西肥バスで平戸城に登城【松浦鉄道1日乗車券の旅③】

たびら平戸口駅からバスに乗り、平戸城に登城しました。

 

(平戸城天守閣)

・バスで平戸島

 平戸島は、江戸時代にオランダ商館が置かれたことでも有名です。また、松浦氏の城下町として栄えた地域でもあります。松浦氏は強力な水軍を持ち、アジアとの貿易によって栄えました。平戸の街は、松浦氏の居城だった平戸城やオランダ商館、また、オランダとのつながりからキリスト教会などの豊富な観光資源を持っています。

 

(平戸は海に開かれた街です)

 

 たびら平戸口駅は、その名の通り平戸島への玄関口にあたる駅です。平戸島までは少し離れており、歩くと30分ほどかかりますが、路線バスで10分ほどで行くことができます。

 

(バス停は駅から少し歩いたところにあります)

 

 乗車するのは西肥バスで、「平戸口駅前」バス停から乗ります。「平戸口駅前」バス停は、たびら平戸口駅の正面のロータリーではなく、駅から少し歩いた国道204号線沿いにあるので、バス停にたどり着くまで少し不安です(笑)。

 

(このバスは回送でした…)

 

 平戸桟橋行きのバスに乗車して一安心です。この手の路線バスあるあるで、乗客は私一人だけでした…。地域の足として運転して下さってありがたい限りです。せっかくなので一番前に陣取って、全面展望を楽しみます(笑)。平戸島には平戸大橋を渡って入ることができます。平戸大橋は立派なつり橋で、元々は有料道路でしたが、2010年から無料になりました。

 

(平戸大橋の全面展望は絶景!)

 

 バスは平戸大橋を渡り、「平戸桟橋」バス停まで行きます。平戸桟橋は、平戸島から度島や的山大島といった離島へ向かう玄関口であり、観光の拠点でもあるのですが、私は途中の「猶興館高校入口」バス停で下車します。猶興館高校に行くわけではありません…。

 

(猶興館高校入り口で下車)

 

平戸城に登城

 「猶興館高校入口」は平戸城への最寄りのバス停です。平戸城は、平戸島北部に突き出た丘陵地の上に建つ城であり、高い位置にあるのでバス停からも見ることができました。平戸城は、豊臣秀吉に従った松浦鎮信(しげのぶ)が松浦郡壱岐を安堵されて築城を始めましたが、1613年に火災で焼失した後は長く再建されませんでした。

 

(バス停からも平戸城が見えます)

 

松浦氏は平戸港を挟んだ北側に居館を構え、平戸藩の藩庁としました。この場所には明治時代に松浦氏の私邸が建てられ、現在では松浦史料博物館になっています。こちらにも後で行きます。ちなみに、猶興館高校は明治時代に松浦氏が旧平戸藩士の子弟のために作った私塾が基になっており、長崎県で最も歴史ある高校とのことです。平戸城はその後、1702年に幕府に願い出て再建が始まり、1707年に完成しました。江戸時代中期に築城が許可されるのは異例のことであり、これは松浦氏が徳川家と姻戚関係にあったためと、東シナ海警備のためと言われています。

 

(亀岡神社を通って平戸城に登城します)

 

 現在につながる平戸城1707年に再建されたものですが、平戸城は明治期の廃城令により大部分が解体され、城内の一部は亀岡神社になっています。現在の天守は鉄筋コンクリート造の復興天守で、1962年に建てられたものです。江戸時代には天守を建てることは許可されず、二の丸に3重3階の乾櫓を建てて天守の代わりにしていました。

 

(お城の入り口っぽい神社の参道)

 

 「猶興館高校入口」バス停から、天守閣のほうに進むと大手御門跡があり、それを過ぎて進むと亀岡神社があります。亀岡神社付近には乾櫓などが建っており、これを見ながら天守閣に向かいます。天守閣は資料館になっており、平戸や松浦藩、松浦氏の歴史に着いての展示がありました。

 

(亀岡神社からも平戸城が見えます)

 

 平戸城天守の上からは、平戸の街と海を一望することができます。平戸城は、九州本土と平戸島の間の海峡である平戸瀬戸や平戸港に睨みを利かせられる立地にあり、貿易の街だった平戸の歴史を感じることができます。また、奥には現代の平戸島の玄関口である平戸大橋も見ることができ、平戸城天守は平戸を象徴するスポットだと思います。

 

(平戸城天守から見た平戸大橋)

 

 平戸城天守の奥の海に最も近いところには、見奏櫓が建っています。ここは現在では休憩スペースになっており、南蛮貿易の時代を彷彿とさせる展示物が置いてありました。中は涼しかったので、展示物を見ながら少し休憩します。

 

(西洋風の休憩室)