「あそぼーい!」号の車内は親子で楽しめるように工夫が凝らされていますが、豊肥本線を通しで運行する1日2往復の特急列車のうちの1本であるため、大人の利用も多いようです。
(肥後大津駅を出ていく「あそぼーい!」)
・別府駅から「あそぼーい」号で熊本空港へ
別府駅からは、豊肥本線経由で熊本空港に向かいます。豊肥本線は熊本駅―大分駅間を結ぶ路線で、熊本駅―肥後大津駅間は電化されていますが、ほかは単線非電化路線です。熊本駅付近と大分駅付近は通勤圏を形成しており運転本数も多いですが、ほとんどの区間は普通列車が1~3時間に1本のローカル線です。
(今回乗車する「あそぼーい!」)
特急列車は「九州横断特急」が1往復、休日には「あそぼーい!」が1往復で、「あそぼーい!」の運転がない日には同じ時刻で「九州横断特急」が運転されるので計2往復、それに加えて、熊本駅―宮地駅間では「あそ」が1往復運転されています。豊肥本線は久大本線などと同じく山間部を通る区間が多いため、水害や土砂災害などで長期運休することも多いです。最近では、2016年の熊本地震の影響で、阿蘇駅―肥後大津駅間が運休しましたが、2020年8月から運転再開しています。
(3号車には子供を喜ばせる仕掛けが凝縮されている)
今回乗車するのは特急「あそぼーい!」号です。「あそぼーい!」号は、キハ183系の4両編成で運転され、3号車には、窓側に子供が座れるように配慮された「白いくろちゃんシート」と子供向けのプレイスペース、カフェカウンターが並びます。
(3号車のプレイスペース)
実際に乗車してみると3号車は子供の歓声であふれていました。そのほかの車両には普通席が並び、また、1号車と4号車にはパノラマシートが配置されています。熊本駅―別府駅を結ぶ1日2本の特急列車のうちの1本なので、観光列車としてではなく移動手段として需要もそれなりにあるようです。私が乗車したときも、普通席は満席だったようで、駅員さんに「白いくろちゃんシート」を取ってもらいました。
(「白いくろちゃんシート」にはA席とD席しかない、2人分のスペースを使えてこれはこれでいいかも)
熊本駅で駅員さんが苦笑していたのはこれが原因だったようです。「白いくろちゃんシート」に大人一人で座っている方は他にもおられ、私と同じように普通席にあぶれてしまったものと思われます…。
(別府駅を出た直後には大分の工場群が見える)
「あそぼーい!」号は15:12別府駅発、大分駅までは「ゆふいんの森」号と同じく日豊本線を走り、大分駅で久大本線と分岐して、豊肥本線に入ります。豊肥本線に入ると途端に山がちになり、大野川の流れに沿って走るようになります。線路は左右にうねるようにして走っており、列車はその上をのんびりと走ります。
(大分駅を過ぎてしばらくは大野川の流れと並走)
大野川を離れてしばらくすると、豊肥本線は阿蘇山のカルデラに入ります。阿蘇駅で数分停車があったので、記念撮影することができました。晴れていればより良い景色だったのでしょうが…。
(阿蘇駅で記念撮影)
阿蘇山外輪山の西側の立野駅では、急勾配を下る (上る) ためのスイッチバックを体験することができます。立野駅でもホームの上に降りて記念撮影することができ、多くの方が楽しんでおられました。立野駅からは、豊肥本線と分岐して阿蘇山の南側を走る南阿蘇鉄道が分岐しています。ただし、2016年の熊本地震の影響で、2021年5月現在、立野駅―中松駅間は運休しており、立野駅で乗り換えることはできません。
(立野駅で記念撮影)
立野駅を出ると、すぐに肥後大津駅です。熊本空港に向かうため、私はここで下車します、肥後大津駅17:53着。肥後大津駅にはキハ200系のハウステンボス色がいました。キハ200系は長崎地区で活躍していましたが、YC1系に置き換えられることになり、2021年から熊本地区に転属しています。このハウステンボス色も熊本地区に転属してきたようです。
(キハ200系ハウステンボス色)
肥後大津駅から熊本空港には、無料の乗り合いタクシーが出ています。これに乗って熊本空港に向かい、今回の旅行はおしまいです。小牧空港に帰った時には真っ暗になっていました。
(小牧空港まで乗ってきた飛行機)