おごせ散策きっぷとは【東武東上線おごせ散策きっぷの旅①】

「おごせ散策きっぷ」は、東武東上線の各駅から越生 (おごせ) 駅までの往復券と、越生エリアで使えるクーポン券がセットになった切符です。越生と言えば関東三大梅林の一つである越生梅林があり、梅の季節には多くの観光客が訪れます。逆に梅の季節以外に行くと、越生で何するの…、という感じなのですが…(越生町はハイキングの町としてPRしています!)、「おごせ散策きっぷ」は通年発売しております。

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(坂戸駅を出ていく 50090 系電車)

 

 東武東上線と「おごせ散策きっぷ」

 東武東上線池袋駅寄居駅を結ぶ路線です。ネット記事などでよくネタになっていますが、「東上線」という名前なのに、北西に線路が伸びています。これは東上線が「東に向かって上る」という意味ではなく、当初の目的地である高崎 (上州) と東京を結ぶ鉄道を意味しているためです。高崎は当面の目的地であり、最終的には新潟県の長岡まで線路を伸ばす計画でしたが、結局途中の寄居駅までの路線になってしまいました。

 

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(東上線でよく見かける 8000 系電車)

 

また、東武鉄道の「本線」ともいえる伊勢崎線系統と東上線系統を結ぶ計画もありましたが、未完成に終わっています。そのため、伊勢崎線系統と東上線系統はつながっておらず、両系統を連絡する際には秩父鉄道の線路を使っているそうです。ちなみに、池袋駅は西側に東武の、東側に西武のターミナルがあり、これも初心者にはややこしいところです…。

 

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(こちらもよく見かける 30000 系電車)

 

 東武東上線では「おごせ散策きっぷ」というフリー切符が販売されています・「おごせ散策きっぷ」は、発駅から越生 (おごせ) 駅までの往復運賃が2割引きになるほか、越生周辺で様々な特典を受けることができます。今回はこの「おごせ散策きっぷ」を使って、関東三大梅林の一つである越生梅林に行きました。ちなみに、池袋駅では、「小江戸川越クーポン」は自動券売機から発券できましたが、「おごせ散策きっぷ」は窓口からのみの販売でした。これが首都圏の一大観光地である川越と越生の格の違いでしょうか… (越生の皆さんすいません)。

 

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(おごせ散策きっぷ)

 

・川越特急で坂戸駅

 東武東上線では長年有料列車を運行していませんでしたが、2008年から通勤用の着席保証列車として「TJライナー」を運行しています。使用車両は50090型で、運用によってロングシートクロスシートを切り替えられる「マルチシート」を装備しており、TJライナー運用の時はクロスシートにセットされます。この「マルチシート」は、現在では京王電鉄の「京王ライナー」などでも見られますが、当時、関東の鉄道会社で初めて採用されたものでした。

 

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(川越特急のマルチシート、クロスシートモード)

 

 「川越特急」は、TJライナーと同じ50090型をしようした観光向け列車として、2019年に誕生しました。座席はTJライナーと同じくクロスシートで、追加料金は不要です。一部の列車ではコンシェルジュが観光案内を実施するほか、車内放送でも観光案内が流れます。沿線の一大観光地である川越をアピールするために「川越特急」という名前がついていますが、もっと先の小川町駅まで運転されます。池袋駅から川越駅までの所要時間は30分弱です。新宿駅本川越駅間で長年にわたって有料特急列車「小江戸」号を運行する西武鉄道を意識しているものと思われます。

 

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(坂戸駅に停車する川越特急)

 

 池袋駅10時ちょうど発の「川越特急」に乗車しました。川越駅までの停車駅は朝霞駅のみです。川越駅に着くまではしきりに川越の観光案内をしていましたが、その後は越生の観光案内があるわけでもなく、何事もないように乗り換えの坂戸駅に到着しました。池袋駅から坂戸駅までは40分弱でした。