大津→東京を「ワイドビューひだ」と新幹線「ひかり」で移動

・大津→東京の経路

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(「ワイドビューひだ」の展望車、米原駅にて)

 

 大津から東京まで、乗り換えアプリで検索すると、大津→(琵琶湖線)→京都→(東海道新幹線)→東京と出てきます。この経路は所要時間が最速であり、東海道新幹線の「のぞみ」は平時で10分に1本程度、繁忙期だと臨時便も多数運行されていて琵琶湖線の本数も多いため、最も便利といえます。一方で大津→(琵琶湖線)→米原→(東海道新幹線)→東京という経路もあり、大津→京都の分の逆行がなく、新幹線の乗車距離も短くなるため、こちらの経路のほうが500円ほど安く移動することができます(日本の鉄道会社は「長距離逓減制」と言って、長い距離を乗るほど割安になる料金体系を採用しているため、東京―米原と東京―京都の新幹線料金を比べると距離の割に差が小さくなっています)。

 

 

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(東海道新幹線JR東海の顔)

 

ただし、琵琶湖線の大津―米原の本数が少なく、米原停車の「ひかり」も毎時1本しかないため乗り継ぎがそれほど良くなく、さらに「ひかり」が途中で「のぞみ」に追い抜かれるため、所要時間はこちらのほうが50分ほど長くかかってしまいます。したがって、大津→(琵琶湖線)→京都→(東海道新幹線)→東京という移動をする方が多いかと思いますが、今回は物珍しさで大津→(琵琶湖線)→米原→(東海道新幹線)→東京のほうで行くことにしました(そもそも私は「青春18きっぷ」を使って東京―大津を東海道線経由で移動することが多かったのですが)。

 

・「ワイドビューひだ」で草津米原

 「ワイドビューひだ」は名古屋―高山・富山を結ぶJR東海の特急列車で、キハ85系で運転されています。キハ85系国鉄がJRになってすぐの1989年にデビューし、登場から30年がたちますが、最高時速は120 km、更新により社内にWi-Fiも装備されており、まだまだ現役感の強い車両です。

 

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(「ひだ」に使用されるキハ85系)

 

ワイドビューひだ」には大阪まで乗り入れる便が1日1往復設定されています。東海道線の京都―米原間は特急列車の設定が少なく、「ワイドビューひだ」はこの区間を走る貴重な特急列車です。また、この区間は基本的に電車で運転されるため、「ワイドビューひだ」は気動車であるという点でも貴重です。貴重な点はもう一つあり、それはJR東海の車両が使用されているという点です。JR東海車両の大阪乗り入れ便は、以前は「ワイドビューしなの」がありましたが、これは廃止されてしまいました。「ワイドビューひだ」も今後の成り行き次第で、いつ廃止されてもおかしくありません。今回はちょうどいい時間帯だったので、米原まで「ワイドビューひだ」に乗車することにしました。ちなみに所要時間はJR西日本が誇る新快速を利用した場合とほとんど変わらず、料金に至っては特急料金が加算されるため、京都―東京で新幹線を利用する場合よりも高くついてしまいました…。在来線の特急列車と新幹線を乗り継ぐ場合は乗り継ぎ割引が適応されて在来線の特急料金が半額になるため、値上げ幅は小さくて済みましたが、この割引がなかったら選択肢に入らなかったでしょうね…。

 

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(在来線の特急券を乗り継ぎの新幹線特急券と一緒に買うと、在来線の特急券が半額になります。座席指定料金も半額になるので、指定席券が200円プラスされる繁忙期だとありがたいですね)

 

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(草津駅で「高山」の行先表示を拝むことができるとは)

 

 8:50「ワイドビューひだ」に乗車。今回は草津から乗車しました。米原まで30分、1区間だけの乗車です。この区間はいつも新快速でぶっ飛ばすことが多いですが、「ワイドビューひだ」もなかなかの俊足です。気動車のエンジン音を響かせて、たくましい走りでした。また、座席が一段高いハイデッカー構造になっており、高い目線からの車窓がきれいでした。琵琶湖線のこの区間は両側に水田が広がって美しい区間でもあります。9:20米原着。あっという間の30分でした。

 

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(琵琶湖線の車窓は美しいです)

 

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(先頭車を中間車として使うJR東海)


米原→東京

 米原からは新幹線に乗り換えです。米原駅は「青春18きっぷ」を使うときに、乗換駅としてよく利用しますが、実は米原から新幹線に乗るのは初めてだったりします。

 

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(新幹線ホームで待っていると、今や珍しくなった、Nじゃない700系が走り抜けていきました。臨時の「のぞみ」でしょうか)

 

 米原駅には「こだま」と「ひかり」が停車します。「ひかり」は停車駅のパターンが複数あってややこしいですが、米原駅に停車するタイプは毎時1本です。このタイプは基本的に静岡県の駅を通過し、一部は岐阜羽島豊橋、小田原のいずれかに停車するようです。米原市の人口は3万8千人で、このレベルの駅に16両編成の特急が毎時1本停まって、東京と大阪に直通しているわけですから、新幹線はすごいものです。米原駅には、在来線特急では「ワイドビューひだ」のほかに、関西空港への輸送を担う「はるか」と「しらさぎ」が停まり、「しらさぎ」は北陸方面への便を図っています。「ワイドビューひだ」は1日1往復、「はるか」は1日2往復ですが、「しらさぎ」は毎時1本あり、しかも「ひかり」との接続を考えたダイヤ設定になっています(これは余談です)。

 

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(東海道新幹線の種別表示の中では「ひかり」の赤の表示が一番かっこいいと思います)

 

 米原駅では30分ほどの乗り継ぎでした。新幹線は定刻通り発車し、ほんの数分で岐阜羽島駅に到着。米原―大垣間はいつも普通電車で40分ほどかかりますが、やはり新幹線だと早いですね。関が原も知らぬ間に通り過ぎてしまいました。岐阜羽島、名古屋、豊橋と停まると、次はもう新横浜です。豊橋―新横浜間は「のぞみ」と同じ走りで(使用車両も停車駅も同じなので当たり前ですが)快適でした。やはり新幹線はすごいものです。12:10東京駅着。いつもは「青春18きっぷ」で1日かけてのんびり移動するところですが、今回は「青春18きっぷ」の有効期間ではなく、午後から用事もあったので、新幹線でワープしてみました。

 

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(在来線だと1時間ぐらい視界に入っている富士山も新幹線だと数分で通り過ぎてしまいます)