新庄駅のラーメンで温まる【週末パスで雪の南東北へ⑨】

北山形駅からは奥羽本線に乗り換え、新庄駅に乗り換えます。新庄駅はこの辺りの鉄道ネットワークの拠点になっています。

 

(仲良く並ぶ奥羽本線陸羽西線)

 

奥羽本線新庄駅

 奥羽本線は福島駅―青森駅間を結ぶ路線で、1905年に全通し、かつては寝台特急も運転されるなど、長い間全線で東北地方の輸送を担っていました。しかし、現在では福島駅―新庄駅間で山形新幹線が、大曲駅秋田駅間で秋田新幹線が開業したことにより、この区間1435 mm 標準軌に改軌されたため、運転系統が分断されています。新庄駅では標準軌区間狭軌区間が物理的に切り離され、同じ奥羽本線でありながら1本の線路でつながっていません。ちなみに福島駅―新庄駅間の標準軌区間山形線の愛称もつけられています。新庄駅をまたいで運転される列車はないのでそちらのほうがわかりやすいですね。

 

(山形新幹線が乗り入れる関係で、奥羽本線新庄駅で分断されています)

 

 福島駅―新庄駅間には東京方面から「つばさ」号が直通しており、「つばさ」号に乗っていると新庄駅まで新幹線区間のような感じですが、福島駅―新庄駅間には普通列車も運転されています。使用される車両は701系か719系であり、見た目は一般的な普通列車ですが、台車は標準軌に対応したものになっています。新幹線車両と普通列車が同じ線路の上を走っているのを見ると不思議な気分になります。海外では割とふつうにみられる光景なわけですが…。

 

(在来線車両と新幹線車両が並んでいると変な気分ですね)

 

 北山形駅1021に出発した列車は、各駅にこまめに停車しながら新庄駅を目指します。見た目も走りも一般的な普通列車ですが、線路は新幹線車両が走るように改良されてりうので、乗り心地はとてもいいです。ローカル線にありがちな揺れはあまり感じません。都心の通勤電車に乗っているかのような錯覚に陥りますが、外を見ると一面の雪原で、奥羽本線 (山形線) を走っていることが思い出されます。雪原の車窓は新庄駅に着くまで変わらず、1132新庄駅に到着しました。

 

(美しい雪原の車窓)

 

新庄駅にてランチ

 新庄駅からは陸羽西線に乗り換える予定だったのですが、次の列車まで時間があったので、少し周辺を見てみることにしました。新庄駅奥羽本線の途中駅ですが、山形新幹線の終着駅でもあります。新庄駅以南では1435 mm 標準軌新庄駅以北では 1067 mm 狭軌と期間が異なるため、奥羽本線新庄駅で物理的に切断されています。また、山形新幹線の開業に伴って、駅舎が改築され、駅併設の交流施設として「ゆめりあ」が整備されています。ここに行ってみることにしました。

 

(なかなか気合の入った展示)

 

 上述のように、新庄駅標準軌狭軌が切り替わる珍しい駅であるため、新庄市は同市を「鉄道となじみが深い街」としてアピールしています。「ゆめりあ」にも、1/12スケールのSLや、最上地域をモチーフにしたジオラマなど、鉄道に関する展示がたくさんあります。また、私が訪れたときは、新庄にゆかりある作家さんの漫画作品も展示してありました。それに加えて、新庄駅では、2022年に直木賞を受賞した今村翔吾氏が「羽州おぼろ鳶組」シリーズを書いているということで、大々的にPRしていました。新庄市は地元のアピールがすごいですね!

 

(地元に愛される作家さんっていいでよね)

 

 駅の周りも見てみるつもりだったのですが、あまりの積雪で出歩くのは断念し、結局駅舎併設のカフェでお昼ご飯にしました。お腹が空いていたのでラーメンを注文します。これがピリ辛で、寒い季節には温まってちょうどよかったです。山形県はラーメンの消費量が日本一ともいわれており、カフェのラーメンのレベルも高いのかもしれません。

 

(冷えた体にピリ辛のラーメンが染みる)