東京駅から成田エクスプレスで中央線直通【休日おでかけパス境界駅の旅⑧】

最近の三鷹駅には「あずさ」、「かいじ」といった特急列車が停車しなくなりましたが、朝晩の成田エクスプレスは停車します。今回はこれで東京駅から三鷹駅まで移動しました。ただし、東京駅発の成田エクスプレスは高架の中央線ホームではなく、地下の総武線ホームから出るので注意が必要です。

 

(総武線ホームに停車する八王子行き成田エクスプレス)

 

三鷹駅まで成田エクスプレスで帰宅

 「成田エクスプレス」号は首都圏の各都市と成田空港を結ぶJR東日本の特急列車です。主な運転区間は、大船駅成田空港駅または池袋駅成田空港駅で、それぞれ6両編成で、東京駅の総武線ホームで連結作業を行います。

 

(成田エクスプレスは基本的に 6+6 の12両編成で運転されます)

 

池袋駅から成田空港へ向かい便では、新宿駅、渋谷駅、東京駅を経由するので、山手線を4分の3周ぐらいします。成田エクスプレスでは上野駅が無視されていますが、この辺からは京成電鉄のスカイライナーが速いので、あえて勝負しないということでしょうか。成田エクスプレスは、時短効果はそれほどでもありませんが、様々な駅に乗り換えなしで行けるというところが強みです。実際に、成田エクスプレスの乗客の多くを占める (占めていた…) 訪日観光客には、複雑な乗り換えがいらないというのは大きな魅力なのではないでしょうか。

 

(NEX のかっこいいロゴ、多方面から成田空港へ向かう事を図案化している?)

 

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で訪日観光客が消えた2021年現在、成田エクスプレスは苦境に立たされています。2020年のゴールデンウィークには、成田エクスプレスの利用状況は前年比1%となり、ひとまず感染が収まったといえる202111月現在においても、日中の成田エクスプレスは全便運休となっています。

 このような状況下でも、早朝と夜の成田エクスプレスは運転を継続しており、これらの中には大宮駅―成田空港駅を結ぶ1往復半 (5号、40号、46号は運転継続、15号は運休) 八王子駅成田空港駅を結ぶ2往復が含まれています。

 

(NEX 50号は大船・八王子行き)

 

これらの列車は都心への通勤特急の役割も担っており、ある程度の需要が見込めるのでしょう。成田エクスプレスはほとんどの便で東京駅―成田空港駅間ノンストップですが、この区間でも、早朝の成田空港駅発と夜の成田空港駅行きの便は千葉駅、四街道駅佐倉駅成田駅といった沿線の主要駅に停車し、通勤需要を拾っています。

 JR東日本では、成田エクスプレスの通勤利用促進のため、「えきねっと」において期間限定でチケットレス特急券を発売しています。設定区間特急券を「えきねっと」を通してチケットレスで購入すると、20211231日までは50%オフ、2022331日までは35%オフになります。割引になるのは特急券のみで、乗車券+特急券の設定はありません。定期券での利用が想定されているものと思われます。この割引を利用すると、50%オフの場合、東京駅―三鷹駅640円、東京駅―八王子駅860円で成田エクスプレスを利用できます。

 

(東京駅に停車する NEX)

 

 前置きが長くなりましたが、こういうわけで、今回は三鷹駅まで成田エクスプレスを利用することにしました。成田エクスプレスは東京駅―新宿駅間を中央線経由ではなく山手線経由で大回りするので、時短効果はそれほどありませんが、三鷹駅までリクライニングシートで行けるのはありがたいですね。しかも、成田エクスプレスのシートは普通列車のグリーン席などよりも豪華な造りです。

 

(訪日観光客向け?に豪華仕様の普通車シート)

 

 東京駅でここまで乗ってきた東北本線普通列車を降りて、総武線ホームに向かいます。総武線ホームは地下にあり、少し遠いですが、京葉線ほどではありません。総武線ホームに向かうと、床にはご丁寧に成田エクスプレスに乗るための矢印が引いてあります…。と思ったのですが、これに沿って行くと反対ホームに連れて行かれ、下手をすると成田空港まで行ってしまいます。今回は下り線 (西行) のホームに向かいます。

 

(「成田空港」ではなく「成田エクスプレス」と案内する親切さ!、これに沿って行くと成田空港行きホームに連れて行かれます)

 

 少し早く着いたので、総武線ホームを観察します。反対側のホームには、「しおさい」号に使う255系電車が停まっていました。「しおさい14号として銚子駅からやってきたものでしょうか。

 

(総武線ホームには銚子駅からの「しおさい」も入線します)

 

しばらく待っていると、私が乗る「成田エクスプレス50号がやってきました。「成田エクスプレス50号は、前の6両が大船駅行き、後ろの6両が八王子駅行きです。東京駅で切り離し作業を行って、先に大船駅行きが出て、3分後に八王子駅行きが出発します。私は八王子行きに乗るので少し時間に余裕があり、切り離し作業を見学することができました。

 

(東京駅に停車する NEX 50 号)

 

 車内に移ると、予想通りガラガラです。夜の便でこの利用率なら、日中はもっとガラガラなのでしょうね。「もっと」も何も、私が乗車した号車には、私以外誰も乗っていませんでした (そもそも日中の便は全便運休しているのですが…)成田エクスプレスはもともとそれほど混雑しないとはいえ、ここまで空いているのは珍しいのではないでしょうか。2056に東京駅を出発し、渋谷駅と新宿駅に停車して中央線に入ります。渋谷駅と新宿駅では、乗り慣れている風の方がそれぞれ1人ずつ乗車してきて、車内でくつろいでいました。

 

(誰も乗っていない NEX の車内…)

 

コロナウイルスのおかげでましになっているとは言え、この時間の中央線は混雑しており、普通列車グリーン席のサービスも始まっていないため (グリーン席は2024年度中にサービス開始予定)、リクライニングシートを利用できる列車は貴重です。この日は日曜日だったので、通勤特急「おうめ」号、「はちおうじ」号の運転もありませんでした。

 新宿駅を出ると、次の吉祥寺駅まではノンストップです。中央特快では停車する中野駅を通過する体験は爽快です。逆に、中央特快は通過する吉祥寺駅には停車します。吉祥寺駅を出るとすぐに三鷹駅に停車します。吉祥寺駅三鷹駅に停車する特急列車は、現在この成田エクスプレスしかないので、その意味でもこの列車は貴重ですね。2134三鷹駅に到着しました。

 

(三鷹駅まで安くて快適な移動でした)