成田駅から急いで引き返し、五井駅に向かいます。小湊鉄道の看板列車「房総里山トロッコ」の指定券を確保するためです。
(小湊鉄道が誇る五井機関区)
成田駅からは成田エクスプレスに乗車します。成田エクスプレスは、東京駅から成田空港まで直行する便が多いですが、朝の上り便 (成田空港→東京・新宿方面) と夜の下り便 (東京・新宿方面→成田空港) は通勤特急の役割を兼ね、千葉駅、成田駅などの千葉県内の主要駅に停車します。ちなみに、2022年3月のダイヤ改正では、日中の便も毎時1本程度千葉駅に停車するようになります。
9時前に新勝寺を出て急いで成田駅まで戻り、9:05発の成田エクスプレスに乗車します。ぎりぎりで車内に滑り込むことができました…。今回は間に合うかどうか読めなかったので、紙の切符は発券せず、直前にチケットレスサービスで乗車しました。時期によってはチケットレスにすることで割引になる場合があります。成田エクスプレスは新型コロナウイルスの影響で外国人環境客が激減しているため、かなりの苦戦を強いられています。案の定、乗客はほとんどいませんでした。ところが、千葉まで貸し切り状態かなと思っていたら、途中駅でちらほら乗車がありました。
(成田―千葉間は主に田園風景の中を走ります)
地元では成田エクスプレスの停車便の認知度がそれなりにあるようです。ダイヤ改正で千葉駅停車便が増えるのも納得ですね。成田エクスプレスは成田空港から―千葉駅の間は田園地帯を走ることが多いです。都会になってきたなと思ったら千葉駅に到着です。9:29千葉駅着。
(NEXで快適な千葉駅までの旅)
ここからは普通列車に乗り換え、五井駅を目指します。千葉駅9:39発の内房線普通列車に乗り、9:56に五井駅に到着です。ここから小湊鉄道に乗り換えます。
小湊鉄道は五井駅から鴨川市の安房小湊駅までの鉄道敷設を目指して発足しましたが、結局線路は完成せず、途中の上総中野駅で途切れています。現在は上総中野駅でいすみ鉄道に乗り換えることで、外房線の大原駅へ抜けることができます。最初の計画からは、線路の形がかなり変わっていますね。車両は1960年代から1970年代にかけて製造されたキハ200形と、最近JR東日本から譲渡されたキハ40形を保有しており、全線にわたって非電化の路線です。
(最近JR東日本からやってきたキハ40形)
また、臨時列車として「房総里山トロッコ」が運転されており、これは客車をディーゼル機関車がけん引します。ディーゼル機関車は、かつて小湊鉄道で活躍していたコッペル製4号蒸気機関車をイメージして設計されたものであり、見た目は蒸気機関車そっくりです。「房総里山トロッコ」は、冬季を除く土日祝日を中心に運転されています。
(こちらはキハ200形)
「房総里山トロッコ」に乗車するには600円の乗車整理券が必要で、乗車日の1か月前から予約できます。インターネットか電話で予約できますが、運行食直前になると締め切られ、その後に乗車したい場合は、当日券を買う必要があります。小湊鉄道は、定期列車の運転本数が少ないので、「房総里山トロッコ」に乗り損ねると、後の旅程が大きく狂ってしまいます。というわけで、成田駅でわざわざ課金して成田エクスプレスに乗車したのでした。成田駅から9:17発の普通列車に乗ると、千葉駅から普通列車に乗り換えて10:21に五井駅に着き、10:23発の「房総里山トロッコ」にぎりぎり間に合いますが、当日券がどれだけ残っているか心配でした。特に、10:09五井駅着の「新宿さざなみ」3号で、首都圏から多くの乗客がやってきて、当日券が売り切れてしまう可能性も考えられました。そこで、成田エクスプレスで千葉駅まで急ぎ、1本前の普通列車に乗って五井駅に先回りしてきたわけです。
この普通列車の乗客はそれほど多くなく、無事に「房総里山トロッコ」の当日券を確保することができました。インターネットの予約で売れ残ったところを、当日券として開放しているようです。係員さんが空席マップを持っていて、当日券を発券した分を手作業で埋めていました。アナログですが、低コストで合理的なやり方ですね。
後から到着した「新宿さざなみ」3号からは、予想通りたくさんの乗客がおりてきて、「房総里山トロッコ」の当日券を買い求めていました。早々に売り切れてしまい、あぶれてしまった方もいたようでした。成田エクスプレスで先回りしておいてよかったなと思いました。