列車とはだいぶ異なる雰囲気です。途中の宇土駅までは鹿児島本線を走り、宇土駅から三角線に入ります。三角線沿線では、進行方向右側に有明海雲仙普賢岳を見ることができます。よって下りの「A列車で行こう」号に乗るときは、進行方向右側がおすすめです。もっともこれは、乗客にとっては常識のようで、右側の席は全て埋まっており、その一方で左側の席にはいくつか空きがありました。

 

f:id:tyoutyouuo:20210509113252j:plain

(進行方向左側からの景色)

 

私が座席指定したのは発車直前でしたので、左側の席しか空いていませんでした…。このような場合にはフリースペースを利用しましょう。フリースペースは座席が海側を向いており、景色を楽しむことができます。このことには後で気づいたので、帰りの便で実践しました。

 「A列車で行こう」号は、全線乗り通しても40分ほど、熊本城観光でたくさん歩いて疲れた足を休めていると、すぐに終点の三角駅に到着します、三角駅13:03着。

 

f:id:tyoutyouuo:20210509113333j:plain

(三角駅に停車する「A列車で行こう」号)

 

・天草宝島ラインで松島港へ

 三角駅も、「A列車で行こう」号と対応するような内装になっていました。天草地方の玄関口らしく、天草の津崎天主堂、イルカ、鯛がPRされていました。

 

f:id:tyoutyouuo:20210509113430j:plain

(津崎天主堂は公共交通機関では生きにくいです…)

 

三角駅から道路を1本渡ると三角港です。三角港から天草宝島ラインに乗り換えます。天草宝島ラインは三角港―松島港間を結ぶ定期船で、「A列車で行こう」号に合わせて3往復運航しています。「A列車で行こう」号の運転がない日には別ダイヤが組まれていましたが、2021年4月現在、新型コロナウイルスの拡大による需要低下に伴って、全便運休となっています…。天草宝島ラインは、以前は松島港の先の本渡港 (天草市) まで伸びていましたが、需要の低下に伴って、松島港-本渡港間は休止しています。この区間は波の影響を受けやすいためもともと運休しやすく、加えて、天草地方が橋で九州本土と結ばれると需要がそちらに移行し、定期船の方は休止に追いやられたそうです。

 

f:id:tyoutyouuo:20210509113537j:plain

(天草宝島ラインの側面には「A列車で行こう」号と共通のマークがついています)

 

 三角港―松島港航路に使用される船は、「A列車で行こう」号と同じく水戸岡鋭治氏によるデザインで、コンセプトも統一されています。私が乗船したのはマリソル号で、前半分がラウンジのような客室、後ろ半分がウッドデッキ仕様になっており、晴れた日には気持ちよさそうでした。当日は雨でしたが…。

 

f:id:tyoutyouuo:20210509113646j:plain

(ラウンジ風の船室)

 

 ちなみに、三角港も目を引くデザインですが、こちらは水戸岡鋭治氏のデザインではなく、ほかの方によるものだそうです。屋根付きの通路部分は、イベントスペースとしても利用できるように考えられており、グッドデザイン賞を受賞しています。

 

f:id:tyoutyouuo:20210509113725j:plain

(特徴的なデザインの三角港)

 

 私が乗船した「シークルーズ」3号には、最初はだれも乗ってこないので貸し切りかと思われましたが、出港間近に1人乗ってこられました。13:35出港、乗船料は1000円で、往復券を買うと1割引きになります。

 

f:id:tyoutyouuo:20210509113811j:plain

(貸し切り状態のウッドデッキ席)

 

 松島港までは約20分、天草諸島の島々の間を抜けていきます。これらの島で風が遮られるため、三角港―松島港間は波の影響を受けにくく、安定して運行できるようです。途中、大きな橋をくぐりました。東大維橋というそうです。天草宝島ラインは、これらの橋に需要を奪われつつあります…。

 

f:id:tyoutyouuo:20210509113858j:plain

 (東大維橋)