観光快速「海里」号乗車記【週末パスで雪の南東北へ⑬】

快速「海里」号は、特急「いなほ」号とほぼ同時に酒田駅を出発し、新潟駅には30分遅れて到着します。しかし、お弁当、日本酒などの充実した飲食サービスで時間が経つのを忘れさせてくれます。

 

(新潟駅に到着した「海里」号、乗車体験はあっという間です)

 

・快速「海里」で新潟駅

 酒田駅に着くと、私が乗車する快速「海里」号と並んで青い特急列車が停車していました。こちらは「海里」号発車の4分前、1556に発車する「いなほ」12号です。「いなほ」12号は「海里」号を引き離して1801新潟駅着、酒田駅新潟駅間を約2時間で結びます。

 

(海里と並んで停車する特急「いなほ」号、海里とほぼ同時に出て30分早く新潟駅に着きます)

 

 「海里」号は「いなほ」12号を見送ってからすぐに酒田駅を出発します。少し走って余目駅鶴岡駅とこまめに停車し、鶴岡駅10分間停車しました。この辺りは大きな街が多いので、これらの駅からも観光客を拾うのでしょうか。鶴岡駅に停車中に、「海里」号の側面を撮影しました。「海里」号は1号車と4号車は赤く塗られていますが、2号車と3号車は白色のデザインであり、車両によって印象がだいぶ変わります。撮影するのにも変化があって楽しいですね。また、この辺りは冬場は雪が積もり、「海里」号は雪原の中を走ることになるので、その姿を撮影するのもマニアにはたまらないでしょうね。

 

(海里の中間車側面は白い)

 

 鶴岡駅ではお弁当をはじめとする食事の積み込みがあります。事前にお弁当を申し込んだ場合は、鶴岡駅発車後に、カウンターにてお弁当をバウチャー券と引き換えます。私も、「海里特製庄内弁」を引き換えました。中身はあらかじめ予習しており、日本酒と合いそうなメニューだとみていたので、カウンターに行ったついでに日本酒「大洋盛」も買いました。移動中にお酒を楽しめるのは、自分で運転しない列車ならではですね!

 

(「海里特製庄内弁」と日本酒「大洋盛」)

 

 お弁当を開けると、見た目にもおいしそうな料理が詰まっています。一番右が、幻の高級魚とされる「めじか」と名産の「だだちゃ豆」を使った「めっこい巻き」で、やはり日本酒とよく合うおいしさでした。お弁当を食べていると、車窓に日本海が現れ、いわゆる「笹川流れ」の景色になります。夏場はちょうどこの辺りで夕焼けになることもあり、徐行運転を行っていますが、冬場は徐行運転はありません。それでも、日本酒とともにおいしいお弁当を食べつつ、日本海の車窓を楽しむ快速「海里」号での旅行は最高ですね!

 

(遠くに見えるは粟島か)

 

 「海里」の車内販売では、日本酒をはじめとするアルコール類のほかにも、おつまみやお菓子、手ぬぐいなどの土産物も売っています。私もお土産に「浮き星」というお菓子を買いました。日本酒でいい気分になっていると、あっという間に新潟駅についてしまいました。新潟駅1831着。

 

E2系「とき」号で東京駅へ

 新潟駅に着くと、後は東京駅まで上越新幹線で帰るだけです。快速「海里」号は5番線に着いたので、新幹線とは対面で乗り換えることができます。そうは言っても、私が乗る「とき」344号は14番線からの発車なので、一度改札階まで降りなければなりません。新幹線と在来線との対面乗り換えは、基本的に特急「いなほ」号との間で行われているようです。

 

(新潟駅に停車するE2系「とき」号)

 

 乗車したのはE2系「とき」号の自由席です。週末パスを利用している場合は、特急券を支払えばフリーエリア内の新幹線にも乗車できます。新潟駅は始発駅なので、自由席でもほぼ確実に座れるでしょう。E2系は20233月のダイヤ改正上越新幹線から引退しています。これによって、上越新幹線の最高速度は時速240 km から時速275 km に引き上げられ、東京駅―新潟駅間の所要時間は最大7分間短縮されます。なお、E2系も時速275 km での運転に対応していますが、騒音対策の関係で上越新幹線では最高時速40 km に抑えられていました。乗車したのは2022年の2月で、まだE2系の上越新幹線での運用がそれなりに残っている時でしたが、それでも貴重なシーンでした。

 

(E2系上越新幹線から撤退し、この風景ももう見られなくなってしまいました)

 

 「とき」344号は1854新潟駅を出発しました。新潟駅の時点では自由席にもまだ余裕がありましたが、途中の越後湯沢駅などで多数のお客さんを乗せ、なかなかの盛況で東京駅に到着しました。東京駅2056着、約2時間の乗車でした。