博多駅―新大阪駅間を「こだま」号で移動してみた【新大阪―博多間を「こだま」でお得に移動②】

実際に「バリ得こだま」を利用して博多駅新大阪駅を移動したのですが、思いがけず「ハローキティ新幹線」に乗ることができました。

 

(ピンク色でもカッコいい500系)

500系「こだま」号による「ハローキティ―新幹線」

 博多駅新大阪駅間を移動する機会があり、せっかくなのでお得な切符を使ってみることにしました。前述のように、山陽新幹線では「バリ得こだま」、「めっちゃ得こだま」、「トクトクこだま」の3種類がありますが、今回は1ドリンク付きで指定席券売機で受け取ることができることから「バリ得こだま」を利用することにしました。これらの旅行商品は、直通列車を利用することになることから列車の選択肢が限られてきます。博多駅新大阪駅間を通しで走り、かつ山陽新幹線内で完結する「ひかり」号・「こだま」号はそれほど多くありません。今回は632博多駅発、1112新大阪駅着の「こだま」838号を利用することにしました。乗車時間4時間40分の長旅です…。

 

(ピンク色が印象的な「ハローキティ新幹線」)

 

 始発列車に限りなく近い早朝の鹿児島本線博多駅に入り、新幹線改札をくぐります。ホームに入ってきたのはピンク色の新幹線でした。やってきたのはなんと「ハローキティ新幹線」というやつでした。せっかく山陽新幹線の「こだま」号に乗るなら500系がいいなと思っていたのですが、これは予想外でした!

 「ハローキティ新幹線」はJR西日本とサンリオのキャラクターである「ハローキティ」のコラボレーション企画で、50081編成が「ハローキティ」をイメージしたピンク色の塗装になっているというものです。1号車はフリースペースの「ハロー!プラザ」になっており、山陽新幹線沿線と山陰および奈良県9府県を交代で紹介する展示が行われています。また、2号車は「ハローキティ」にちなんだ特別な内装になっています。

 

(「ハローキティ」仕様の2号車)

 

20239月現在では、「ハローキティ新幹線」は博多駅704発、新大阪駅1125着の「こだま」842号、新大阪駅1137発、博多駅1551着の「こだま」849号の運用に就いています。私が乗車した2022年度とは少し時間がずれていますね。ちなみに、「ハローキティ新幹線」の前には、「新世紀エヴァンゲリオン」とコラボレーションした「500 TYPE EVA」が運行されていました。「ハローキティ新幹線」が「かわいい」のに対して、こちらは「かっこいい」ですね。

 

(新下関駅で通過列車を退避する「ハローキティ新幹線」)

 

 山陽新幹線の「こだま」号は、通過列車退避のために、いろんな駅に長く停まり、どの駅で退避を行うかは便によってバラバラです。東海道新幹線の「こだま」号も通過列車退避があるのは同じですが、こちらはある程度パターン化されている点が違いますね。私が乗車した「こだま」838号は小倉駅の次の新下関駅でいきなり後続の「のぞみ」号を退避、この間に「ハローキティ新幹線」の写真を撮りました。新下関駅は端のほうに行くと屋根がないので、自然光に照らされて「ハローキティ新幹線」をカッコよく撮影することができます。

 

(ピンク色なので窓に映っても目立つ「ハローキティ新幹線」)

 

その後も、新岩国駅岡山駅などで後続列車を退避しながら、新大阪駅に向けて進んでいきます。岡山駅では13分も停車しました。ゆっくりと写真撮影ができましたね(笑)。500系新幹線は円形に近い車体断面など他の形式とは違うところが多く、それだけでも飽きないですが、「ハローキティ新幹線」ということもあって、4時間40分の乗車時間でも飽きずに楽しむことができました。

 

500系なら「グリーン席」もおすすめ

 JTBから発売されている時刻表などを見ると、新幹線や在来線特急列車の場合、使用されている車両の形式を確認することができます。山陽新幹線の「こだま」号の場合は500系か700系が充てられていますが、500系に乗車する場合は6号車の「グリーン席」がおすすめです。

 とは言うものの、山陽新幹線完結の「こだま」号には基本的にグリーン車は連結されていません。6号車は普通車指定席です。それではなぜ500系の「グリーン席」を利用できるかというと、これには500系新幹線の歴史が関係しています。

 

(岡山駅に停車し「のぞみ」号時代を彷彿とさせる (?) 「ハローキティ新幹線」)

 

 500系新幹線は、日本初の時速300 km 運転を達成した形式であり、JR西日本によって設計されました。これは、特に山陽新幹線の航空機への対抗のためであり、設計上は時速320 km に対応しています。デビュー時は16両編成で導入され、東海道新幹線にも乗り入れました。その際は東海道新幹線では最高時速270 km山陽新幹線では最高時速300 km で運転されました。その後、東海道新幹線でのN700系デビューに伴い、500系の東海道新幹線乗り入れは徐々に少なくなっていきます。500系新幹線の東海道新幹線直通「のぞみ」号は20103月を最後に設定されなくなり、それ以降は山陽新幹線内完結の「こだま」号に充当されています。これに伴い、500系新幹線は16両編成から8両編成に短縮されました。

 

(新大阪駅に停車し「のぞみ」号時代を彷彿とさせる (?) 「ハローキティ新幹線」)

 

 さて、現在ではN700系で運転されることが当たり前になった東海道新幹線ですが、東海道新幹線の列車は全て、8号車から10号車にグリーン車を連結しています。これは、500系で「のぞみ」号が運転されている当時も同じでした。つまり、50016両編成の8号車から10号車もグリーン車であったということです。500系が8両編成に短縮されるにあたって、もともとグリーン車だった車両が8両編成の6号車に連結されることになりました。いっぽうで、山陽新幹線の「こだま」号にはグリーン車は設定されていません。

 

(普通車指定席に使用されている500系グリーン車の座席)

 

6号車は普通車指定席であり、したがって6号車に乗車すれば、普通車指定席としてグリーン車の座席を利用することができます。500系新幹線は普通車は2+3列ですが、グリーン席は2+2列のゆったりとしたつくりで、両者でかなり差があります。そういうわけで、500系「こだま」号の指定席に乗車する際は、6号車がおすすめです。