トロッコ嵯峨駅の観光施設「19世紀ホール」にてトロッコ待ち【1日京都散歩④】

嵯峨野観光鉄道山陰本線の旧線を利用してトロッコ列車を運行しているほか、始発駅であるトロッコ嵯峨駅ではジオラマ館やSL展示施設も運営しており、トロッコの待ち時間も退屈することはありません。

 

(1時間に1本のトロッコ列車が来ると興奮します!)

嵯峨野観光鉄道と「19世紀ホール」

 嵯峨野観光鉄道トロッコ嵯峨駅トロッコ亀岡駅間の嵯峨野観光線を運営する鉄道会社です。嵯峨野観光線は日本初の観光専用鉄道です。とはいっても、新しく線路を敷いたわけではなく、この区間はもともとJR山陰本線として使われていました。JR山陰本線のこの区間1899年に開業したこともあり線形に難があり、1989年に電化と複線化のために新線に切り替えられ、旧線は廃止されました。旧線は線形が悪い一方で、保津峡渓谷に沿って走っており景観がよいことから、観光鉄道として利用することになり、1991年に嵯峨野観光鉄道嵯峨野観光線として再生されました。

 

(嵯峨野観光鉄道保津峡渓谷に沿って走ります、これが旧山陰「本線」とは驚きです)

 

 そのような経緯から、嵯峨野観光鉄道JR西日本の完全子会社です。嵯峨野観光線は、トロッコ嵯峨駅トロッコ嵐山駅―トロッコ保津峡駅トロッコ亀岡駅の4駅を有し、トロッコ嵯峨駅JR嵯峨嵐山駅に隣接しており、トロッコ亀岡駅JR馬堀駅が最寄りになります。ちなみにJR亀岡駅JR馬堀駅の次の駅です。JR嵐山駅とトロッコ嵐山駅、JR亀岡駅トロッコ亀岡駅が離れた位置にあり、最寄り駅でもないところがややこしいですね。

 

(嵯峨野観光鉄道の始発駅であるトロッコ嵯峨駅)

 

 嵯峨野観光鉄道では運休日である水曜日を除いて日中に毎時1本、トロッコ列車を運転しています。編成はディーゼル機関車DE10形牽引のトロッコ客車5両編成で、うち1両は窓ガラスのないオープン車両「リッチ号」です。土日には臨時列車も運転されます。また、1月と2月は冬季運休します。美しい車窓とトロッコ列車という恵まれた観光資源によって、嵯峨野観光鉄道は開業初年度から予想の3倍以上の輸送人員を記録しました。しかし、新型コロナウイルスの流行でインバウンド需要が焼失し、2020年度以降は赤字になっています。20224月には消費税率変更以外では初めての運賃値上げを行いました (20239月現在、乗車区間にかかわらず880)

 

(2022年の初めは苦しかったようですが、インバウンドの復活とともに息を吹き返したようです)

 

 嵯峨野観光鉄道ではトロッコ列車の運行に加え、トロッコ嵯峨駅に隣接した観光施設「ジオラマ京都JAPAN」と「19世紀ホール」の運営も行っています。トロッコ列車1時間に1本の運転なので、列車に乗るまでの待ち時間で見るのにちょうど良いですね。というわけで、私も覗いてみることにしました。

 

(すごそうなジオラマ)

 

 「ジオラマ京都JAPAN」は西日本最大級の鉄道ジオラマミュージアムで、京都の観光名所が再現されています。入館料は530円ですが、トロッコ列車に乗車する場合は割引されて、420円で入ることができます。今回はそれほど時間がなかったので、こちらはパスしました。

 

(蒸気機関車も展示されていました)

 

 「19世紀ホール」では、蒸気機関車を中心にして産業革命期の乗り物などが展示されています。「19世紀ホール」という名前は、産業革命19世紀に始まったことに由来するそうです。こちらは無料で見学することができます。ホール内にはC56D51C58といった国鉄で活躍した歴代の蒸気機関車に加え、「人」を動力源とする「人車」も展示されていました。トロッコ列車が来るまで退屈させない仕掛けがあって面白いですね。

 

(「人車」も展示されていました)