松浦鉄道は、基本的に1両での運転ながら、それなりに需要はあるようで、車内には常に何人かの乗客が乗っていました。伊万里駅で乗り継いで、たびら平戸口駅に向かいました。
(伊万里駅まで乗ったMR-600形)
有田駅でJRから松浦鉄道に乗り換える際は、改札をまたぐ必要はなく、跨線橋を渡るだけで良いです。松浦鉄道がもともとJR松浦線だったことの名残なのでしょうか。有田駅に着くと、すでに松浦鉄道の列車が待っていました。乗り換え時間はわずかなので、急いで跨線橋を渡って乗り換えます。
(乗り換えの松浦鉄道の列車)
待っていた列車はMR-600形で、この形式は真岡鐡道のモオカ14形がベースになっているそうです。このように他社の車両をベースにすることで車両にかかるコストを抑えているのでしょうか。
「松浦鉄道1日乗車券」は、松浦鉄道の車内で運転手さんに申し出れば買うことができます。日付をコインで削って使うという形でした。ちなみに、スマートフォンアプリを通して買うデジタルきっぷタイプもあります。
(松浦鉄道1日乗車券)
車内はまばらに座席が埋まり、鉄道マニアよりも地元の方が多いという印象でした。有田駅―伊万里駅間は朝夕は30分に1本の運転間隔であり、それなりに地域の方に利用されているようです。とはいうものの、私が乗る8:10有田駅発を逃すと、つぎは9:00発まで50分待たなければならず、だから特急を利用してまで当初の旅程に追いついたわけなのですが…。
(見晴らしの良い大木駅)
松浦鉄道は第三セクターに移行してから駅を多数追加したこともあり、駅間が短いです。こまめに駅に停まりながら、伊万里駅に向かっていきます。多くの駅は単線の線路のわきにホームがある棒線駅ですが、いくつかの駅には交換設備があります。夫婦石 (めおといし) 駅は交換設備のある駅で、ここでは有田駅行きの列車と交換を行いました。
(単線なので列車交換が必要です)
夫婦石駅を出ると、3駅で伊万里駅に到着します。夫婦石駅―伊万里駅間は若干住宅街を離れたところを走りますが、有田駅―伊万里駅間は比較的人の流れがあるところを走っており、それなりに利用されているようでした。
(伊万里駅に入線します)
松浦鉄道は全区間が「西九州線」ですが、有田駅―伊万里駅間と伊万里駅―佐世保駅間で完全に系統が分かれており、伊万里駅で必ず乗り継ぎが必要です。
伊万里駅では、すでに乗り継ぎの列車が待っていました。伊万里駅からは有田駅に向かう線路と佐世保駅に向かう線路が八の字に分かれていく、スイッチバック構造の配線になっています。
また、改札口の向こう側にはJR筑肥線の伊万里駅があります。もともとはどちらもJRで、線路もつながっていたのですが、有田駅とは異なりこちらは現在では改札で隔てられており、また、両者の駅の間には道路が通っています。これは2002年にできた道路だそうで、これによって松浦鉄道の伊万里駅とJRの伊万里駅は物理的に分断されています。お互いに駅の大きさがもともとの半分程度になっているわけですが、現在では短編成の列車しか入ってこないので特に問題ないのでしょう。
(MR-400形)
伊万里駅からは、先ほどのMR-600形よりも少し古いMR-400形に乗車しました。とはいっても、どこがどう違うのかあまりわかりませんが…。松浦鉄道は伊万里駅から海沿いを走るようになり、海の車窓がきれいです。
(伊万里駅を出ると海沿いを走ります)
しばらく海沿いの景色を見ながらのどかな感じで走り、主要駅の松浦駅に着きます。主要駅と言っても、都会という雰囲気ではありませんが…。ここで反対方向の列車と行き違いました。交換設備のある駅は貴重です。
(ずっと海沿いを走ります!)
松浦駅を出てしばらく走ると、たびら平戸口駅に着きます。ここも主要駅で交換設備があり、反対方向の列車も来ていました。たびら平戸口駅は、松浦半島の先端付近にあり、「日本最西端の駅」とアピールされています。2003年に沖縄にゆいレールが開業してからは、那覇空港駅が鉄道の「日本最西端の駅」です。しかしながら、ゆいレールは軌道法に基づくモノレールであり、普通鉄道の「日本最西端の駅」は現在でもたびら平戸口駅です。
(日本最西端の駅!)
ゆいレールの那覇空港駅は飛行機で那覇空港に行けばすぐに行くことができますが、たびら平戸口駅にたどり着くにはけっこう手間がかかるので、達成感はこちらのほうが高いですね!
(たびら平戸口駅は有人駅です)