「サンダーバード」号に長時間乗車しました!【北陸新幹線敦賀延伸直前の北陸本線の姿③】

湖西線と北陸トンネルの開通、高性能な681系「サンダーバード」号の導入によって、関西と北陸の所要時間は短縮されてきました。今回はその湖西線、北陸トンネル、「サンダーバード」号を満喫する旅行になりました。

 

(福井駅に到着した「サンダーバード」号)

・「サンダーバード」号による福井駅への旅

 特急「サンダーバード」号は大阪駅・京都駅と北陸方面を結ぶ特急列車で、普段は湖西線を経由して北陸本線を走り抜けます。湖西線北陸本線という高速運転に対応した路線を走るため、「サンダーバード」号はJRの在来線特急列車の中でも俊足です。ただし、湖西線は「比良おろし」という特有の強風で運転障害が起こることがあるため、あらかじめ東海道線経由のダイヤも設定されています。

 

(関西と北陸の旺盛な需要を反映して本日の「サンダーバード」号は12両編成です)

 

私が乗車した「サンダーバード15号も、米原駅まで東海道線を走り、米原駅から北陸本線に入ります。湖西線が開通する1974年より前は、関西から北陸方面に向かう特急列車は全てこの経路で運転されていたわけで、今日は往時の北陸特急がよみがえったと言うこともできそうですね(笑)。

 

(この日座るとは思わなかった特急列車のリクライニングシート)

 

 「サンダーバード15号は、京都駅を出発すると快調な走りで東海道線滋賀県内の駅を飛ばしていきます。普段とは違う経路とはいえ、やはりあらかじめダイヤが組まれているためでしょうか。ところが、能登川駅で停車してしまいました。あらかじめダイヤが組まれているとはいえ、突発的な事態で一時的に前の列車が詰まっているだけだろうと思ったのですが、そうではないようです。

 

(瀬田川を渡ったあたりまでは順調な走りだったのですが…)

 

そのまま1時間以上停車したままになってしまいました…。車内放送によると、北陸トンネルで信号トラブルが起こり、ここを通過する列車は全て運転できなくなっているとのことです。こうなってはどうしようもありません…。幸いにも駅弁を買っていましたので、能登川駅を眺めながら駅弁「柿の葉寿司」を食べることにしました。停車した「サンダーバード」号の中で駅弁を食べるというのもなかなかできない経験ではないでしょうか。

 

(柿の葉寿司おいしいなぁ…)

 

 北陸トンネルは、北陸本線の高速化のために1962年に開通したトンネルであり、総延長は13,870 m JRの在来線のトンネルとしては日本最長のトンネルです。北陸トンネルでは、1972年に急行「きたぐに」号の列車火災が発生し、30人の死者を出す事故が発生しています。この事故をきっかけにトンネル区間の安全対策が進んだといわれています。私が「サイダーバード」号に乗車した日はちょうどお盆の時期だったので、この日の北陸トンネルの信号トラブルは、1972年の事故の死者の霊によるものではないかとネットでは騒がれていました…(笑)。

 

(区間列車が容赦なく追い抜いていきます)

 

 なにはともあれ、米原駅止まりの多くの普通列車・新快速列車に追い抜かれ、2時間ほど能登川駅に停まった後、「サンダーバード15号は米原駅に向けて出発しました。米原駅からは東海道線とは分かれて、北陸本線に入ります。米原駅を過ぎてしばらくすると、対向の「サンダーバード」号ともすれ違ったので、北陸トンネルの信号トラブルも解消しているようです。

 

(新疋田駅のカーブで停車して撮り鉄にサービスする「サンダーバード」号)

 

しかし、敦賀駅1つ手前の新疋田駅で、またもや停車してしまいました。敦賀駅で前を走るたくさんの列車が詰まっているとのことです。ここでも何分か停車し、敦賀駅のホームが空いたところで、この列車も発車しました。

 

(やっとのことで敦賀駅に入線)

 

 敦賀駅を過ぎると、遅れていた列車の流れた整理されたのか、私の乗る「サンダーバード15号も快調な走りを見せてくれました。敦賀駅福井駅は約30分で走破しました。ほぼ通常通りの走りといえそうです。ただし敦賀駅までにだいぶ時間がかかってしまい、福井駅に着いたのは16時過ぎでした…。

 

(SABAE (鯖江)、ここまでくればもう大丈夫…)

これはこれで貴重な経験ですね(笑)。JRの特急列車は2時間以上遅れた場合、特急料金が返金されます。制度としては知っていましたが、私も初めて体験しました。いろいろと貴重な経験を得ることができましたね。

 

(暇な停車時間に連結部を撮るなどしていました)