夕方になり、長崎駅でのイベントも終了しました。1日の締めくくりとして、西九州新幹線を博多駅まで乗り通すことにしました。
(西九州新幹線は在来線とのリレー方式で博多駅までつながっています)
・「かもめ」自由席で武雄温泉駅へ
長崎駅でのイベントも終了したようで、改札前のコンコースでは出店の片付けが行われていました。私としても丸一日西九州新幹線を満喫したので、そろそろ帰ることにします。18:13長崎駅発の「かもめ」50号で武雄温泉駅に向かいます。
(イベントが終わって静かになった長崎駅)
同じように考える人は多かったようで、「かもめ」50号の自由席は朝の長崎駅行きの便に迫るほどの混雑でした。3人掛けの真ん中が空いていたのでそこに入れてもらいました。お隣の方は神戸から日帰りで来られていた方で、行きは神戸空港から長崎空港まで飛行機、帰りは新幹線での移動とのことでした。神戸空港―長崎空港はスカイマークが就航しており、新幹線よりも安く移動できることが多いとのことです。スカイマークは新幹線の手ごわいライバルですね。
(「博多行き」と案内される新幹線「かもめ」号)
先述の新横浜からの方と同じく、この方も西九州新幹線の混雑ぶりに驚かれていました。赤いTシャツを着ているといろんな方に話しかけられます。私としてもいろんな方とお話しできて楽しいですね。また、西九州新幹線がイベント利用だけでなく、一般の方の足として利用されていることがわかってうれしくもあります。「かもめ」50号は18:44に武雄温泉駅に到着、約30分の旅路は、お隣の方と話していたのですぐでした。
(先頭部にも細かい装飾が入る西九州新幹線)
・「みどり(リレーかもめ)」50号で博多駅へ
通常、武雄温泉駅では「リレーかもめ」号が「かもめ」号を待っており、乗客は「かもめ」号を降りてそのまま対面ホームの「リレーかもめ」号に乗り込みます。ただし、一部の便ではそうではありません。この区間には博多駅―佐世保駅間の特急「みどり」号も走っており、一部の便では「みどり」号が新幹線リレー特急の役割を担います。
(783系の快適な座席)
「みどり」号のうちこれらの便は「みどり(リレーかもめ)」号と案内され、上り列車の場合は西九州新幹線「かもめ」号が武雄温泉駅に到着した後に入線してきます。私が長崎駅から乗ってきた「かもめ」50号はこのタイプで、乗り継ぎは「みどり(リレーかもめ)」50号でした。ちなみに、この便は博多駅―ハウステンボス駅間の特急「ハウステンボス」号を併結する日もあり、その場合は「みどり・ハウステンボス(リレーかもめ)」号になります。3列車併結は往時の九州では例がありますが、現在では例がなく、マニア的には注目ポイントかもしれませんね (実際には2列車併結なのですが…)。
(783系では前面展望を楽しむこともできます)
「かもめ」号で武雄温泉駅に到着して、対面ホームに列車が待っていないと不安な気分になりますが、「みどり(リレーかもめ)」50号は時間通りに来て、無事に乗ることができました。この便は武雄温泉駅始発ではなく佐世保駅からの運転なので、自由席が空いているか心配でしたが、十分な席が空いており、問題なく座ることができました。「Tシャツきっぷ」の効力は長崎駅―武雄温泉駅間のみなので、博多駅まで行く場合は別に乗車券と特急券を購入する必要があります。検札の車掌さんに売ってもらいました。
(夜の街を快走する783系「みどり(リレーかもめ)」号)
「みどり(リレーかもめ)」50号は18:48に武雄温泉駅を出発し、夜の佐世保線・長崎本線を疾走します。佐世保線のうち江北駅―早岐駅間は、明治時代に現在の大村線経由での長崎本線の一部として建設されましたが、1934年に肥前鹿島駅経由の長崎本線が開業して現在の「佐世保線」の形になっています。現在では西九州新幹線の開業に伴って一部複線化されるなど、高速化に対応した路線になり、西九州新幹線と合わせて再び「長崎本線」の役割を果たしています。西九州新幹線のうち武雄温泉駅―博多駅間は在来線特急による運転ですが、このうち特に武雄温泉駅―鳥栖駅間は、佐世保線と長崎本線の線形がよいことから、かなりスピードを出して走ります。
(A室とB室に分かれた783系の客室)
乗車した「みどり(リレーかもめ)」50号は783系による運転であり、783系の博多方先頭車は自由席なので、自由席で全面展望を楽しむことができます。通常の特急用車両は車両の端に扉がありますが、783系は車両の中央に扉があり、佐世保方をA室、博多側をB室として、車両が2つの区画に分かれています。全面展望を狙う場合は先頭車のB室に入るようにしましょう。
(終点の博多駅に入線)
私は全面展望を狙っていたわけではなかったのですが…(笑)、二日市駅で多数の乗客が降り、一番前の座席も空いたので全面展望させてもらうことにしました。自由席は座席を移動できる点がいいですね。783系は座席も快適であり、いい気分で博多駅まで行くことができました。783系は民営化によりJRが誕生して最初に生まれた形式であり、新しいJRの顔として力を入れて設計されました。そのため、客室が2つに分かれているなど、従来の車両に特徴が随所に見られますが、座席にも力を入れたようですね。783系は1988年の登場であり、登場から35年が経過しています。そろそろ引退してもおかしくない時期であり、今のうちに乗っておきたい車両ですね。
(博多駅に到着した783系)