北陸新幹線敦賀駅延伸を控えた北陸本線を旅しました。まずは、北陸方面へのバイパスの役割を果たす湖西線を通り、敦賀駅を目指します。
北陸新幹線は2023年現在金沢駅が終点ですが、2024年春に金沢駅―敦賀駅間が開業し、敦賀駅まで延伸されます。金沢駅は、北陸新幹線の「終着の駅」として繁栄してきましたが、その役割は敦賀駅に移ることになりそうです。北陸新幹線は計画としては小浜駅を経由して新大阪駅までですが、敦賀駅―新大阪駅は着工時期が決まっておらず、京都付近の区間でも着工の合意に至っていません。そのため、敦賀駅―新大阪駅間の開業はしばらく先であると考えられ、敦賀駅が北陸新幹線の終着駅となる期間が長く続きそうです。
北陸新幹線の金沢駅―敦賀駅間開業に伴って、北陸本線の同区間が並行在来線としてJR西日本から分離されます。北陸本線は、もともとは米原駅―直江津駅間の路線であり、日本海縦貫線の一部として多くの特急列車、貨物列車が走る路線でしたが、2015年の北陸新幹線長野駅―金沢駅間開業に伴い、米原駅―金沢駅間の路線に短縮されています。直江津駅―金沢駅間は並行在来線としてJR西日本から分離され、第三セクターによる鉄道会社に移管されました。この区間は新潟県、富山県、石川県にまたがっており、新潟県部分の直江津駅―市振駅間はえちごトキめき鉄道、富山県部分の市振駅―倶利伽羅駅間はあいの風とやま鉄道、石川県部分の倶利伽羅駅―金沢駅間はIRいしかわ鉄道になっています。
(北陸本線の顔「サンダーバード」号ではなく「びわこエクスプレス」号)
2024年の北陸新幹線金沢駅―敦賀駅間開業で、北陸本線の同区間もJR西日本から経営分離されます。それに伴い、北陸本線の金沢駅―大聖寺駅間はIRいしかわ鉄道に、大聖寺駅―敦賀駅間はハピラインふくいになります。これにより、北陸本線は米原駅―敦賀駅間のわずか45.9 km の路線となり、米原駅―直江津駅間350 km 以上を誇ったころと比べると1/7未満に短縮されます。
第三セクター鉄道への移管に伴って、金沢駅―敦賀駅間は青春18きっぷで乗車することもできなくなります。したがって、2023年はこの区間に青春18きっぷで乗車できる最後の夏ということになります。今回は、関西から北陸への玄関口である京都駅から、北陸本線の福井駅まで旅行した内容をまとめます。
・早朝の湖西線を北へ
戦後から昭和中頃まで、関西から北陸地方に至る経路は、京都駅から東海道線で米原駅に至り、米原駅から北陸本線を北上するというルートでした。この経路は関西から東北へと至るルートとしても利用され、関西と北陸・東北を結ぶ多数の特急・急行列車が運転されていました。
湖西線は関西と北陸・東北方面を短絡する路線として計画され、1974年に山科駅―近江塩津駅間の路線として開業しました。国鉄の路線としてはかなり新しい部類であり、高速運転を前提として建設されたため、高架区間が多く、踏切は設置されていません。これにより、関西と北陸を結ぶ特急であるサンダーバードは最高時速130 km で湖西線内を走り抜けています。また、この区間では新快速や普通列車も高速で運行されています。
今回の旅程でも、京都駅から湖西線経由で福井駅に向かいます。ただし、青春18きっぷを利用するので特急列車には乗車できません。普通列車での移動になります。7:00発の普通列車で京都駅を出発します。湖西線は山科駅―近江塩津駅間の路線ですが、運行上は京都駅が湖西線の始発駅になっています。京都駅を出発すると東海道線の線路を走りますが、1つ隣の山科駅で東海道線とは分かれ、湖西線に入ります。湖西線は高速通過を前提としているので、普通列車も速いスピードで走ります。また、ほとんどの区間が高架であり、琵琶湖に沿って走るので、高い目線から琵琶湖を眺めることができ、新しい路線では珍しく景色がよいです。この列車の終点の近江今津駅には8:06に到着しました。
(近江今津駅で乗り換え…?)