箱根登山ケーブルカーに乗り換えて強羅公園へ【箱根フリーパスで日帰り旅行④】

箱根登山ケーブルカーは強羅地区の地域の足として生まれましたが、現在は箱根ゴールデンコースの一角を担っています。沿線には箱根美術館や箱根強羅公園などがあり、箱根強羅公園は日本初のフランス式整形庭園として国の登録文化財に指定されています。

 

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(箱根登山ケーブルカー、奥に反対方向の車両が見える)

 

 ・箱根登山ケーブルカー

 ここからはケーブルカーに乗車します。箱根登山ケーブルカーは、箱根登山鉄道 (当時は小田原電気鉄道) によって強羅が別荘地として開発されたのに伴い、別荘地の地域の足として1921年に開業しました。第二次世界大戦中は不要不急路線として撤去されて鉄材が供出され、1950年に運転を再開しています。現在では「箱根ゴールデンコース」の一部を形成し、多くの観光客を運んでいます。

 

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(Hakone Tozan Cable Car)

 

 箱根登山ケーブルカーは、2台の車両をロープで結んで、山頂の滑車 (巻き上げ機) で片方の車両を引き上げると、もう片方の車両がおりてくるという方式で運転されています。そのため、動力は車両側ではなく、山頂の早雲山駅にあり、ブレーキ装置なども早雲山駅の装置でコントロールしています (ブレーキは車両側にもついているようです)。ロープが一定であるため、2台の車両は一定の位置で交換し、公園上駅中強羅駅の間に交換設備が設けられています。また、駅も交換設備を挟んで対称に配置されています。片方の車両が停車しているときはもう片方も停車することになるので当然ですね。停車中もロープのたわみのせいか車両が上下に揺れ、いわゆる一般の「鉄道」とは異なることが実感できます。

 

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(2つの車両はロープでつながっていて、公園上駅中強羅駅の間で必ず交換する)

 

 箱根登山電車とケーブルカーは連絡しているようで、登山電車からケーブルカーに乗り換えるとすぐに発車しました。公園上駅で降りて箱根強羅公園に行くつもりでしたが、新型コロナウイルス感染対策のため、公園上駅最寄りである箱根強羅公園西門が閉まっているとアナウンスされて、反対方向のケーブルカーで公園下駅に戻ることにしました。

 

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(公園上駅には反対向きの便がすぐに来る)

 

前述のとおり、2台の車両は公園上駅中強羅駅の間で必ず交換しますので、公園上駅から早雲山駅行きが出るとすぐに反対方向の強羅駅行きが来ます。講演した駅で降りて、正門から箱根強羅公園に入ります。

 

・箱根強羅公園

 箱根強羅公園は、日本初のフランス式整型庭園で、中央部の庭園に加えて、熱帯植物館のほか、軽食が楽しめる Cafe PIC、一色堂茶廊、点茶を体験できる白雲洞茶苑、工作を楽しめるとんぼ玉工作堂、クラフトハウスといった施設を備えています。ただし、ウィキペディアによるといわゆるフランス式庭園になっているわけではないらしく、実際に見て回った感じからすると、確かにフランスの雰囲気はあまりしませんでした。入園料は 550 円ですが、箱根フリーパスを提示すると無料で入ることができます。この日は新型コロナウイルス感染対策の関係で、クラフトハウスやとんぼ玉工作堂といった施設系はやっておらず、庭園のほかに熱帯植物館と Cafe PIC を回りました。

 

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(常夏の雰囲気の熱帯植物園)

 

 熱帯植物園は、数多くの原色の植物が育てられていて、南国の雰囲気でした。この日は人も少なかったので、じっくりと花を撮影することができました。熱帯植物館内には噴水も設置されていて、フランスの雰囲気を出していました。

 

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(フランスっぽい雰囲気の噴水)

 

 熱帯植物園を後にし、庭園を散策しましたが、この日は冬ということもあり、植物の中には葉を落としているものもたくさんありました。藤棚などは時期になると美しいのだろうと思われます。中央にそびえるヒマラヤ杉は、冬でも葉をつけていました。このヒマラヤ杉を目印にすれば、広い園内で迷いませんね。

 

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(どこからでも目立つヒマラヤ杉)

 

通常は正門のほかに西門も開門していて、通り抜けられる構造になっているのですが、この日は西門が閉まっていたので、園内を反時計回りに一周して、施設系で唯一開いていた Cafe PIC で、少し早めの昼食を取ることにしました。

 

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(パンシチュー)

 

注文したのはパンシチューです。パンをくり抜いた中にシチューが入っていてフランス料理のようで、フランス気分を味わうことができました。強羅公園を後にし、再び公園下駅からケーブルカーに乗り、早雲山駅に向かいました。

 

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(早雲山駅に到着)