瑞鳳殿を見た後は再び「るーぷる仙台」に乗り、仙台城址、大崎八幡宮を回ります。
(観光客を見下ろす伊達政宗公)
・仙台城跡へ
仙台城跡へは「るーぷる仙台」で、瑞鳳殿から2駅です。バスを降りるとすぐに立派な鳥居があり、これをくぐって仙台城跡に入ります。この鳥居は宮城懸護国神社のもので、戦後の経緯により、仙台城跡の本丸の一部と西の丸は護国神社の所有になっています。ちなみに、宮城懸護国神社では仙台城のことを青葉城と呼んでおり、仙台城の別名として定着しています。
(雪に覆われた大広間跡もなかなかいいですね)
仙台城は、明治時代以降陸軍の施設になったことや、空襲を受けたことなどにより、建物は現存していません。石垣の上には大広間跡として礎石が置いてありますが、ここにも雪が積もっていました。一面の雪の上にたたずむ伊達政宗像もカッコよかったです。また、仙台城は台地にあるため、本丸からは仙台の街を一望することができます。大きな観音像がやたらと目立ちました。仙台大観音というそうです。
(ひときわ目立つ仙台大観音)
仙台城の本丸の一部と西の丸は宮城懸護国神社になっています。護国神社は国家のために命を落とした人を祀る神社で、戦前は内務省の管轄でしたが、戦後は独立の宗教法人になりました。その経緯から、仙台藩関係の人物は祀られていません。仙台城に来たついでに入ってみると、殉職者の遺影が飾られていたほか、帝国海軍の軍艦の模型が多数展示してありました。観光施設というわけではないですが、展示はなかなか凝っていて一見の価値はあり、また、土産物店も併設されています。護国神社の展示を見るのに思ったよりも時間を使ってしまいました…。
(戦艦「大和」の模型は一見の価値ありです)
仙台城を後にし、再び「るーぷる仙台」に乗って、次の目的地である大崎八幡宮を目指します。
・大崎八幡宮へ
仙台城跡から大崎八幡宮までは「るーぷる仙台」で15分ほどです。大崎八幡宮の現在の建物は伊達政宗によって建立されたもので、桃山様式のきらびやかさを持っています。瑞鳳殿や仙台城は焼失しましたがこちらは現存しており、その意味では政宗時代の豪華さを最も今に伝えている建築物といえます。社殿は江戸時代前期に見られる権現造りと呼ばれる造りで、日光東照宮に引き継がれることになります。
このような歴史を踏まえて、大崎八幡宮の現存建築物は国宝に指定されています。
(大崎八幡宮へと続く階段)
大崎八幡宮の歴史はさらに古く、平安時代に坂上田村麻呂が、宇佐神宮を丹沢城に勧進したことに始まります。宇佐神宮は大分県ですから、九州から東北にかなり遠くまで連れてきたのですね。その後、室町時代に大崎兼家の保護を受け、現在の大崎市で代々大崎氏の尊崇を受けました。江戸時代に入って伊達政宗が現在の場所に移し、社殿を寄進するとともに仙台藩の総鎮守として現在に至ります。
(大崎八幡宮の参道)
このように、大崎八幡宮は瑞鳳殿や仙台城にも劣らない立派な歴史を持ち、建物の歴史的価値も高いですが、観光客の姿はあまり見られませんでした…。それはそれで落ち着いた雰囲気で見物することができてよいのですが…。建物にはところどころに金箔があしらわれていて、桃山様式とはこういうものかと思わされます。石畳の参道もよい雰囲気ですが、雪が積もっていたので滑らないように注意が必要でした。仙台城で予想以上に時間を使ったので、大崎八幡宮は少し急ぎ足で回ることになってしまいました。
(大崎八幡宮には鶏がいました)
もう一度「るーぷる仙台」に乗って仙台駅に戻ります。「るーぷる仙台」1本で瑞鳳殿、仙台城跡、大崎八幡宮という仙台と仙台藩を代表するスポットを巡ることができました。「るーぷる仙台」は素晴らしいですね!
仙台を一巡りして再び仙台駅に戻ってきました。昼の仙台駅は、青空に赤い駅舎が映えて、これだけで一つの観光スポットのようです。
(有名観光スポットである仙台駅)