フェリー「くにが」で隠岐→松江、「サンライズ出雲」で松江→東京【「サンライズ出雲」と隠岐汽船で行く東京―隠岐出張③】

 隠岐での用事を済ませた後、復路はフェリー「くにが」と「サンライズ出雲」で東京に帰りました。フェリーは高速船よりも割安で乗ることができます。また、隠岐西郷港近くの「隠岐自然館」で隠岐に着いて学びました。

 

隠岐自然館

 隠岐西郷港―松江七類港間のフェリーは15:10発です。フェリーの出発まで時間があったので、旅客ターミナルの隣にある「隠岐自然館」に行ってみることにしました。隠岐ユネスコの「世界ジオパーク」に指定されており、学術的に興味深い地形や生態系に触れるができます。

特に隠岐諸島は、もともとは大陸の一部でしたが、日本海の形成とともに離島になり、その後氷河期には再び本州と地続きになるというように、複雑な成立過程を持っています。そのため、離島でありながらナウマンゾウワニの化石が出土します。ワニの化石は、隠岐に湖のような環境があったことを示唆しており、太古の隠岐諸島が現在とは大きく異なっていたと推測されることから、とても興味深いといえます。

 

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(ナウマンゾウの歯の化石)

 

また、隠岐生物多様性が非常に高く、「北国」と「南国」が共存しているといわれます。このような豊かな自然を背景として、隠岐諸島には古代から人々が生活していました。隠岐黒曜石の産地でもあり、石器時代には隠岐からこの黒曜石が輸出されていたようです。また、後鳥羽天皇後醍醐天皇が配流されたこともあり、隠岐は「流人の島」でもありました。「流人」たちによって、隠岐には都の文化が流入し、文化が発達しました。隠岐自然館ではこのような隠岐の自然・文化について学ぶことができます。まあこれから帰ってしまうわけですが…。

 

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(巨大な黒曜石、隠岐は黒曜石の産地でした)

 

入館料は大人300円ととても安いです。安い入館料の割にはしっかりとした展示内容でしたが、お客さんは少なく、そのためもあってか、受付の方が丁寧にガイドしてくださいました。300円でここまでしてくれるのかと思ってしまうほどです。きっちりガイドしてもらって1時間ほどで出てきました。

 

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(固有種のオキサンショウウオ)

 

隠岐→松江

 往路は高速船を使って隠岐に上陸しましたが、復路は大型フェリーを使いました。いずれも隠岐汽船によって運行されています。隠岐汽船は基本運賃+特急料金という料金体系を取っているようで、大型フェリーは基本運賃のみで乗船することができ、基本料金+特急料金を支払えば高速船に乗ることができます。隠岐西郷港から松江七類港までの運賃は3,240円でした。フェリー「くにが」は隠岐の島の規模に対してかなり大きい船のようで、事前に予約しようとしてみたのですが、大型フェリーの予約は受け付けておらず、また、当日乗船時に定員オーバーで断られることはないとのことでした。高速船については事前予約を受け付けています。

 

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(フェリーの乗車券、きっぷの「硬券」のようです)

 

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(高速船の切符、運賃+特急料金で計算されています)

 

 15:10西郷港発。私が買った2等はカーペット席で、指定席ではないため、乗船後急いで自分のスペースを確保しました。また、後で気づいてのですが、この便はレストランも2等として開放されているようです。フェリーの甲板からは、隠岐諸島の島影が見え、旅情を感じさせました。高速船の場合は、原則としてシートベルトを締めて座席に着席していなければいけませんが、フェリーの場合は自由に船内を回れるのがいいところです。甲板で写真を撮ったり、カーペット席で読書したりしながら時間をつぶし、17:30ごろに七類港に到着。

 

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(隠岐の島が小さくなっていき、少し寂しい気分…)

 

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(フェリー「くにが」は煙突を2本持ち、頼もしいです)

 

ここから松江駅行きの連絡バスに乗り換えます。松江駅まではバスで40分ほどです。勝手に松江駅が最寄りだと思っていたのですが、境港駅米子駅も同じような距離にあるようです。七類港松江駅間は1,000円かかりますが、七類港―境港間でバスに乗り、境港から境線を利用するのが最安経路だったのかもしれません。ちなみにこの経路の場合、19:05境港発の列車に乗れれば、19:52米子着となり、19:56米子発の「サンライズ出雲」に間に合います。

 

・「サンライズ出雲」で松江→東京

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(松江から「サンライズ出雲」に乗車)

 

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(キハ187系が停まっていました。キハ187系は、顔に似合わずたくましい走りを見せます)

 

 松江駅行きのバスは18:00に発車、18:40松江駅着です。松江駅のフードコートでラーメンを食べました。「サンライズ出雲」には車内販売がないため、乗車前に夕食を済ませておかなければなりません。

 

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(松江駅でラーメンを食べました)

 

松江駅19:27発、この日は平日ということもあり、車内はガラガラでした。もっともこの後、岡山や姫路などからお客さんを拾うのかもしれません。シャワーカードも余裕で買うことができ、シャワーを浴びることができました。「サンライズ出雲」のシャワーは、湯加減がよく、シャワースペースも広くて、列車内とは思えない快適さです。往路もシンブルの平屋席を利用しました。この日は少し作業をして、0時を回ったあたり、大阪駅付近で就寝しました。

 

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(復路もシングルお平屋席に乗車)

 

 翌朝は7時ごろに置きましたが、列車が30分ほど遅れていました。「サンライズ出雲」の上りは、ちょうど朝のラッシュ時間帯に東海道線を通り、東京駅に入るので、遅れることがよくあります。場合によっては「サンライズ出雲」が品川止まりになることもありますが、この日は東京駅まで行ってくれました。7:40ごろに東京駅に到着して、すぐに車庫に引き上げていきました。

 

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(遅延の影響か、京急の「ウイング」と並走しました)

 

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(無事に東京駅に到着しました)