E257系「青梅奥多摩涼風号」で青梅線 (東京アドベンチャーライン) へ

9月の3連休に、臨時快速「青梅奥多摩涼風号」が運転されました。「青梅奥多摩涼風号」は、三鷹駅発、奥多摩駅行きの臨時快速列車です。三鷹駅8:58発、奥多摩駅10:42着で、中央線と青梅線を直通します。使用車両はもともと房総方面用に使用されていたE257系500番台でした。

f:id:tyoutyouuo:20190928171009j:plain

(三鷹駅始発の臨時列車なんて2019年になって初めて見ました!)

三鷹駅始発の臨時列車

三鷹駅始発の臨時列車は、2019年3月以降、よく運転されるようになりました。主に3連休などの行楽シーズンに運転されているようです。今回乗車した「青梅奥多摩涼風号」以外にも「お座敷青梅奥多摩号」、「青梅奥多摩秋色号」などが運転されています。

この背景として、以下の事情が挙げられると思います。2019年のダイヤ改正によって、すべての「あずさ」、「かいじ」号が三鷹駅を通過するようになりました。これによって三鷹駅に停車する特急電車は激減 (実質的には消滅) し、わずかに「成田エクスプレス」号が2往復停車するのみとなっています。これにより、三鷹駅のダイヤに余裕が生じました。また、中央線の新たな特急型車両としてE353系が導入され、これまでの主力であったE257系が余剰となり、房総方面の特急減便もあわせて、E257系が大量に余ることになりました。JR東日本は、これを東海道線の「踊り子」号として活用する方針ですが、それでもE257系が余っていると思われます。したがって、三鷹駅の余裕のあるダイヤと、余っているE257系を利用した臨時列車が盛んに運転されているのではないでしょうか。

 

f:id:tyoutyouuo:20190928171143j:plain

(E257系500番台、昔は扉の横に「BOSO」と入っていたような気がしますが…)

 

E257系は、国鉄型の183系や189系を置き換える目的で、2001年より中央線と房総方面に投入されました。国鉄型と比べて内装面が大幅に改善され、中央線・房総方面の特急列車のサービス向上に大きく貢献しました。一方で、走行機器面においては、振り子装置や車体傾斜装置の搭載を見送りました。そのため、中央線では、先に導入されていた振り子装置搭載のE351系に比べてスピード面で劣り、山梨県や長野県にお住いの皆様から批判を浴びたりもしました。2018年以降中央線向けにE353系が導入されてから運用を減らし、2019年3月のダイヤ改正で、定期運用から離脱しました。しかしながら、今でも臨時列車として主に中央線を走っており、「かいじ」号として走ったり、「富士回遊」号として富士急行線河口湖駅まで乗り入れたりしています。

 

f:id:tyoutyouuo:20190928171303j:plain

(三鷹駅に入線する「青梅奥多摩涼風号」、新宿方面から入線してきました)

 

・「青梅奥多摩涼風号」乗車記

「青梅奥多摩涼風号」は三鷹駅8:58発です。入線前は、新宿方面の留置線に待機しており、8:52発の中央特快が発車した後に、入線してきました。停車時間は5分もなく、あわただしく出発しました。三鷹駅出発時の乗車率は1割から2割程度で、今後の三鷹駅始発の臨時列車の存続が危ぶまれます…。

 

f:id:tyoutyouuo:20190928171400j:plain

(三鷹駅に停車する「青梅奥多摩涼風号」、ギャラリーはたくさんいらっしゃったのですが…)

 

国分寺や立川でも乗客を拾いましたが、それでも3割程度といったところでしょうか。青梅線内は、平日の特急「おうめ」を除いて、リクライニングシートの列車がないので、E257系によって運転される「青梅奥多摩涼風号」は貴重です。青梅線は「東京アドベンチャーライン」という愛称が与えられて、駅などでは盛んに宣伝されていますが、乗り入れる車両にも変化を持たせてほしいものです。特に、青梅―奥多摩間は、E233系以外の入線がなかなかありません。青梅駅9:50着。三鷹民としては今後もこのような臨時列車がたくさん運転されてほしいものです。

 

f:id:tyoutyouuo:20190928171548j:plain

 (青梅駅に停車する「青梅奥多摩涼風号」、朝日に反射する黄色がまぶしいです)