「ゆふいんの森」号はJR九州最初のD&S列車で、現在でも高い人気を誇ります。こんな豪華列車で由布院や別府などの温泉地に行けるなんて贅沢ですね!
・「ゆふいんの森」号で別府へ
由布院駅からは「ゆふいんの森」3号に乗車します。「ゆふいんの森」号は、博多駅―別府駅間が1往復 (3、4号)、博多駅―由布院駅間が2往復 (1、2、5、6号) で、「ゆふ」号 (3往復) と合わせると、久大本線には1日当たり6往復の特急列車が走っています。「ゆふいんの森」号は、JR九州で最初のD&S列車であり、現在でも高い人気を誇ります。
私が乗車したときも、由布院駅では多くの方がカメラを向けていました。また、特に外国人観光客からの人気が高く、乗客の過半数が外国人というときもあるそうです。これは、「ゆふいんの森」号が、1930年代ヨーロッパの流線型気動車をイメージしてデザインされていることと関係しているかもしれません。「ゆふいんの森」号に充当されるキハ71系は、1989年のグッドデザイン商品に選ばれています。
(パブリックスペースの拡大された窓からの景色)
「ゆふいんの森」号の列車には2パターンあり、3、4号には、「ゆふいんの森」登上当初からのキハ71系が、1、2、5、6号には「ゆふいんの森Ⅲ世」とも呼ばれるキハ72系が充当されます。内装も一部異なり、キハ72系のデザインはJR九州でおなじみの水戸岡鋭治氏が担当しました。逆に言えば、初代にあたるキハ71系は、JR九州のD&S列車としては珍しく水戸岡鋭治氏の設計ではありませんが、全く遜色のないデザインだと思います。
(由布院で買ったお弁当、鶏めしのおにぎりがおいしかった)
12:38由布院駅発、車内では、由布院で買ったお弁当を食べました。駅弁というわけではなく、地元の直売所で買ったものなのでコスパ良です!「ゆふいんの森」号の特徴はビュッフェとパブリックスペースなので、お弁当を食べた後はこちらに移動しました。大きな窓から見える景色は素晴らしく、これを見るためだけでも乗車する価値があると思います。「ゆふいんの森」号は、グリーン車ではなく、全車普通車指定席なので、お財布にも優しいです。
由布院駅出発後、しばらく山の中を走りますが、大分駅に近づくと都会らしさが出てきて、大分駅―別府駅間は街の中を走ります。由布院駅を出て約1時間、13:37別府駅着。
・別府温泉を観光
別府駅を降りると、別府温泉の温泉街が広がっています。別府温泉は、広義には、別府温泉、浜脇温泉、観海寺温泉、堀田温泉、明礬 (みょうばん) 温泉、鉄輪 (かんなわ) 温泉、柴石温泉、亀川温泉の別府温泉を指しますが、特に別府駅前の温泉街を別府温泉と呼ぶこともあります。
別府温泉の中でも代表的なものが市営温泉「竹瓦温泉」であり、入母屋破風が特徴的です。別府温泉は江戸時代以前から名が知られていましたが、明治時代に旧別府港が開港すると温泉街が発達しました。竹瓦温泉は明治12年に旧別府港近くに開業し、現在の建物は昭和13年に建てられたものです。「竹瓦温泉」という名前は、当初の建物が竹屋根葺きだったことに由来します。竹瓦温泉は登録有形文化財と近代化産業遺産に指定されています。
(趣きある竹瓦温泉の建物)
竹瓦温泉の特徴は砂湯を体験できることです。今回は普通湯のみの利用でしたが、いつか砂湯の方も浴びてみたいものです。竹瓦温泉で暖まった後は、別府駅に戻ります。別府駅前には、バンザイをしたおじさんの銅像が建っています。これは、別府観光生みの親と言われる油屋熊八氏の像で、愛媛県宇和島の方だそうです。油屋熊八氏は、銅像の台座にも刻まれている「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」というキャッチフレーズを考案して富士山に看板を立てたり、別府に日本初の観光バスを走らせたり、由布院を別府の奥座敷として開発したりしました。銅像のバンザイのポーズがとても印象的でであり、多くの方が写真を撮っていました。
(別府駅前のバンザイおじさんは、実はすごい人)