福井駅から青春18きっぷで北陸本線を南下【北陸新幹線敦賀延伸直前の北陸本線の姿④】

やっとの思いで福井駅に到着しました。ここからが青春18きっぷの旅本番です!?

(本当は乗りたかった越美北線)

福井駅前を少し観光

 越美北線に乗り換えるという当初の計画は完全に崩壊しましたので…、福井駅の駅前を少し見て引き返すことにします。福井駅構内はダイヤの乱れを受けて大混雑していました。特急列車や普通列車の運転取りやめもあったようです。

 

(本日の福井駅は大荒れだったようです)

 

 福井駅は新幹線乗り入れに向けて改築工事が進んでいます。福井駅に東側にはえちぜん鉄道が高架で乗り入れています。ちなみに、西側には福井鉄道が地上線で乗り入れています。えちぜん鉄道京福電鉄福井県内の路線を継承した第三セクター鉄道福井鉄道はもともと地元資本の民鉄でしたが2009年以降第三セクター鉄道になっています。2024年に北陸本線を継承するハピラインふくいを合わせると、福井県内には第三セクター鉄道が3社あることになりますが、福井県では3社の一体的な運営について検討しています。

 

(福井駅、右奥にはえちぜん鉄道の高架駅舎も見えます)

 

 福井駅西側の壁には恐竜の絵が描かれていました。福井県は恐竜を観光の柱にしており、福井県立大学には日本唯一の恐竜学部があります。福井駅西口から少し歩くと、福井県庁に着きます。福井県庁は純粋な行政機関ですが、福井城のお堀の中にあり、最も防御力の高い県庁として有名です。福井城址は観光名所でもあるので、福井県庁も観光客向けに開放されています。ちなみに、福井県庁だけが特別に観光客に開放されているわけではなく、観光客向けの展示や展望施設の開放を行っている都道府県庁は多いです。無料で入れる都庁の展望台などが有名ですね。

 

(福井県庁を守る石垣)

 

 福井城は、現在の名前よりも柴田勝家によって築かれた北ノ庄城の名前のほうが有名ではないでしょうか。現在の福井城は、北ノ庄城の跡地に、徳川家康の次男である結城秀康によって築かれました。結城秀康は、名前の「秀」の字に表れているように、豊臣秀吉の下で育てられ、豊臣との縁が深い人物です。そのため、徳川家康からは警戒されたとも言われており、関ケ原の戦いの後の福井移封によってやっと徳川の「御家門」である松平姓を名乗ることを許されたとされています。そのため、「御家門」にふさわしい立派な城を築いたともいわれています。福井城址には騎乗姿の結城秀康像がありました。なかなかかっこいい姿ですね。

 

(結城秀康像)

 

 帰りの列車の時刻が迫っているためそろそろ福井駅に戻ります。福井駅の西側には、上述のように福井鉄道の電車が乗り入れていました。こちらの路面電車もかっこいいですね。

 

(福井駅に乗り入れる福井鉄道)

 

・帰りは普通列車

 福井駅に戻ると、ダイヤ乱れによる混乱はだいぶ落ち着いていました。遅れている特急が駅に入るとその対応に追われるが、それ以外の時間は落ち着いている、という感じなのかもしれません。私が乗る1647福井駅発の列車は時間通りに出発しました。この便は敦賀駅行きの普通列車4両編成なのですが、なかなかの乗車率で、私は座席に座らずに立っていくことにしました。

 

(敦賀駅行き普通列車)

 

日中の北陸本線は、特急列車が1時間に3本から4本なのに対し、普通列車は1本か2本で、地域輸送への恩恵は少ないです。新幹線開業によって普通列車が増発されれば、地元の方にとっての利便性は向上するかもしれませんね。もっともローカル輸送は北陸本線と並走する福井鉄道が担っているという見方もでき、これら既存鉄道都の棲み分けも考えなけばいけません。難しいところですね。

 

(時々北陸新幹線と並走する北陸本線)

 

 福井駅を出発した普通列車は、所々で北陸新幹線の線路と出会いながら南下します。鯖江駅武生駅などの主要駅を経由して、1736に終点の敦賀駅に到着しました。

 敦賀駅の乗り継ぎには少し時間があったので、駅舎を歩いてみます。まず目に入るのは、20243月から供用される新幹線駅舎です。背の高い高架駅舎で、整備新幹線の駅舎としては日本一の高さだそうです。現在は在来線の線路が横に広がっていますが、新幹線開業後は在来線特急が新幹線駅舎の真下に入るようになるそうです。北陸本線を引き継ぐハピラインふくいへの乗り継ぎには時間がかかりそうですね…。

 

(敦賀駅の新幹線駅舎)

 

 敦賀駅のホームにカメラを持った人が集まっていたので行ってみると、珍しい列車が来ていました。鉄道マニアの情報力には驚かされますね。第三セクターに移管するにあたって、線路に異常がないか点検に来ていたのでしょうか。

 

(珍しい車両もいました)

 

 駅構内を歩き回っていると、乗り継ぎの新快速電車が入線してきました。新快速といえば12両の長編成のイメージですが、敦賀駅米原駅間は4両編成で走行します。米原駅で残り8両を連結し、京阪神間の旺盛な需要に対応するわけです。

 

(4両編成の新快速)

 

 当初の予定では全行程で青春18切符を利用し、普通列車のみで移動するつもりでしたが、図らずも北陸本線の代名詞である「サンダーバード」号に乗ることになり、特急列車と普通列車の両方を楽しむことができました。また、これまた北陸本線の代名詞(?)である強風による運転障害も体験することができました。

 

(地味にすごい、福井)