珍しい「Tシャツきっぷ」で長崎へ【祝 西九州新幹線一周年②】

西九州新幹線の開業一周年記念イベントは、武雄温泉駅で赤い「Tシャツきっぷ」を受け取ったところからスタートします!

(長崎への玄関口ともいえる武雄温泉駅)

・「Tシャツきっぷ」受け取り

 西九州新幹線開業一周年イベントの目玉として、「Tシャツきっぷ」が発売されました!限定10,000枚で3,000円の真っ赤な記念Tシャツなのですが ()、重要なのは、このTシャツが2023923日に限り有効な切符になっているという点です。

 

(世にも珍しい「Tシャツきっぷ」)

 

これを着用していると、2023923日に限り、長崎駅武雄温泉駅間の西九州新幹線の自由席が乗り放題になります。新幹線の1日フリー切符でTシャツも兼ねていて3,000円というのはかなりお得なのではないでしょうか。実際に、多くの人が購入して利用したようで、当日の自由席は赤いTシャツを着た人でいっぱいになっていました。ちなみに、Tシャツきっぷは開封して係員に見せればよいそうで、着用しなくてもよかったのですが、ほとんどの人が着て乗車していたように思います。着用していれば、切符(Tシャツ)を手に持って係員に見せるという作業をしなくてよくて楽ですからね。これを着て西九州新幹線の各駅を見て回ろうというのが、今回の趣旨です。

 

(この日は赤いTシャツを着た人がたくさんいました)

 

 832着の普通列車武雄温泉駅に入り、Tシャツきっぷを受け取りました。「かもめ」号の発着タイミングとはズレていたので、武雄温泉駅は静かだろうと思っていたのですが、受け取り窓口は思ったより混雑していて、赤いTシャツきっぷを着ている人もたくさんいました。また、この後始まるイベントの準備をしている人もたくさんいて、武雄温泉駅は朝から賑わっていました。

 

(新幹線のターミナル駅として改築された武雄温泉駅)

 

 次の「かもめ」号の出発まで時間があったので、少し駅周辺を見てみることにしました。武雄温泉駅はいうまでもなく武雄温泉の玄関口です。駅から15分ほど歩いたところに、温泉街があり、そのシンボルとして「武雄温泉楼門」があります。「武雄温泉楼門」は東京駅の駅舎の設計で有名な辰野金吾による設計です。大正4年 (1915) の竣工で、東京駅と同時期の作品とのことです。辰野金吾は明治から大正にかけての日本を代表する建築家ですが、佐賀県唐津の出身であり、九州には辰野金吾が設計した建築物がいくつか残っています。

 

(辰野金吾設計の武雄温泉楼門)

 

 武雄温泉にも入ってみたかったのですが、今回は西九州新幹線の各駅をまわるという趣旨なので、次の機会に回して駅に戻ります。西九州新幹線は朝夕は30分に1本、日中は1時間に1本になるタイミングもあるので、各駅に降りようとすると行程を組むのが大変です…。首都圏の山手線や中央線で、気になったところで降りてブラブラしようというのと同じようには行きません…。

 

(マンホールも楼門)

 

 923武雄温泉駅発の「かもめ」9号に乗るために駅に戻ります。温泉街のほうにも赤いTシャツきっぷを着ている人が歩いてきていました。この方たちは武雄温泉でゆっくりするつもりなのでしょうか。各駅を忙しく回るというのではなく、温泉でのんびり過ごすというのもいいですよね。

 

(ぱっと見だと新幹線にも見える885系)

 

・いよいよ新幹線に乗車

 武雄温泉駅では、すでに「かもめ」9号が入線していましたが、まだホームドアが開いていませんでした。西九州新幹線の「かもめ」号は基本的に「リレーかもめ」と接続するダイヤが組まれており、武雄温泉駅の旅客取り扱いについても、博多駅からやってくる「リレーかもめ」号が到着してから行うようです。とはいうものの、この日は「リレーかもめ」号到着前から、ホームに赤いTシャツきっぷを着た人があふれていました。事情を知らずに「リレーかもめ」号で来た人は、この光景を見たらびっくりするでしょうね。

 

(武雄温泉駅に入線する787系「リレーかもめ」号)

 

 787系による「リレーかもめ」9号が到着すると、すぐに「かもめ」9号の扉も開き、ホームにたまっていた人たちが続々と車内に入ります。Tシャツきっぷで利用できるのは自由席のみなので、赤いTシャツを着た人たちは自由席に集中します。「リレーかもめ」9号と「かもめ」9号の乗り継ぎは3分でしたが、新幹線の小さな扉ではこれらの人々が乗るのに時間がかかるようで、武雄温泉駅の出発が10分ほど遅れてしまいました。私が乗っていた車両も満席で、たくさんの立ち席が出ていました。Tシャツきっぷは限定10,000枚の発売で、9月の販売開始からイベント当日までで完売になるかなと思っていたのですが、結局そうはならず、当日の販売もしていました。なので、ここまでの混雑は正直に言って予想外で、自由席が多少混雑するぐらいだろうなと思ってました。

 

(車内の撮影は控えましたが、自由席車両は赤く染まっていました…)

 

 「かもめ」号の自由席は2列+3列の5人掛けが18列なので1両当たりの着席定員は90人です。先頭の6号車は座席数が少ないですが、4号車から6号車までの3両でざっと300人から400人程度が乗っていたのではないでしょうか。年間の平均乗車率が30%程度とのことなので、この日はすごい混雑だったわけですね。

 「かもめ」9号は武雄温泉駅を出発した後、嬉野温泉駅、新大村駅と各駅に停まります。この2駅では、武雄温泉駅ほどではありませんが、それでもそれなりの乗降があり、普段の停車時間より長く停まっていたようでした。私は、当初の予定では諫早駅で降りて、イベント開始直後の様子を見ようと思っていたのですが、あまりの混雑で途中駅で降りるのは大変そうだったのであきらめて、長崎駅まで行くことにしました。長崎駅には954に到着する予定でしたが、遅れは回復せず、10時過ぎに到着しました。

 

(温泉街にも赤いTシャツを着た人がちらほらいました)