「フルーティアふくしま」号乗車記【週末パスで行く新潟福島旅行⑦】

「フルーティアふくしま」号は、喜多方駅郡山駅を結ぶ快速列車です。全車指定席ですが、みどりの窓口で指定席を取ることはできず、乗車するには旅行会社のツアーを予約する必要があります。乗車方法が特殊な列車の1つです。

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(会津若松駅に停車する「フルーティアふくしま」号)

 

・「フルーティアふくしま」号とは

 「フルーティアふくしま」号は、郡山駅喜多方駅間を結ぶ観光列車です。会津若松駅喜多方駅間では、「SLばんえつ物語」号と運行区間が重複しています。「フルーティアふくしま」号は電車での運転なので、会津若松駅喜多方駅間が非電化化されると、この区間への乗り入れはなくなるものと思われます。「フルーティアふくしま」号の使用車両は、この地域で走っている719系を改造したもので、「フルーティア」編成とも呼ばれています。2両編成で、1号車はカフェカウンター、2号車が客室になっており、2号車にはまるでカフェの店内のような雰囲気のボックスシートと1人用カウンターシートが並んでいます。719系普通列車用の車両ですが、内装からはその名残はあまり感じられません。

 

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(719系「フルーティア」編成)

 

 「フルーティアふくしま」号の特徴の1つに、その乗車方法があります。「フルーティアふくしま」号は、乗車券+指定席券のような乗り方ではなく、乗車券と食事代がセットになったツアーを申し込むことで乗車できます。「走るカフェ」がコンセプトなだけあって、車内で飲食を楽しむことが前提となっているわけです。通常の切符で乗る列車ではないためか、市販の時刻表には「フルーティアふくしま」号が記載されておらず、また、「週末パス」などのフリー切符を利用することもできません。フリー切符ユーザーにとってはその点は少し残念ですが、「フルーティアふくしま」号の車内サービスを考えれば、フリー切符で乗ろうとするのは申し訳ないですね。おとなしくツアーに申し込みましょう!

 

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(シートはカフェの席のようでかなり豪華です)

 

「フルーティアふくしま」号は通常の指定席券が発売されていないため、快速なのか、特急なのか、列車の種別もはっきりとしません。まあ、種車719系普通列車用の車両なので、特急列車というよりも快速列車といったところでしょう。実際に、2019年までは「フルーティアふくしま」号は定期列車と併結運転されており、定期列車のほうは快速列車でした。

 

・「フルーティアふくしま」号で会津若松駅郡山駅間を移動

 会津若松駅から「フルーティアふくしま」号に乗車します。会津若松駅頭端式ホームなので、この駅からの始発列車のような雰囲気ですが、「フルーティアふくしま」号は喜多方駅始発で、郡山駅まで運転されます。15:55会津若松駅発、会津若松駅の駅員さんが、横断幕をもってお見送りしてくれました。

 

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(「FruiTea」の掛け紙)

 

 座席に着くと、テーブルには「FruiTea」と書かれた掛け紙が敷かれており、もうカフェの雰囲気です。すぐに係員さんがやってきて、飲み物の注文を取ってくれました。飲み物はコーヒーや紅茶などがあり、セルフサービスでお替り自由となっています。すぐに飲み物とスイーツが運ばれてきました。スイーツは月替わりで、基本的に2品のようです。今回はパフェとプリンで、どちらも福島県産シャインマスカットがメインのようです。今回はこれらに加えて福島県産桃のジュースが付きました。なかなかのボリュームですね。「カフェ」と言いながら、これらを食べているとすっかり満腹になってしまいました。

 

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(「フルーティアふくしま」号のスイーツメニューは月替わりです)

 

「フルーティアふくしま」号は電車ということもあり、さきほどの「SLばんえつ物語」号と比べると、なかなかの俊足です。通過運転をすることもあり、車窓の景色がどんどん流れていきます。これはダイヤ上でも明らかで、「SLばんえつ物語」号が新津駅―会津若松駅間110 kmを3時間15分で走るのに対して、「フルーティアふくしま」号は喜多方駅郡山駅間 80 kmを1時間半で走ります。会津若松駅郡山駅間は70分ほどで、出されたスイーツを食べ切って飲み物をお替りしていると、すぐに郡山駅に着いてしまうぐらいの感覚です。

 

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(ふと車窓を見ると夕日の景色になっていました)

 

 私が乗った時も、スイーツを食べ切ると、列車は郡山駅に近づき、夕日の時刻になってしまいました。車窓の夕暮れを眺めているとすぐに郡山駅に到着、郡山駅17:07着です。列車に乗りながら観光を楽しむというより、まさに「走るカフェ」で一服するという感じですね。

 

郡山駅から東北新幹線で帰宅

 郡山駅からは東北新幹線に乗車しました。「週末パス」だと、このように新幹線にも乗車できるので、旅程の幅が広がりますね。新幹線ホームに上がると、下りの新幹線が通過するところで、E5系E6系の併結列車が通過していきました。この区間は最高時速320 kmですが、今回はどれぐらい出ていたのでしょうか。いずれにしろかなりの速さで、間近で見ると恐怖感すらありました…。東北新幹線は乗車機会が少なくて、あまり慣れていないので許してください…。

 

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(郡山駅を通過するE5系E6系)

 

 私が乗車した「やまびこ」150号は、いまや東北新幹線最古参となったE2系での運転でした。この時間の上り「やまびこ」号は、自由席が混雑する傾向にあるということで、指定席を準備しました。客室に入ってみると指定席のほうもなかなかの乗車率でした。「やまびこ」号は通過タイプなので、途中の新白河駅那須塩原駅には停まらず、その次の宇都宮駅に停車します。「やまびこ」号の中には宇都宮駅にも停まらないタイプもあります。宇都宮駅の次は大宮駅に停車し、私は大宮駅で下車しました。郡山駅―大宮駅間の指定席券は3170円で、郡山駅上野駅間だと4060円、郡山駅―東京駅間だと4270円です。郡山駅―大宮駅間で乗ったほうが、東京駅まで乗るより1000円以上節約することができます。

 

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(大宮駅を出発するE2系「やまびこ」号)