「ネット限定!お買い物往復きっぷ」を使って、福岡から門司港を観光しました。福岡駅―門司港駅 (小倉駅) 間には「2枚切符」というのもありますが、こちらのほうが1000円分のお買物券が付いている分お得です。福岡駅―門司港駅間の所要時間は1時間ちょっとで、日帰りでの旅行にちょうど良いです。
・博多-小倉交通事情
博多駅―小倉駅間は、山陽新幹線と鹿児島本線の2系統の線路が敷かれています。これこれらは、国鉄民営化の時に、山陽新幹線はJR西日本に、鹿児島本線はJR九州に移管されました。従って、博多駅―小倉駅間ではJR西日本とJR九州が競合することになっています。博多駅―小倉駅間を新幹線の自由席で移動すると2160円、鹿児島本線の特急自由席で移動すると1830円、快速電車だと1310円となります。新幹線は料金が高いですが、所要時間は最速16分と圧倒的に短く、しかも本数も多いので便利です。在来線特急は1時間に1本~2本で、所要時間は60分ほど、快速電車だともっと時間がかかります。速さ・利便性・料金でうまくすみ分けられそうですが、事情はもう少し複雑です。
JR九州は数多くの割引切符を発売していますが、博多駅―小倉駅間でも同じく割引切符を発売しており、「2枚切符」では3140円で特急の自由席を利用することができます。2枚セットなので1枚あたりだと1570円であり、普通列車で行くのとそれほど変わらない金額です。2枚切符は往復で利用、片道で2回利用など、いろいろな利用方法ができるので使い勝手が良いです。また、休日限定で、「ネット限定!お買い物往復切符」というのもあります。これは、博多駅―小倉駅・門司港駅間往復3100円で特急列車の自由席が利用でき、さらに、1000円分のお買物券が付いています。従って、片道1050円で特急列車に乗車できることになり、普通列車で行くよりも安いことになります。これはかなりお得ですね!
JR西日本も、これに対抗して「新幹線よかよかきっぷ」を発売しており、これは土日限定・日帰り限定で、博多駅―小倉駅間自由席利用往復3100円です。値段は「ネット限定!お買い物切符」と同額で、利用条件的にも「ネット限定!お買い物切符」を意識したものですよね…。いずれにしても、お得に移動できる選択肢が多いことは利用者にとってはありがたいことです。
「ネット限定!お買い物切符」は博多駅―門司港駅間でも利用できるので、今回はこれを利用して門司港まで行ってみることにしました。
(側面のつばめマークがかっこいい885系)
特急「ソニック」号は博多駅―大分駅間を結ぶ特急列車です。博多駅―小倉駅間は鹿児島本線を走り、小倉駅―大分駅間は日豊本線を走ります。また、途中の小倉駅で進行方向が変わります。博多駅―小倉駅間は山陽新幹線と競合していますが、この区間を「ソニック」号で移動する需要もそれなりにあるようです。かく言う私もその一人です。使用列車は、もともとは883系でしたが、増発に伴って885系も充当されるようになりました。現在は、おおむね1時間に2本の運転ですが、新型コロナウイルスの影響で2021年9月現在、一部の列車が運休または臨時列車扱いとなっています。
私が乗車したのは「ソニック」27号で、885系が充当されていました。885系は白い塗装で、在来線特急ですが新幹線のような見た目です。車体はアルミニウム合金製であり、軽量化が図られています。また、振り子装置を搭載しており、カーブを高速通過することができます。アルミ車体の振り子式電車は381系以来であり、両者の共通点は揺れが大きいということです…。実際に乗車してみると、博多駅―小倉駅間は気になるほどではありませんでしたが、復路で乗車した883系と比べると揺れが大きかった気がします。
「ソニック」27号は13:19に博多駅発、自由席はそれなりに埋まっていました。鹿児島本線の車窓を眺めながら昼食をいただきます。昼食を食べて食後の一服をしていると、すぐに小倉駅に着いてしまいます。博多駅―小倉駅間は約50分、小倉駅には14:06に到着しました。
(小倉駅で普通電車に乗り換えです)
「ソニック」号は、小倉駅で進行方向を変えるため、しばらく停車します。私はここで降り、普通列車に乗り換えて門司港駅を目指します。関門トンネル開通以降、鉄道輸送の流れは小倉駅―門司駅―下関駅となり、門司港駅は流れから外れました。しかしながら、本州と九州は電化方式が異なるため、小倉駅―下関駅間は短区間の折り返し列車で運転される一方、門司港駅へは鹿児島本線への直通列車が多数運転されています。私が乗車した普通列車も、折尾駅から運転されてきたもののようでした。小倉駅から門司港駅へは10分ちょっとです。
(門司港駅のホームは長く、かつての栄光を彷彿とさせます)