雪をかき分けて山寺観光【週末パスで雪の南東北へ⑧】

「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」という松尾芭蕉の句で有名な山寺は、冬は雪に閉ざされます。仙山線全体的に積雪量が多いですが…。

(雪の中を走る仙山線の列車)

 

・山寺観光…

 山寺は駅名にもなっていますが、立石寺 (りっしゃくじ) の別名です。立石寺平安時代に開かれた天台宗の寺院で、昨日訪れた瑞巌寺と同じく、円仁によって開山されました。立石寺瑞巌寺もとても歴史あるお寺なのですね。

 

(立石寺の門にはつららができていました)

 

 立石寺は「山寺」の別名の通り、険しい山の上にあり、参拝するには1070段の石段を登らなくてはなりません。1070段の石段は普段登るのも大変ですが、雪の多い山形では、冬に参拝する際にはさらに注意が必要です。

 立石寺は江戸時代に松尾芭蕉が訪れており、「閑さや 巌にしみ入る 蝉の声」という名句を詠んだことでも有名です。セミが鳴いていたぐらいですから、松尾芭蕉は夏に立石寺を訪れたのでしょうね。松尾芭蕉が訪れた夏に参拝するのもいいですが、今回は真冬に参拝することになりました。

 

(山寺駅を降りた瞬間から大ボリュームの雪…)

 

 山寺駅を降り、立谷川にかかる橋を渡って少し歩くと、立石寺の入り口に着きます。この時点で道沿いには膝丈以上の雪が積もっていました。一面の銀世界がまぶしいです。ここで参拝料を払い、石段を登って行きます。石段の一部分だけは除雪されており、何とか登ることができますが、解けた雪が凍って氷状になっているところがあり、滑らないように注意が必要です。ふもとのほうは除雪されていましたが、途中からそれもなくなり、石段が雪に包まれて雪の滑り台のようになってきました。二足歩行をあきらめて四つん這いになって登っていきましたが、それも途中までで力尽きてしまいました。何とか「せみ塚」の少し上までは行きましたが、「雪の滑り台」はまだ高く続いていました…。ここでセミが鳴いていたなんて信じられませんね…。冬に立石寺に参拝するには、雪の上を歩くための装備が必要なようです。

 

(登っても登っても雪…)

 

 下りはおとなしく雪の上を滑っておりました。登るのにはとても体力を使い、しかも全然進まなかったのに、下りは早いものですね…。山寺観光のために2時間ほど取っておいたのですが、途中で降りてしまったので早めに駅に戻ってきました。この深い雪の中でも列車はダイヤ通り動いています。鉄道が雪に強いということが実感できますね。1001山寺駅発の快速列車に乗車します。雪で冷えた体には、暖かい車内がありがたいですね。列車は雪原の中を快走し、山形盆地を抜けていきます。

 

(上から見下ろしても真っ白!)

 

北山形駅

 仙山線の快速列車で山形駅に向かうと思いきや、一つ手前の北山形駅で降ります。ここからは奥羽本線に乗り換えです。正確には仙山線羽前千歳駅までで、羽前千歳駅北山形駅山形駅奥羽本線に乗り入れている形なのですが、さきほども述べた通り、運行形態としては仙台駅―山形駅間が仙山線というイメージです。

 

(北山形駅にも雪がどっさり)

 

 今回の旅程では、山形駅まで行ってしまうと、奥羽本線普通列車に間に合わないのです。羽前千歳駅で乗り換えてもよかったのですが、寒いホームで待つ時間を少しでも減らしたかったので、北山形駅まで来たというわけです。北山形駅1017着、乗り継ぎの奥羽本線普通列車1021発です。北山形駅も雪がたくさん積もっていました…。