新宿―名古屋 6 時間普通列車の旅

 東京―名古屋間を東海道線普通列車で行こうとすると6時間以上かかりますが、便を選べばそれほど無理なく移動することができます。もちろん、一般的な選択肢である東海道新幹線を利用すれば1時間半で着いてしまうので、所要時間の差は大きいです。しかしながら、始発で出発して終電で帰ってくれば、名古屋に数時間滞在することができますし、青春18きっぷ1日分の利用であれば、たったの2410円で名古屋まで行って帰ってくることができます。まあ、今回は片道利用なわけですが…。それでも、新幹線利用に比べれば大幅に料金を節約することができます。

 

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(浜松駅で幕回し中の373系、「快速」幕)

 

 ・夕方の新宿駅を出発

 17時ちょうどの湘南新宿ライン特別快速で新宿駅を出発します。新宿17時発であれば、仕事を少し早抜けすればなんとかなるのではないでしょうか。仕事終わりに長時間の列車旅を楽しむ (?) ことができるわけです。湘南新宿ラインの特別快速はなかなかの俊足で、小田原駅まで1時間20分ほどで着いてしまいます。小田急電鉄ロマンスカーに対抗する意味もあるのでしょうか。

 

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(朝か夜に東海道線京口を利用することが多い青春18キッパーにとって東海道線グリーン車からの夕日は珍しい)

 

 小田原駅普通列車の熱海行きに1分の乗り換えがあり、これを成功させられるかが今回のポイントでしたが、きちんと同一ホーム乗り換えができるように考慮されており、難なく乗り換えることができました。熱海駅18:43着、熱海駅に着くころにはすっかり日が暮れていました。

 

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(185系への感謝を込めたスタンプ台)

 

 熱海駅では、引退間近の185系の記念スタンプ台が置いてありました。スタンプは通常の熱海駅のものでした。熱海駅18:55発、熱海駅からはJR東海313系に乗車します。この列車は211系との異種併結でしたが、もちろん乗り心地の良い313系の方に乗車しました。313系には乗り心地向上のために台車にヨーダンパがついています。この列車は豊橋行きですが、途中の沼津駅で下車します、沼津駅19:13着。

 

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 (313系と211系では乗り心地に差が…)

 

ホームライナー浜松5号に乗車

 沼津からはホームライナー浜松5号に乗車します。ホームライナー浜松5号は、JR東海が運行する数金ライナーの1つで、浜松駅まで特急並みの停車駅で移動することができます。座席指定制なので乗車整理券330円が必要ですが、快速列車なので、この乗車整理券を買えば青春18きっぷで利用することができます。

 

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(青春18きっぷに+330円で快適なリクライニングシートを利用できる)

 

特急用車両を使って、快速列車として運転されるお得な通勤ライナーは、JR東日本にも数多くありましたが、近年は特急列車に格上げされています。東海道線の東京口でも多くの185系が通勤ライナーの運用についていましたが、E257系に置き換えられるとともに、通勤特急「湘南」号として格上げされて、青春18きっぷでは乗車できなくなってしまいました…。極端な例だと、観光列車用の251系が通勤ライナーに使われていたこともあり、かなりお得感が高かったのですが…。

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もっとも、これらの通勤ライナーは、青春18きっぷユーザー向けの列車ではなく、通勤客向けであり、E257系に置き換わったことで窓側にコンセントがつくなど、ビジネスマンにはありがたい設備が追加されています。また、特急列車としてマルスシステムに組み込まれたことで、乗車1か月前からみどりの窓口や「えきねっと」で指定席券を購入できるようになったため、利便性は向上したといえます。

 

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(ホームライナーの「乗車整理券」はマルスシステムとは独立)

 

一方で、かつてJR東日本で運転されていた通勤ライナーや、ホームライナー浜松をはじめとするJR東海の通勤ライナーは、マルスシステムに組み込まれておらず、みどりの窓口では指定席券を発券することができません。このような通勤ライナーは、ホーム上のライナー券券売機や乗車整理券券売機で指定券を買って乗車します。毎日利用する通勤客や青春18きっぷ玄人は大丈夫ですが、不慣れな方にはわかりにくいシステムですね。これは、元々特急の回送列車を発祥とする通勤ライナーに対して、できるだけお金をかけずに済むように考案されたシステムであると思われます。

 

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(沼津から乗車したホームライナー浜松5号)

 

ちなみに、青春18キッパーには、今回乗車する「ホームライナー浜松5号」よりも、「ホームライナー浜松3号」のほうが重宝されています。これは、「ホームライナー浜松3号」が、浜松駅到着後、豊橋行きの普通列車としてそのまま運転され、沼津駅豊橋駅間をクロスシートで通り抜けられるためです。ただし、これに乗車するには新宿駅を1時間ほど早く出発しなければなりません。私が乗車した「ホームライナー浜松5号」は、浜松駅で回送され、どうやら折り返しの「ホームライナー静岡8号」静岡行きになるようでした。

 

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(浜松駅で幕回し中の373系、「ナイスホリデー木曽路」幕)

 

19:25沼津駅発、JR東海ホームライナーは、乗客が自分の好きな座席を指定できるわけではなく、券売機が機械的に連番で座席を指定していきます。そのため、需要が少ないときには、車両の片側に乗客が固まり、反対側には誰も座っていないということが起こりえます。しかし、これでは「密」になってしまいます。そのため、最近では、整理券を持っていれば好きな座席に座ってよいことになっていました!列車は、ときどき主要駅に停車しながら、静岡県内を快走し、ちょうど100分で沼津駅―浜松駅間で走破しました。三島駅―浜松駅間を約1時間で結ぶ新幹線「こだま」号には劣りますが、なかなかのスピードです、21:05浜松駅着。

 

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 (浜松駅で幕回し中の373系、「普通」幕)

 

・浜松駅から名古屋駅

私が乗車してきた373系は、浜松駅では幕回しをして、回送幕で駅を出ていきました。前述のようにこの後「ホームライナー静岡8号」の運用に着くと思われます。

 

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(浜松駅で幕回し中の373系、「新快速」幕)

 

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(浜松駅で幕回し中の373系、「特急」幕)

 

 浜松駅-豊橋駅間は折り返し運転が多いですが、今回の乗り継ぎは、珍しく大垣までの直通列車でした。乗り継ぎ列車は出発数分前に入線してきました。夜遅くになかなか列車が来ないとなんだか焦りますね…。この「区間快速」で名古屋駅まで一気に移動します、浜松駅21:19発。

 

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(区間快速大垣行き)

 

浜松駅―豊橋駅間は各駅に停車し、約30分で豊橋駅に着きます。豊橋駅以西も、岡崎駅まで各駅に停車していきます。この区間青春18きっぷでよく利用しますが、快速運転する新快速や特別快速に乗車することが多いので、知らない駅名が出てきて新鮮でした。新快速や特別快速だと、豊橋駅岡崎駅間は、蒲郡駅にしか停まりません。

 私が乗車した区間快速も、岡崎駅から快速運転になり、約30分で名古屋駅に到着しました。22:58名古屋駅着、新宿駅から約6時間で名古屋まで来ることができました!

 

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(東京でお仕事からの、普通列車で名古屋に到着!)