新幹線「こだま」号でお得な旅【新大阪―博多間を「こだま」でお得に移動①】

東海道新幹線に安く乗れる「ぷらっとこだま」は有名ですが、山陽新幹線でも同様の旅行プランが発売されています。ただし似たようなプランが各旅行会社から「バリ得こだま」、「めっちゃ得こだま」、「トクトクこだま」と3種類発売されており、少々ややこしいです。

 

(山陽新幹線の「こだま」号として特に人気な500系)

・「ぷらっとこだま(東海道新幹線の場合)

 東海道新幹線は東京駅―新大阪駅間を結ぶ新幹線で、JR東海によって運転されています。東京―大阪間の需要はすさまじく、最近では「のぞみ12本ダイヤ」と銘打った輸送体制で、最繁忙期では「のぞみ」号を1時間当たり12本運転し、それに加えて「ひかり」号や「こだま」号を運転するという高頻度ダイヤを実現しています。それを実現しているのが加減速性能の優れたN700系新幹線であり、東海道新幹線では「のぞみ」号も「ひかり」号も「こだま」号も全てN70016両編成で運転されています。形式をそろえて性能を揃えることで列車運転上の制約を少なくし、また、車両運用の面でも制約がなくなるので、ダイヤが組みやすくなっています。

 

(博多駅まで直通するJR東海N700系)

 

 東京駅―新大阪駅間を「のぞみ」号指定席で移動すると14,520(20239月現在の通常期) です。「ひかり」号や「こだま」号だと、「のぞみ料金」ではない分少し安くなって14,200円ですが、より安く移動する方法として、「ぷらっとこだま」を利用するという手があります。

 

(山陽新幹線の「こだま」号として使われている700系レールスター)

 

 「ぷらっとこだま」はJR東海ツアーズが取り扱う旅行商品で、東海道新幹線の各駅間を「こだま」号を利用でき、加えて1ドリンクが付くというものです。料金は東京駅―新大阪駅間で10,900(20239月現在の通常期) と、通常の切符の75%程度の価格です。ただし、「切符」ではなく「旅行商品」なので、乗り遅れた場合の救済措置がなく、途中下車もできません。東京駅―新大阪駅間は「のぞみ」号で行くと約2時間半ですが、「こだま」号では4時間弱かかります。

 

(「ぷらっとこだま」、「バリ得こだま」等は変更が利かない点が注意です)

 

4時間弱かかるといっても、在来線の普通列車を乗り継いでいくよりは格段に速くて快適ですから、「のぞみ」号で行くほど急いでいないという場合には、選択肢として検討してみてもよいですね。「ぷらっとこだま」は「JR東海の指定席券売機」か「JR東海ツアーズ店舗(きっぷうりば)」で受け取ることができます。

 

・「バリ得こだま」・「めっちゃ得こだま」・「トクトクこだま」(山陽新幹線の場合)

 山陽新幹線新大阪駅博多駅間を結ぶ新幹線で、JR西日本によって運転されています。山陽新幹線の最速達列車には、東海道新幹線から直通してくる「のぞみ」号と九州新幹線から直通してくる「みずほ」号があり、「のぞみ」号はN70016両編成、「みずほ」号はN7008両編成で運転されます。停車タイプの新幹線にも、東海道新幹線から直通してくる or 山陽新幹線完結の「ひかり」号・「こだま」号と (山陽新幹線完結の「ひかり」号は11往復のみ!)九州新幹線から直通してくる「さくら」号があります。

 

(かつては時速300 km 運転の最速列車として名をはせた500系)

 

「のぞみ」号=「みずほ」号、「ひかり」号=「さくら」号と覚えておけば問題なさそうですが、少々複雑です。最速達列車は「のぞみ」号=「みずほ」号で、停車駅もほぼ同じです。「ひかり」号と「さくら」号の関係が少しややこしく、「ひかり」号は山陽新幹線内では各駅に停車するパターンが多いのに対し、「さくら」号は「みずほ」号の停車駅+数駅の停車駅で運転されることが多く、最速達列車に次ぐ列車という扱いです。ただし、「ひかり」号の中にも「さくら」号と同等の停車駅で運転されるものがあります。「こだま」号は東海道新幹線と同じく、各駅に停車します。

 

(厚狭駅に停車する500系「こだま」号)

 

 使用される形式も少々複雑で、東海道新幹線から直通してくる列車は全てN70016両編成で、九州新幹線から直通してくる列車も全てN7008両編成です。ここまでは良いのですが、山陽新幹線で完結する便 (=山陽新幹線内の「こだま」号) では、7008両編成か5008両編成が使用されます。東海道新幹線から直通してくる「こだま」号はいないので、山陽新幹線で運転される「こだま」号は7008両編成か5008両編成のいずれかということになります。つまり、5008両編成は山陽新幹線の「こだま」号でしか見られない珍しい形式ということになります!ちなみに、11往復しかない山陽新幹線内完結の「ひかり」号はN70016両編成で運転されています。

 

(相生駅に停車する500系「こだま」号)

 

 新大阪駅博多駅間をお得に移動する場合もなかなか複雑です。「のぞみ」号または「みずほ」号の指定席を利用する場合15,820円、「ひかり」号や「さくら」号、「こだま」号の指定席の場合は15,080です。新大阪―博多駅間の旅行商品は取り扱う会社によって3種類あります。日本旅行から発売される「バリ得こだま」、近畿日本ツーリストから発売される「めっちゃ得こだま」、JTB (日本交通公社) から発売される「トクトクこだま」です。料金は8,500円程度で、東海道新幹線の「ぷらっとこだま」よりも割引率が高いですが、3種類のうちどれが最安かは時期によって異なるようです。

 

(「こだま」号としても人気の高い500系)

 

ぷらっとこだま」では1ドリンク付きでしたが、これも3種類で異なり、「バリ得こだま」は1ドリンク、「めっちゃ得こだま」は200円券、「トクトクこだま」は3施設入場券(福岡タワー入場券・九州鉄道記念館入場券・水前寺成趣園入場券)が付きます。3施設入場券はそれぞれに1回ずつ入場することができます。3施設全部まわる旅行なら、「トクトクこだま」が圧倒的にお得ですね!3施設を短時間でまわるのは難しいでしょうが…。

 

(ピンク色の500系「こだま」号もいます)

 

受け取り方法も3種類で異なり、「バリ得こだま」と「トクトクこだま」はJR指定席券売機で受け取り、「めっちゃ得こだま」は郵送での受け取りになります。JR指定席券売機の扱いに慣れていれば「バリ得こだま」か「めっちゃ得こだま」、あらかじめ手元に切符 (←正確にはきっぷではなく乗車票!) が欲しい場合は「めっちゃ得こだま」がよいでしょうか。また、山陽新幹線の「こだま」号は、東海道新幹線に比べて鈍足で便による所要時間にもばらつきがあり、新大阪駅博多駅間では「のぞみ」号・「みずほ」号が約2時間半なのに対し、「こだま」号では4時間~4時間半かかります。

 

(500系「こだま」号は各駅に停まりのんびり走ります)

 

「バリ得こだま」、「めっちゃ得こだま」、「トクトクこだま」は東海道新幹線の「ぷらっとこだま」に比べて利用のハードルが高そうですね(笑)。一方で、これら3種類では山陽新幹線内完結の「ひかり」号も利用することができ、この場合、上りでは博多駅2052発→新大阪駅2332着、下りでは新大阪駅606発→博多駅919着であり、上りでは2時間40分、下りでは3時間13分と比較的早く移動することができます。

 

(とにかくカッコいい500系)