2日目は伊予大洲駅を出発し、特急「宇和海」号で宇和島駅に移動しました。宇和島駅は予讃線の終点で、JR四国の西の端にあたります。宇和島では宇和島城を見学しました。宇和島藩は幕末の雄藩で、この地から全国区の人物が多数出ました。
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・伊予西条→松山
伊予西条から再び「しおかぜ」に乗車。JR四国の特急列車は多くがおおむねパターンダイヤで走っており、「しおかぜ」もだいたい1時間に1本走っています。そのため、列車を1本遅らせれば、1時間時間を作ることができます。伊予西条のあたりは、予讃線の中でも海沿いを走る区間で、晴れていればとてもきれいです。この日は雨だったのですが…。1時間ほどで松山に到着しました。
(宇和島行きの「しおかぜ」はなくなり、現在はすべて松山止まりです)
松山―宇和島間は2000系気動車による特急「宇和海」が運転されており、「しおかぜ」と連携したダイヤになっています。したがって、「しおかぜ」から「宇和海」に乗り換えれば、宇和島方面まで効率的に移動することができます。
「宇和海」は松山―宇和島間を80分ほどで結んでいます。松山―宇和島間は営業キロにして 100 km ほどあり、なかなかの高速といえます。この理由の一つとして、内子線があげられます。内子線は予讃線のバイパス線で、愛媛県の山間部を貫くように通っています。予讃線はカーブが多いですが、この区間は建設されたのが比較的新しく、高規格で設計されているため高速で通過することができます。内子線のおかげで予讃線は高速化されましたが、その一方で元々あったほうの「予讃線」は特急がなくなり、「ローカル線」の趣きがますます強くなりました。この、伊予市―伊予長浜経由―伊予大洲間(海回り区間)は、「愛ある伊予灘線」なんていう愛称がついています。この区間の一大観光スポット(?)として下灘駅が挙げられます。何もない無人駅なのですが、海に面しており、「青春18きっぷ」のポスターに使用されたことから知名度(特に鉄道マニアからの知名度)が上がり、多くの観光客が訪れるようになりました。私もこの伊予灘駅を訪れるため、海周り区間を経由する必要があり、松山からの「宇和海」は見送ることにしました。
(JR松山駅の立派な駅舎)
松山駅では伊予鉄道(伊予鉄)を撮影しました。伊予鉄は松山を中心に線路網を持つ私鉄です。JR松山駅の駅前には伊予鉄の「JR松山駅前」という駅(停車場があります)。ちなみに、伊予鉄のターミナルは「松山市駅」で、この駅はJRも含めた四国の駅の中で最大の利用者数を誇る駅でもあります。もともとはこの「松山市駅」が先にあり、「松山駅」を名乗っていました。しかし、後からJRの「松山駅」ができるときに、「松山市駅」に改称したらしいです。四国には、「伊予鉄」のほかに、香川の「ことでん」、高知の「とさでん」があり、古くからの私鉄が多く残っているところだと思います(近年は整備新幹線の並行在来線の民営化で、地方に私鉄が増えつつありますが…)。
(伊予鉄の新型車両と旧型車両、どちらもオレンジ色です)
・松山→下灘→伊予大洲
(乗車したキハ54形と、2000系アンパンマン列車)
松山駅前で30分ほど時間をつぶして、予讃線海回り経由の列車に乗車。ここからは気動車になります。松山駅を出発し、伊予市駅の一つお隣の向井原駅で内子線(正確には予讃線の支線、内子線は正確には五十崎―新谷間だけ)と分岐します。下灘駅の一つ手前の上灘駅で対向列車との待ち合わせを行いました。なんだろうと待っていると、向かい側から派手な列車がやってきました。「伊予灘ものがたり」です。
(「伊予灘ものがたり」は1両ずつ塗装が異なっています)
「伊予灘ものがたり」は予讃線を走る観光列車で、松山―伊予大洲間と松山―八幡浜間で1日1往復ずつ運転されています。2014年に運転を開始し、利用者からの評価も高いようです。外装・内装や走行中のおもてなしも凝ったものになっています。この列車は流行りの「水戸岡鋭治デザイン」ではなく、JR四国の社員さんがデザインしたもので、走行中のおもてなしも地元の方と協力して行っています。そこが人気の秘訣なのかもしれません。私も「伊予灘ものがたり」に乗車しようと画策したのですが、1か月前の予約開始直後の時点ですでに満席になっておりました。ゴールデンウィーク中ということもあるでしょうが、かなりの人気列車であるようです。
(「伊予灘ものがたり」は細部までこだわっています)
「伊予灘ものがたり」をやり過ごし、1駅で下灘駅に18:04到着、ここで途中下車し、次の列車が来るまで待ちます。晴れていればちょうど夕日がきれいだったのではないかと思うのですが、残念ながらこの日は雨でしたので、駅舎の中で時間をつぶしました。18:38下灘駅発、これで伊予大洲まで向かいます。ちなみにこのスケジュール以外だと、1時間から2時間に1本しか列車がないので、下灘へ行くのはかなりハードルが高いです。列車を利用するほかのプランとしては、反対側の列車を利用して下灘駅で折り返すというのが挙げられます。また、「伊予灘ものがたり」では、下灘駅で多少停車時間が取られているので、これを利用するという手もあります(予約するのが大変ですが)。
(下灘駅はあいにくの雨模様)
下灘から伊予大洲までは1時間ほど、空が暗くなり、車窓が楽しめなくなったので読書したりして時間をつぶしました。19:28伊予大洲着。この日は伊予大洲の民宿に泊まりました。
・10連休四国満喫きっぷ
2019年のゴールデンウィークは平成から令和への改元を記念して10連休でした。ゴールデンウィークは飛行機やホテルが高く、個人的に旅行するのに躊躇してしまうのですが、JR四国から魅力的な切符が発売されました。その名も「10連休四国満喫きっぷ」。この切符は、1万3千円で、4月26日から5月20日までのうちの土日祝日を含む4日間、普通列車と特急列車の自由席が乗り放題になるというものです。ゴールデンウィークやお盆・お正月は帰省客で特急の自由席がいっぱいになりそうなものですが、今回利用したところではそんなことはなく、全行程座ることができて座席にも余裕がありました。JR四国の特急列車は自由席が多めに設定されています。そのため、空いてるぐらいなら割引切符を発売してでも席を埋めてしまおうということのようです(繁忙期にはわざわざ自由席を増結したりもしているわけですが…、ありがたい限りです)。
(2000系とN2000系の併結、GWだからでしょうか?)
JR四国からは、似たような切符として「四国フリーきっぷ」が発売されていますが、こちらは3日間の利用期間で1万6千円であり、「10連休四国満喫きっぷ」がいかに優れた切符かがわかります。また、このような「お得なきっぷ」はゴールデンウィークなどの繁忙期には使えなくなる場合が多いのですが、「10連休四国満喫きっぷ」は逆に割安になるという太っ腹ぶりです。なお、2019年は夏休みにも「夏休み四国満喫きっぷ」という同様の切符が発売されており、今後もシーズンごとに発売されていくかもしれません。
(多客期には「しおかぜ」号は8両編成で岡山駅にやってきます)
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