大賑わいの長崎駅から嬉野温泉駅へ【祝 西九州新幹線一周年③】

長崎駅から嬉野温泉駅に向かいました。新幹線が乗り放題ということで、自由席はTシャツきっぷ利用者で超満員でした。

 

(長崎駅に停車する新幹線「かもめ」号)

長崎駅も大盛況

 長崎駅では10時から、西九州新幹線開業一周年を記念するイベントが開かれています。改札の外にはたくさんのブースが出ていて、かなり賑わっていました。普段の長崎駅も人通りがないわけではないのですが、ここまでではないので驚きです。中でも多くの人が列を作っていたのが「アミュプラザ長崎ショッピングチケット」の配布で、これは、Tシャツきっぷを着用した人先着500人に500円分のショッピングチケットを配布するというものです。私もこれを狙っていたのですが、あまりの長蛇の列にならぶ気が起きなくて諦め、他のブースを見て回りました。

 

(段ボール製の「かもめ」)

 

 屋外のブースはほとんどが飲食物でしたが、Tシャツきっぷ着用者向けに「長崎市恐竜博物館 特製クリアファイル」を配布しているところがあり、私もTシャツきっぷ着用者だったので、もらうことができました(笑)。長崎市恐竜博物館は長崎半島の先端にあり、長崎駅からバスで1時間ほどとのことで、この日は訪れることはできませんでしたが、いずれ行ってみたいですね!こちらのクリアファイルは先着1,000名様だったようです。

 

(恐竜デザインのクリアファイル)

 

 長崎駅の様子を見物するのはこの辺にして、次は嬉野温泉駅に向かいます。1043長崎駅発の「かもめ」20号で行こうとしたのですが、相変わらずホームはTシャツきっぷを着た人で混雑しており、列車の出発も遅れていました。この混雑への対応として、指定席号車への通路にもTシャツきっぷで入っていいと案内されていたので、そちらに乗ることにします。「かもめ」20号も長崎駅を遅れて出発し、嬉野温泉駅には1120に到着しました。12分遅れということになります。

 

(Tシャツきっぷの利用者がたくさんいました)

 

嬉野温泉駅の歴史など

 嬉野温泉佐賀県を代表する温泉地です。その歴史は、神功皇后三韓征伐の帰途に発見した時にさかのぼるとされ、奈良時代には温泉として人々に利用されていたという記録があります。江戸時代には長崎街道の宿場町として栄え、明治時代を迎えました。

 明治時代に入ると全国に鉄道が敷かれますが、嬉野温泉にも九州鉄道による鉄道敷設の計画がありました。しかし、地形の問題や、鉄道敷設によって宿泊客がいなくなることを嫌った住民の反対によって、嬉野温泉を経由する鉄道計画はなくなり、1898年に鳥栖早岐―長崎という経路で九州鉄道の長崎線 (現在の佐世保線大村線) が開業しました。

 

(90年ぶりに地元に来た嬉野温泉駅)

 

 一方でその後、嬉野にも鉄道が来ます。九州鉄道とは別に、高橋―武雄―塩田―祐徳門前という経路で1904年に祐徳軌道が開業しており、これに接続する形で1915年に肥前電気鉄道が塩田―嬉野間の電気鉄道を開業しました。当時、佐賀県内の国鉄は非電化であり、県内初の電化路線として注目されたそうです。しかし、祐徳軌道の一部が山口 (現在の江北) ―鹿島―諫早を経由する長崎本線に組み込まれることに伴って廃止されると、接続先を失った肥前電気鉄道も1931年に廃止されました。

 

(新しい駅ということもあり駅前の土地には余裕があります)

 

 この後、嬉野温泉には鉄道がない時代が長く続きます。佐賀県の二大温泉地として古くから栄え、神功皇后の神話を持つなど似たような歴史を歩んできた武雄温泉には九州鉄道時代から駅が置かれ、現在に至っており、嬉野温泉は武雄温泉に対して鉄道アクセスの面で後れを取ってきました。嬉野温泉の評判は高く、博多からは多数の高速バスが運行されているのですが…。

 

(嬉野温泉駅も赤いTシャツを着た人がたくさんいました)

 

 2022年に開業した西九州新幹線嬉野温泉駅は、嬉野温泉にとって90年ぶりの鉄道駅ということになります。嬉野温泉はこれによって大いに盛り上がり、駅前にはバス停や道の駅が整備されました。嬉野温泉駅に着くと、ホームには赤いTシャツを着た人がたくさん待っていました。嬉野温泉駅は西九州新幹線の中で最も便数の少ない駅ですが、この日は多くの方が訪れているようです。駅前の広場にもたくさんの出店があり、それなりに賑わっていました。

 

(バスも赤色でした)

 

 嬉野温泉の温泉街は駅から少し離れたところにあり、バスで移動します。が、乗り込んだバスは「嬉野温泉には行かない」とのことでした。一応系統は確認したつもりだったのですが…。反対方向のバスに乗ってしまったのでしょうか。初めての路線バスを利用する際は十分に注意しないといけません。とりあえず次のバス停で降ろしてもらいましたが、そこからは嬉野温泉へ行くバスはなさそうだったので、歩いていくことにしました。嬉野温泉駅から温泉街までは歩いて30分ほどです。ぎりぎり歩ける距離でしょうか…。