宮崎駅から「36ぷらす3」に乗車したのですが、今回は「36ぷらす3」を「ななつ星 in 九州」と比較しながら紹介する記事です。
(「36ぷらす3」は787系を改造したものですが、とてもカッコいい仕上がりです)
・「36ぷらす3」と「ななつ星 in 九州」
「36ぷらす3」はJR九州のクルーズトレインで、木曜日に博多駅を出発し、反時計回りに5日間で九州を1周します。曜日ごとにルートが決められており、木曜日(赤の路)は博多駅→鹿児島中央駅、金曜日(黒の路)は鹿児島中央駅→宮崎駅、土曜日(緑の路)は宮崎空港駅→別府駅、日曜日(青の路)は大分駅→博多駅、月曜日(金の路)は博多駅⇆佐世保駅と走ります。正確には木曜日から日曜日の4日間で九州を反時計回りに周回し、月曜日のみ博多駅―佐世保駅間を往復するという走り方になります。九州7県を全て廻ろうとするとこのような走り方になりますよね。
(36ぷらす3のロゴ)
JR九州にはもう一つ「ななつ星 in 九州」というクルーズトレインもありますが、その性格は両者で大きく異なります。両者を比較するとそれぞれの特徴がより分かりやすいでしょう。まず、価格帯が異なります。「ななつ星 in 九州」は1泊2日で最安でも65万円しますが、「36ぷらす3」は最も高くても1日当たり3万円以下、短区間乗車するだけであれば5千円以下で乗ることができます。また、「ななつ星 in 九州」は列車内で宿泊することを前提にしており、各区画にシャワーとベッドを備えていますが、「36ぷらす3」は昼行列車としての運行を前提にしており、座席のみの配置で寝台車は連結していません。
(36ぷらす3の座席)
これと関連して、「ななつ星 in 九州」は1泊2日以上のツアーのみの発売ですが、「36ぷらす3」はランチ付きプランに加えて「グリーン席プラン」と言って座席のみのプランもあり、この場合、JR九州の窓口で他の特急列車と同じように購入することができます。また、1日の運行を通しで乗車するだけでなく、短区間での乗車も可能です(宮崎空港駅―宮崎駅、大分駅―別府駅のような極端な短区間乗車も可能です!割高ですが…)。「ななつ星 in 九州」が「九州を世界に発信する」ためのJR九州の看板列車であるのに対し、「36ぷらす3」は九州の各地域を旅の中で楽しむための列車であるといえるでしょう。
(今回は「緑の路」に乗車しました)
「36ぷらす3」は特急「つばめ」号などとして運行されていた787系6両編成を改造したもので、「ななつ星 in 九州」が新造車両であるのに比べて車両の製作コストは抑えられていますが、それでも内装および外装はかなり豪華です。外装は黒っぽいメタリックカラーで高級感あふれるものですし、内装は全車グリーン車にふさわしくアレンジされています。1号車から3号車はグリーン個室、5号車と6号車がグリーン席で、4号車はマルチカーとして開放されています。
(4号車マルチカー)
3号車のうち半分はビュッフェとなっており、乗車定員としては4.5両分になります。上述のように「36ぷらす3」には食事付きの「ランチプラン」と席のみの「グリーン席プラン」があり、1号車から3号車のグリーン個室には「ランチプラン」でのみ乗車可能です。また「ランチプラン」では、1号車から3号車のグリーン個室に乗車した場合と5号車と6号車のグリーン席に乗車した場合で料理の内容が異なります。したがって「36ぷらす3」には、グリーン個室の「ランチプラン」、グリーン席の「ランチプラン」、「グリーン席プラン」という3通りの乗車方法があることになります。このうち、みどりの窓口で発券できるのは「グリーン席プラン」のみで、「グリーン席プラン」とは、要は、グリーン券を買って乗車するということです。
(3号車ビュッフェのドーム天井)
今回私は、株主優待割引を利用していますが、乗車券と同時に発券する場合は、「36ぷらす3」のグリーン券にも割引が適用されます。今回乗車する宮崎駅―別府駅間のグリーン席プラン (グリーン料金) は11,770円で、これが半額になるのでかなりお得です。なお、「36ぷらす3」のグリーン料金はそのほかの列車のグリーン料金とは別体系になっており、割高に設定されています。例えば、大分駅―別府駅間で特急「ソニック」のグリーン車に乗車した場合、指定席特急料金1030円+グリーン料金1300円で2330円の特急料金になりますが、「36ぷらす3」の「グリーン席プラン」では4080円かかります。サービスレベルを考えれば妥当なのですが。JR東日本の「サフィール踊り子」におけるプレミアムグリーン料金のようなイメージですね。
(値段に対する内装の凝り方がすごい!)