箱根デジタルフリーパスとは【箱根フリーパスで日帰り旅行①】

箱根フリーパスを利用すると、発駅から箱根湯本、強羅、早雲山、桃源台、箱根町というように箱根ゴールデンコースを回って、帰ってくるまで、基本的に追加料金なしで公共交通機関を利用して観光を楽しむことができます。今回は、さらに、箱根デジタルフリーパスの「冬の箱根特急券無料キャンペーン」を駆使し、往復にロマンスカーを利用して箱根ゴールデンコースを堪能しました。

 

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(新宿駅に到着するGSE)

 ・箱根フリーパスと箱根ゴールデンコース

 箱根フリーパスは小田急電鉄が発売している切符で、小田急線内の発駅から小田原駅までの往復券と、箱根エリアのフリー乗車券がセットになった切符です。2日間有効のものと3日間有効ものとがあり、新宿駅発だと2日間有効で5700円、3日間有効で6100円であり、フリー区間をうまく旅程に組み込めば1日でも元が取れるほどお得なきっぷです。

 

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(小田急のイメージカラーともいえるバーミリオンオレンジをまとったロマンスカー車体)

 

 小田急グループが箱根エリアの観光のために開発した周遊コースとして「箱根ゴールデンコース」があります。箱根ゴールデンコースは、箱根湯本駅から箱根登山電車で強羅駅、そこから箱根登山ケーブルカー早雲山駅、そこから箱根ロープウェイ桃源台駅、そこから箱根海賊船箱根町港または元箱根港、そこから箱根登山バス箱根湯本駅に戻ってくるコースです。ちなみに、小田急線の新宿駅小田原駅間は往復1800円、箱根登山電車の小田原駅箱根湯本駅強羅駅間は680円、箱根登山ケーブルカー強羅駅早雲山駅間は430円、箱根ロープウェイの早雲山―桃源台駅間は1430円、箱根海賊船桃源台港箱根町港間は1050円、箱根登山バス箱根町港―箱根湯本間は980円で、合計すると6370円となり、これだけでも箱根フリーパスを利用した方がお得になります。そのうえ、箱根フリーパスには様々な施設で利用できるクーポンもついていますし、交通機関の途中下車もしやすくなるので、これを買わない手はないでしょう。

 

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(箱根ゴールデンコースの玄関口である箱根湯本駅までの輸送はロマンスカーが担う)

 

箱根ゴールデンコースは1960年に箱根ロープウェイが全線開業したことにより確立され、2020年に60周年を迎えました。今回は箱根フリーパスを使って箱根ゴールデンコースを観光しました。

 

ロマンスカーGSE新宿駅を出発

 今回の旅行は箱根フリーパス1枚で完結するわけですが、紙の切符ではなく、「箱根デジタルフリーパス」という、小田急電鉄のアプリ「EMot」から購入できる電子チケットを利用しました。2020年12月9日から2021年2月28日まで、「箱根デジタルフリーパス」を買うと初駅から箱根湯本駅までの往復の特急券が無料になるという大変お得なキャンペーン (冬の箱根特急券無料キャンペーン) があり、これを利用しようと考えたのでした。新宿駅箱根湯本駅間の特急券は1110円であり、往復で2000円以上もお得になります。冬の箱根はオフシーズンなのかもしれませんが、とても太っ腹ですね!

 

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(新宿駅に停車するGSE)

 

 当日は8時ちょうど新宿駅発のロマンスカー「はこね」3号を利用することにしました。ロマンスカーは乗車日の1か月前から予約することができますが、「箱根デジタルフリーパス」を利用する場合は、利用開始当日の往復の指定券を発行するので、事前予約はできません。「どうしても展望席がいい!」という方は注意しましょう (この記事が出ている頃には「冬の箱根度特急券無料キャンペーン」は終了していると思いますが…)。また、利用開始時に復路の特急券も指定するため、このタイミングで帰りの時間を決めなくてはなりません。この点も注意が必要で、事前にしっかりと旅程を組んでおくことをお勧めします (この記事が出ている頃には「冬の箱根度特急券無料キャンペーン」は終了していると思いますが…←2回目!)。

 

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(新宿駅の駅員さんが手書きの特急券を作ってくれた)

 

 新宿駅で駅員さんに「箱根デジタルフリーパス」の利用を伝えると、カウンターに案内されて、往復の特急券を発券してくれました。復路の列車も指定しなければならないこと、乗車変更ができないことについて特に念を押されましたが、この辺は予習済みなので問題ありません。指定したい列車を伝えると駅員さんが手書きの特急券を作ってくれました。

 

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(GSEが入線してきた)

 

 駅構内に入ってロマンスカーの到着を待ちます。少しすると、GSEが入線してきました。GSEは正式名を小田急70000形電車と言い、2018年3月にデビューした小田急で最も新しいロマンスカーです。GSEとは “Graceful Super Express” の略で、これまでのロマンスカーの意匠を継承しつつ、高い居住性と利便性を両立し、現代に適合した車両だといえます。歴代のロマンスカーは、通勤型のEXEを除いて、鉄道友の会によりその年の最も画期的な新型車両に贈られる「ブルーリボン賞」を受賞しており、GSEもその例にもれず受賞しています。ちなみに、「ブルーリボン賞」は、現在の小田急ロマンスカーのデザインの直系の先祖ともいえるSE (3000形) があまりにも画期的であり、SEを何らかの形で表彰するために生まれた賞です。

 

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(GSEは側面もかっこいい)

 

 GSEは正面から見た姿が素晴らしいのはもちろんですが、側面のデザインもかっこいいです。正面の姿を撮影してから自分が乗る号車に移動します。「はこね」3号は定刻通り8時ちょうどに新宿駅を出発しました。

 

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(新型コロナウイルスの影響で車内は貸し切り状態…)

 

ロマンスカーは快適であるだけでなく、新宿口の複々線やその他の工夫によってスピードの速く、小田原まで約1時間で着いてしまいます。また、車窓も、新宿近くではビル群や住宅街の中を走りますが、小田原に近づくにつれて田畑や山の景色が多くなり、変化に富んでいるので、まったく飽きません。

 

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(気が付くと車窓には富士山が見える)

 

したがって、体感としてはあっという間に小田原駅に着いてしまいます。小田原駅では数分間停車し、ここから箱根登山鉄道に乗り入れます。

 

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(小田原駅到着前には新幹線に追い抜かれた)

 

箱根登山鉄道線内は箱根湯本駅まで基本的に登りばかりであり、カーブが多く、単線でもあるので、小田急線内とは違ってスピードは出さず、ゆっくりと走ります。箱根登山鉄道線の小田原駅箱根湯本駅間は、単線の割には運行頻度が高く、そのため、ほとんどの駅で列車の交換が行われます。ロマンスカーの運転頻度も高く、ロマンスカー同士の交換も頻繁に見られます。小田原駅から20分ほどで箱根湯本駅に到着します。

 

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(箱根登山鉄道カラーの普通電車と行き違い)

 

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(ロマンスカーEXEαと行き違い)