東京-浜松の鉄道移動を比較考察【新幹線と「ワイドビューふじかわ」で浜松→東京を節約移動①】

 東京―浜松を鉄道移動する場合、まっとうな社会人なら東海道新幹線「ひかり」号を利用し、節約したい方や青春18きっぷユーザーなら全線普通列車で、オプションで普通列車グリーン席や「ホームライナー」を利用することになると思います。しかし、それ以外にも変法があり、本記事では4つの方法を比較します。

 

青春18きっぷか新幹線か

 東京―浜松間は、すべて普通列車で移動すると4時間30分程度です。熱海で乗り換えて浜松行きの直通便があればラッキー、直通便がなければ三島や興津で乗り換えが必要となります。青春18きっぷユーザーであれば無理な移動ではないでしょう。JR東日本普通列車グリーン席や、JR東海の「ホームライナー浜松」号を利用すれば、クロスシートで快適に移動することができます。青春18きっぷであれば1枚使用で2380円 (料金はすべて2019年9月までのもの)、普通乗車券であれば4430円です。

 新幹線利用であれば、浜松停車タイプの東海道新幹線「ひかり」号で1時間30分程度で移動することができます。早く移動したいのなら新幹線1択ですね。ちなみに東海道新幹線の「ひかり」号の停車駅は少し複雑です。分類の仕方にも諸説ありますが、「のぞみ」号の停車駅に加えて静岡駅と浜松駅に停車し、岐阜羽島駅米原駅を通過する「静岡ひかり」と、「のぞみ」号の停車駅に加えて岐阜羽島駅米原駅に停車し、静岡県内の駅を通過する米原ひかり」に分類することができます。

 

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(「ひかり」号の停車駅はかなり複雑です)

 

「静岡ひかり」と「米原ひかり」は上記の停車駅に加えて、小田原駅熱海駅三島駅豊橋駅のいずれか1駅か2駅に停車します。これが基本パターンで (この時点でかなり複雑…)、静岡駅は停車、浜松駅は通過、名古屋駅以西は各駅に停車などといった例外もあります。「静岡ひかり」と「米原ひかり」はおおむね1時間に1本ずつ (つまり「ひかり」号は30分に1本ずつ出ています) あるので、悪くない利便性といえるでしょう。自由席特急券であれば料金は乗車券+3340円です。「ひかり」号は16両編成のうち自由席が5両あるので、自由席が3両しかない「のぞみ」号に比べて席を確保しやすいと思います。「こだま」号に至っては自由席が10両あり、指定席のほうが混んでるぐらいです (「こだま」号の指定席は3両)。

 

・新幹線の利用を制限して料金を節約する

 上記のように新幹線を利用するかどうかで料金が2倍に跳ね上がってしまいますが、新幹線利用を一部区間にとどめることで料金を抑えることができます。三島―浜松間のみ新幹線「ひかり」号 (←三島と浜松の両方の停車する「ひかり」号は結構レア…)か「こだま」号を利用すると、所要時間3時間20分程度で、自由席特急券が2480円です。

三島―浜松間では「裏ワザ」を使うことができ、自由席特急券の買い方次第では1960円に節約することができます。これにより、東京―浜松間で「ひかり」号を利用するよりも1400円程度節約することができます。どうするかというと、自由席特急券を三島―静岡と静岡―浜松で分割して買うのです。これは「特定特急料金」という制度を利用しています。JRの乗車券や特急券は距離に応じて料金が決められており、最短区間の区分である100 km 以下の自由席特急券は1730円です。一方で、新幹線では隣の駅までの自由席特急券が割安に設定されており、三島―静岡間、静岡―浜松間ではともに980円となっています。したがって、980円×2=1980円で自由席を利用することができます。「自由席」というところが重要で、指定席を利用する場合には通常の規則通りの料金 (100 km 以下であれば2250円,指定席は自由席特急料金 (100 km 以下1730円)+520円) を払わなければなりません。  

ちなみに、三島―静岡、静岡―浜松は隣同士ではなく、三島駅と静岡駅の間には新富士駅が、静岡駅と浜松駅の間には掛川駅がありますが、これらの駅は「特定特急料金」制定時にはなかったため、三島―静岡間、静岡―浜松間で「特定特急料金」が適応されます。三島―新富士間、新富士―静岡間、静岡―掛川間、掛川―浜松間でも「特定特急料金」が制定されており、この場合はそれぞれ860円です。

「特定特急料金」までは、それなりに知名度が高いですが (←いや、結構マニアック)、所要時間を延ばしてもう少し節約する方法があります。富士―静岡間で「ワイドビューふじかわ」号を利用し、静岡―浜松間で新幹線を利用することで、所要時間3時間50分、料金は乗車券+1350円となります。

 

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(静岡駅始発の「ワイドビューふじかわ」号、静岡駅発車時はガラガラでした…)

 

ワイドビューふじかわ」号は身延線経由で甲府駅と静岡駅を結ぶ特急列車ですが、富士―静岡間は東海道線を走ります。この「ワイドビューふじかわ」号と新幹線を組み合わせることで、特急料金を節約することができます。富士―静岡間の自由席特急券は750円ですが、新幹線と乗り継ぐ場合は乗り継ぎ割引が適用されて、在来線の特急券が半額になります。したがって、静岡―浜松間の特定特急料金 (980円)+乗り継ぎ割引適用の富士―静岡間の自由席特急券 (370円)=1350円となります。「ワイドビューふじかわ」号はおおむね2時間に1本なので、タイミングをうまく合わせなければなりませんが、+1350円で普通列車に比べて40分の時短効果と快適なクロスシートの座席を手に入れることができます。

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(新幹線と在来線特急の特急券を同時に買うと、在来線特急に乗り継ぎ割引が適応されます)

 

ちなみに、富士―静岡間だけだと乗り継ぎ割引の恩恵が少ないですが、甲府―静岡間だと自由席特急券が1830円なので、乗り継ぎ割引で大きく割り引かれることになります。浜松―甲府間を移動される際は、浜松―静岡間を新幹線で移動するとお得です。

今回は、青春18きっぷの期間外であり、物珍しさも手伝って、最後に挙げた経路で移動することにしました。