「サンライズ瀬戸」で大阪→東京出張

関西から東京への出張で、大阪駅から「サンライズ瀬戸」に乗車する機会があったので、そのことについて紹介します。

 

(大阪駅に入線する「サンライズ瀬戸・出雲」、ギャラリーもたくさんいました)

大阪駅に停車する上り「サンライズ瀬戸・出雲

 「サンライズ瀬戸・出雲」は、国内で運転される唯一の定期寝台特急列車です。国内の寝台特急は夜行バスとの競合等による需要低迷、昼間は使い道のない寝台客車の取り回しの悪さ、JR旅客各社の機関車削減の流れなどの影響で相次いで廃止されていきました。かつてはビジネス出張の花形、寝台特急と並んで多数運転されていた座席夜行急行利用者の憧れだった時代もあったそうで、その時代から考えると寂しい限りです。

 

(最後の定期夜行寝台列車である「サンライズ瀬戸」)

 

一方で、今や純粋な民間企業となったJR東日本、JR東海、JR西日本 (+JR九州) からしてみれば、運転しても利益にならない寝台特急は廃止して当然でしょう。そんな中で、最後の寝台特急である「サンライズ瀬戸・出雲」号は最近特に人気であり、コロナ禍における個室需要の高まりもあり、予約が取りにくい状況になりつつあります (この「サンライズ瀬戸・出雲」でさえ、満室で運行したとしても単体では赤字になるそうです…)

 

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(「サンライズ出雲」のほうにも出張で乗ったことがあります)

 

 「サンライズ瀬戸・出雲」は、東京駅―高松駅間の「サンライズ瀬戸」と東京駅―出雲市駅間の「サンライズ出雲」が東京駅―岡山駅間で併結して運転されています。これによって、列車の運転本数が多い東海道線内のダイヤのスジを節約することができます。東海道線は昼間は旅客列車がメインですが、夜間は多数の貨物列車が運転されており、線路を効率よく利用するためにこのような工夫が重要なのでしょう。したがって、「サンライズ瀬戸・出雲」で静かに眠りたい場合は、進行方向左側の個室を予約するのがおすすめです。進行方向右側だと、深夜でも多数の貨物列車とすれ違うため、対抗列車の走行音で目が覚めてしまうかもしれません。

 

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(大阪駅からのサンライズにも以前乗ったことがあります)

 

 また、「サンライズ瀬戸・出雲」は首都圏と高松を中心とする四国地方、出雲を中心とする山陰地方を直結することが目的の列車のため、関西圏の停車駅は基本的に設定されていません。下り列車は深夜に浜松駅を出発すると、次の停車駅は姫路駅です。一方で、上り列車は深夜に姫路駅に停車した後、三ノ宮駅大阪駅に停車します。これによって、神戸・大阪の人にとっては、夜行バスよりも遅く出発して、早朝の東京駅 (東京駅着708) に着くことができます。つまり、東京駅→大阪駅三ノ宮駅では「サンライズ瀬戸・出雲」を利用することはできませんが、三ノ宮駅大阪駅→東京駅 (+首都圏のサンライズ号停車駅) の場合は「サンライズ瀬戸・出雲」に乗車可能です。

 

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(「サンライズ瀬戸」には高松駅まで乗り通したこともあります、サンライズ大好きですね笑)

 

・「サンライズ瀬戸」で東京出張

 今回は、関西から東京に出張する機会があったので、「サンライズ瀬戸・出雲」を利用することにしました。利用日が平日ということもあり、発売日の10時でなくても空席がありました。三ノ宮駅大阪駅に停車するのは日付が変わってからなので、発売開始日と利用日には特に注意が必要です。また、「サンライズ瀬戸」と「サンライズ出雲」なら、「サンライズ瀬戸」のほうが空いていることが多いようです。今回取れたのも「サンライズ瀬戸」の方でした。

 

(この日の東海道線滋賀県内でダイヤが乱れていました)

 

 当日は三ノ宮駅から乗車するつもりだったのですが、ダイヤ乱れの影響で大阪駅からの乗車になってしまいました…。ダイヤ乱れの中でも「サンライズ瀬戸・出雲」が運転されているということだけでもありがたいですね。大阪駅には0時前に着きました。日付が変わるころになると、大阪駅を出発する列車もいなくなり、大阪駅は静かになります。たくさん並んだホームに列車が1本もいない大阪駅はこの時間にしか見られません。

 

(カラの大阪駅ホーム)

 

貴重な大阪駅の様子を観察していると、徐々にサンライズ待ちのお客さんがホーム上に出てきました。しばらくすると案内放送があり、「サンライズ瀬戸・出雲」が入線してきます。今回私が利用するのは「サンライズ瀬戸」の方です。疲れていたためと、翌日仕事があったため、個室に入ると速やかに着替え、すぐに寝てしまいました。

 

(深夜の東海道線を駆け抜ける「サンライズ瀬戸」)

 

 熟睡のセオリーから外れた進行方向右側でしたが、サンライズの利用には慣れていたこともあり、翌日の東京駅到着直前までぐっすりと眠ることができました。東京駅には708の到着です。この時間の東京駅は朝の通勤ラッシュが始まりつつあり、「サンライズ瀬戸・出雲」もホームを空けるために速やかに回送されます。車内清掃等は車庫でゆっくりと行うようです。この車両はこの後、夜まで暇ですからね(笑)。

 

(東京駅に着くと早々と「回想」幕に切り替えて出ていきます)

 

私の用事は日中のうちに終わり、夕方の新幹線に乗れば夜には関西に戻ることができたのでそのようにしました。新幹線は一度に大量の乗客を運べることから利益率も高く、「サンライズ瀬戸・出雲」も片道は新幹線など他の交通機関を利用すること前提で運転されているようです。「サンライズ瀬戸・出雲」に使われている285系は1998年の製造でデビューから25年がたっており、そろそろ引退が見えてくる頃です。同形式の新車両や新型車両などで、何とか定期寝台特急が残ってくれるといいですね。

 

(帰りは早くて快適で利益率の高い新幹線を利用しました)