門司観光と115系の旅【青春18きっぷで行く博多―大津②】

博多駅を出発し、まずは本州に入ります。下関駅からは115系に乗って岩国駅を目指しました。

 

(門司駅で最初の途中下車をしました)

・まずは九州から本州へ

 博多駅541発の普通列車で、まずは小倉駅を目指します。まだ快速列車も走っていない早朝ですが、車内にはそれなりのお客さんがいました。皆さんどこへ向かうのでしょうか。各駅に停車するのんびりした雰囲気の中で、私もうとうとしてしまいました。小倉駅には705の到着、約80分の乗車でした。

 

(小倉駅まで乗ってきた813系)

 

 ここからは門司港駅行きの列車に乗り換えです。鹿児島本線門司港駅が起点ですが、運行上は小倉駅を境とするようになっており、小倉駅門司港駅間には、鹿児島本線から直通してくる列車と、日豊本線から直通してくる列車があります。また、小倉駅門司駅間には、小倉駅下関駅間の関門連絡の列車も通ります。

 

(小倉駅から乗車した415系)

 

 私は本州に向かうので、下関駅行きの列車に乗るべきなのですが、門司駅にて最初の途中下車をします。708小倉駅発、715門司駅着、わずか1区間の乗車です。門司駅は、もともと大里 (だいり) 駅と呼ばれていましたが、関門トンネルの開通で本州の鉄道との接続駅になることに伴い、門司駅に改称されました。大里駅が門司駅に改称されるまでは、今の門司港駅門司駅を名乗っていました。関門トンネル開通のインパクトは、旅客輸送よりも貨物輸送で大きく、門司駅には広大な貨物スペース (北九州貨物ターミナル駅) が設けられています。人は鉄道から船にすぐに乗り換えられますが、貨物を積み替えるのは大変ですからね。

 

(大里駅の由来になっただろう豊前大里宿)

 

 門司港駅は観光地として開発されており、私も降りたことがありますが、門司駅のほうは初めてだったので、駅前を散策することにしました。海のほうに少し歩くと、赤煉瓦の建物が目に入ります。案内板によると、旧サッポロビール九州工場とのことです。海に面して倉庫が並んでおり、関門トンネル開通前は、船によって荷物を運んでいたということがわかります。門司港駅周辺だけでなくこの辺りも古くから物流拠点だったのですね。また、この辺りは豊前大里宿跡とのことでした。小倉半初代藩主細川忠興によって整備されたそうです。大里駅という駅名も、大里宿から来ているのでしょう。

 

(近代化を象徴する赤煉瓦の建物)

 

 駅前を一回りして門司駅に戻ります。ここから下関駅行きの列車に乗り換えて、本州にわたります。755門司駅発、ここからは山陽本線に入ります。門司駅山陽本線の終点でもあります。関門トンネルを通り、802下関駅着、ここも1区間のみの乗車になります。

 

(門司駅は広大です)

 

下関駅から岩国駅

 下関駅から乗車するのは115系です。115系電車は代表的な国鉄型電車で、1963年に登場しました。2023年で登場から60年ということになりますが、まだ活躍しているのですからすごいですね。ただし、製造から60年経った車両が使われているわけではありません。115系は1983年まで製造されていたので、今走っている車両は比較的最近製造されたものでしょう。それでも製造から40年は経っているわけですから、かなり年代物ということになりますね。

 

(下関駅から乗車した115系)

 

 115系は岡山で新型車両への置き換えが始まるとのことで話題になりましたが、下関地区ではまだまだ現役です。下関地区では115系は黄色い塗装になっています。私が乗車する列車も黄色い塗装で、2扉車でした。2扉車の115系は珍しいそうです。珍しい車両に当たると得した気分になりますね。車内にはクロスシートが並んでいました。2扉車のクロスシートとは、優等列車に乗車した気分です。

 

(2扉車の115系は変わり種)

 

 811下関駅発、ここから延々と山陽本線を東に向かいます。山陽本線は駅間が長く、普通列車でもなかなか駅に停車しません。だからこそ、性能の劣る115系が長く現役で使われているのかもしれんせんね。駅間が短いと、効率的な運行のために高い加減速性能が求められ、どんどん新しい車両に置き換える必要が出てきます。山陽本線のこの区間は駅間が長いので、クロスシートだとますます優等列車に乗車している気分ですね。

 

(九州から下関あたりまでは曇っていました)

 

 九州を出発して下関駅付近では曇っていたのですが、しばらくすると晴れてきて、晴れの瀬戸内海を眺めることができました。長距離の移動だと天気の変化も見られて楽しいですね。電車に揺られていると、次の乗り継ぎ駅である岩国駅に到着しました。岩国駅1122着。3時間以上かけて、山口県の西から東に移動してきたことになります。ちなみに、3時間あれば新幹線で博多駅から京都駅まで移動できてしまいます。青春18きっぷを使うと、現代の新幹線をはじめとする交通網がいかに優れているかを改めて感じることができますね。

 

(岩国駅に近づくにつれて晴れてきました)