車両も食事サービスも充実した観光快速「海里」号とは【週末パスで雪の南東北へ⑫】

快速「海里」号は新潟駅酒田駅の間で運転される観光列車です。羽越地方は独自の食文化を持っており、「海里」号でも「日本海の美食」を楽しむことができるように工夫されています。

 

(快速「海里」号、鶴岡駅にて撮影)

 

新潟駅庄内地方を結ぶ観光列車「海里」

 快速「海里」は新潟と庄内地方を結ぶ観光快速列車です。金土日を中心に新潟駅酒田駅間を1往復します。使用される車両はHB-E300気動車で、羽越本線は電化されていますが、「海里」は気動車によって運転されています。4両編成で運転され、3号車は売店・イベントスペースとなっているため座席定員はなく、実質的には3両分の定員しかありません。また、4号車に乗車するには旅行プランへの申し込みが必要であり、一般的な列車と同じように乗車券+指定席券で乗車できるのは1号車と2号車のみです。

 

(海里は4両編成です!写真ではわかりにくいですが…)

 

座席が配置されている車両の中で、1号車は通常のリクライニングシート、2号車は4人掛けのコンパートメント、4号車は2人掛けまたは4人掛けのダイニング席となっています。JRで運転される観光列車では、旅行プラン用の座席のみが特別仕様で、指定席として発売されるものはリクライニングシートというパターンが多いですが、「海里」の場合は指定席券でコンパートメント席に乗車できる点が珍しいですね。

 

(海里のフリースペース)

 

 「海里」のダイヤには、観光シーズンの夏ダイヤと、オフシーズンの冬ダイヤという、大まかに2パターンがあります。冬ダイヤの場合、「海里」は快速列車としてもなかなかの俊足です。冬ダイヤでは、「海里」は新潟駅酒田駅間を約2時間半で結びます。同じ区間の特急である「いなほ」号は同区間を約2時間で結んでいるので、「海里」は特急+30分で走っていることになります。ちなみに、同じ区間普通列車を乗り継いで移動した場合、乗り継ぎがうまくいった場合でも3時間半かかります。新潟駅酒田駅間はスムーズな乗り継ぎパターンが限られるので、「海里」は移動手段としてもなかなか優秀です。新潟駅酒田駅間を利用する人は、2時間に1本ある「いなほ」号を利用するのでしょうが ()…。なお、「海里」は夏ダイヤで運転される場合は、笹川流れ区間で徐行を行うなどするため、新潟駅酒田駅間を3時間半かけて走ります。

 

(事前予約で海里の乗客が買えるお弁当)

 

 「海里」の最大の特徴は、車内で新潟・庄内の美食を楽しめることです。4号車の旅行商品では、地域の料亭が監修した料理を、車窓を眺めながら楽しむことができます。また、4号車以外でも、「海里特製弁当」が予約販売されており、これを購入することで車内で美食を楽しむことができます。海里特製弁当は、在庫があれば当日販売されますが、予約状況によっては当日の販売はないこともあるので、「海里」の指定席を押さえたら「海里特製弁当」も予約するのがおすすめです。「海里特製弁当」は旅行商品の料理とは別もメニューですが、日本酒との相性も良く、手軽に「美食旅」を楽しむことができます。

 

(海里のエンブレム)

 

 今回、私は「休日パス」での旅行だったので、乗車券がツアー料金に含まれる4号車の旅行商品での予約ではなく、指定席券で乗車できる2号車に乗車しました。こうすると「休日パス」を乗車券として利用することができるのでお得です!ちなみに直前に予約したこともあって、1号車のリクライニングシートは満席でした。鉄道マニアによる少人数利用が多いということなのでしょうか。そういうわけで、料理は「海里特製弁当」を予約して楽しむことにしました。以下、日本酒を飲みつつ「海里特製弁当」を食べながら、「海里」で移動した乗車記です。