京都の地理紹介と仁和寺散歩【1日京都散歩①】

 「1日京都散歩」というタイトルですが、京都には長い歴史がありおとずれるべき観光スポットが数多くあるため、とても1日でまわり切れるところではありません。今回は数多くある京都の観光スポットの中から、仁和寺龍安寺金閣 (鹿苑寺) という3つの世界遺産と、京都の人気観光列車である嵐山トロッコ1日でまわった様子を記事にしました。

 

(仁和寺の境内の桜がきれいでした)

・京都の地理

 現在の京都の骨格は、794年の平安京遷都にさかのぼることができるでしょう。平安京では天皇の住まいである大内裏を中心 (一番北側の中央) に、東西南北に碁盤の目状に通りが整備されており、その町割りは現在でもその名残を見ることができます。ただし、現在の京都御所室町時代初めに整備されたものがもとになっており、平安京が整備された時代の御所から東に 1.4 km ほどズレたところにあります。元々の御所は、JR二条駅や二条城のあたりのすぐ北側にあったようです。

 

(仁和寺は代々皇族の住まいになっていました)

 

 平安京遷都の目的には、平城京において仏教寺院の政治的な力から逃れるためというものがありました。そのため、平安京では基本的に仏教寺院の建立は認められませんでした。このような背景から、現在文化財として保護され、観光スポットにもなっている京都の寺社仏閣は、平安京だった領域を取り囲むように点在しています。

 

(京都の東の縁に位置する清水寺)

 

 地図を見ると、平安京は東西と北側の三方を山、南側を桂川宇治川に囲まれています。南側には伏見稲荷大社平等院鳳凰堂、東側には清水寺銀閣 (慈照寺)、北側・北西側には下賀茂神社上賀茂神社金閣 (鹿苑寺)龍安寺仁和寺と、確かに京都の周りを取り囲むように名だたる文化財が点在しています。京都の鉄道路線JR、私鉄、地下鉄を合わせて様々なものがありますが、基本的に郊外から市街地に乗り入れる形で伸びており、これらの文化財を見ながら移動するには使いやすいとは言えません。したがって京都観光のためにはバス移動がメインになり、京都のバスは常に満員ということになったりするわけです…。

 

(清水寺の桜、画角の外は観光客でいっぱいでした…)

 

 京都の寺社仏閣に興味があるなら、ある程度エリアを絞って、そのエリアにある文化財を集中的に見て回るようにするのがおすすめです。京都には見るべきものがたくさんあるので、エリアを絞っても飽きることはありませんし、エリア間の移動を抑えることでバス等の混雑を避けることができます。今回は、1日を使って、京都の北西部にエリアを絞り、仁和寺龍安寺金閣という3つの世界遺産スポットと、嵐山トロッコ (嵯峨野観光鉄道) を見て回りました。

 

・まずは仁和寺

 JR京都駅から山陰線に乗り、花園駅で下車します。山陰線は京都北部からの通勤通学需要に加えて、京都駅から嵯峨嵐山駅あたりまでは観光客も多く利用し、近頃 (20239月の記事執筆時) ではインバウンドも復活して大混雑しているようです。私が訪れた20223月はまだインバウンドが復活しておらず、山陰線ものどかなものでした。

 

(花園駅からお散歩に出発!)

 

 花園駅から仁和寺までは徒歩で30分ほどです。少々かかりますが、京都は街全体が観光スポットのようなものですので、歩くのも楽しいものです。京都駅などから仁和寺までバスを利用する方法もありますが、今回の行程では記事の趣旨に鑑みてバスは利用しません ()

 

(門跡寺院ということで内装も立派でした)

 

 仁和寺888年に宇多天皇によって完成しました。仁和寺という名前は、888年が仁和4年にあたることから、元号からとってつけられたそうです。徒然草の「仁和寺にある法師」でも有名ですね ()仁和寺には出家後の宇多天皇が住み、その後、代々の寺の主人 (別当) 宇多天皇の子孫が務めました。時代が下っても仁和寺別当は皇族が務めました。主人が皇族である寺院を「門跡寺院」と呼びますが、仁和寺は最初の「門跡寺院」という事になります。

 

(門跡寺院ということで庭園も立派でした)

 

 ここまでで仁和寺のすごさは十分伝わると思うのですが、仁和寺は国宝・国の重要文化財であり、世界遺産古都京都の文化財」の構成遺産でもあります。すごすぎますね…。

 仁和寺は建物も庭園も立派なものですが、建物は応仁の乱で全焼しており、現在の伽藍は江戸時代に幕府の協力で整備されたものだそうです。皇族の住まいとして利用されていたのですから立派なのは当然ですね。ちょうど桜の時期でもあり、桜とお寺の風景が見事でした。仁和寺には1時間ほど滞在し、次の目的地に向かいます。

 

(桜もきれいでした)