朝の仙山線で山寺駅へ【週末パスで雪の南東北へ⑦】

朝の仙山線山寺駅に向かいます。

 

(仙山線山寺駅のあたりは冬は雪が深いです)

 

仙山線で山寺へ

 仙山線宮城県仙台市山形県山形市を結ぶ路線です。山形口では奥羽本線羽前千歳駅に接続し、そこから山形駅に向かうので、路線としては仙台駅―羽前千歳駅間ですが、列車は山形駅まで直通するので、感覚としては仙台駅―山形駅間を結んでいるといえますね。仙山線は仙台と山形の間に横たわる奥羽山脈を越えるため、33‰の急勾配があります。加えて、奥羽山脈を貫く5km以上にわたる仙山トンネルが開通当初から建設されています。仙山トンネルは当時、上越線清水トンネル東海道線丹那トンネルに次ぐ日本3番目の長さを誇るトンネルでした。この急勾配と長大トンネルは蒸気機関車では対応できないため、仙山線1937年の全通当初から電化されていました。

 

(仙山線は山深く、また、雪深いです…)

 

 当初は直流電化でしたが、現在の仙山線は交流電化です。これは、1954年に国鉄の交流電化試験区間に選ばれたためで、1955年に、まず北仙台駅作並駅間が交流電化されました。これにより、仙山線は日本で初めての交流電化区間になりました。ここで得られた様々なデータが1964年の東海道新幹線開業につながっていきます (新幹線は交流電化)。また、作並駅山寺駅間は1937年の開業当初から直流電化されていたため、作並駅には交直切り替え設備が置かれ、仙山線では交直直通電車の試験も行われました。

 

(現在の仙山線は交流電化です)

 

この試験は1958年から行われましたが、1968年に作並駅山形駅間が交流電化されたことにより、仙山線は全区間交流電化路線となりました。このような電化設備を生かし、仙山線ではその名も「仙山」という急行列車が運転されたこともありますが、今では廃止され、現在では普通列車のみのローカル線になっています。ただし、急行「仙山」の流れをくむ快速列車が17往復運航されています。

 

(朝の定禅寺通り)

 

 前置きが長くなりましたが、今日はこの仙山線に乗ります。ただの普通列車でも、歴史的背景を知っていると乗るのが楽しみになりますね (←本当かな)707仙台駅発の普通列車で、山寺駅を目指します。仙山線33‰の急勾配が有名であり、山岳路線のイメージがありますが、仙台市山形市のみを通る路線でもあり、特に仙台市内は市街地を抜けていきます。この日は休日でしかも下り列車だったので空いていましたが、平日は通勤通学路線としても機能していることでしょう。実際に、得に朝夕は、仙台駅―愛子駅間の折り返し列車が多数設定されています。

 

(朝の仙台駅)

 

 そうは言うものの、仙台駅から離れていくと、だんだん標高が高くなり、それとともに山深く、雪深くなっていきます。長い仙山トンネルを抜けると山形県山形市に入り、完全な雪景色になってしまいました。山形県最初の駅は面白山高原駅という面白い名前の駅です。これを過ぎると次は目的地の山寺駅です。山寺駅には813に着き、仙台駅から約1時間の旅でした。