3日目は徳島から牟岐線を乗りつぶし、阿佐海岸鉄道、土佐くろしお鉄道にも乗って、高知から土讃線を経由して高松に至るという旅程です。「10連休四国満喫きっぷ」では、JRのほかに阿佐海岸鉄道と土佐くろしお鉄道も利用できるという点がありがたいですね。
(1500系気動車に描かれたロゴはなかなか現代的です)
・徳島→海部
今日は早朝の徳島駅から出発です。徳島県は全国47都道府県で唯一「電車」が走っていないことで有名です。沖縄県には一般的なイメージの鉄道は走っていませんが、モノレールが走っており、モノレールは法律上鉄道にあたり、電気で走っているので「電車」といえます。徳島県内の鉄道はすべて非電化で、気動車のみが走っています。したがって、徳島県の中心駅である徳島駅に入線する列車も気動車ばかりです。
(徳島駅に停まっていたキハ40系。架線柱がないとよく映えます)
ただし、徳島駅は徳島県の中心なだけあってかなり立派です。駅に入る前と入った後の印象がかなり違う駅といえますね。駅にはキハ40系がたくさん停まっていましたが、私が乗車する列車は1500系という比較的新型の気動車でした。1500系気動車は予讃線ではあまり見かけませんが、この旅の中で牟岐線や高徳線ではよく見かけました。1500系気動車は香川県や徳島県に投入されているようです。
牟岐線内の特急は、2019年の3月までは「むろと」3往復と、通勤用の「ホームエクスプレス阿南」1往復の計4往復がありましたが、2019年3月のダイヤ改正で「むろと」1往復に減便されました。今回も「むろと」号に乗車してみたかったのですが、減便された結果下りは夜の1便しかなく、あっさり断念したのでした。「むろと」号の去就はわかりませんが、この分だと近々廃止されてしまうかもしれません。牟岐線では特急列車の減便とともに、普通列車のパターンダイヤ化を図ることで、利便性の向上に努めているようです。パターンダイヤ化で徳島―阿南間は30分に1本に統一され、ダイヤとしてはかなりわかりやすくなりました。これで利用者が増え、牟岐線が盛り上がるといいと思います。
そういうわけで、徳島駅から乗車したのも普通列車です。徳島発の牟岐線の始発列車に乗車しました。この海部行きで、牟岐線全区間を乗りとおします。途中、桑野駅で対抗列車と行き違いました。牟岐線は単線なので、行き違いなどでダイヤのやりくりに制限があるのにパターンダイヤである点は素晴らしいと思います(私が乗車した早朝便はパターン化されていませんが)。牟岐駅でワンマン運転が始まるらしく、2両編成 (3両編成だったかな?) の後ろ側の車両は閉鎖されてしまいました。牟岐駅を出ると、海部駅まではあと15分ほどです。2時間20分ほどかけて、牟岐線を乗りとおしました。
(牟岐駅にて、運動がてら改札まで出てみました)
・海部→甲浦
海部駅からは阿佐海岸鉄道に乗り換えです。乗り換えの列車は向かい側のホームに停まっていました。阿佐海岸鉄道は海部駅―甲浦 (かんのうら) 駅間営業キロわずか 8.5 km の鉄道です。途中駅は宍喰 (ししくい) 駅しかありません。もともとは室戸岬方面に延伸して、高知県側の土佐くろしお鉄道とつなぐ計画でしたが、それには至っていません。その計画のためか、終点の甲浦駅は線路が途中で切れたようなつくりになっています。沿線人口の少ない牟岐線のさらに末端区間にあたるため、利用者数はとても少なく、JR以外で最も利用者の少ない路線であるそうです。保有する列車も2両か3両しかありません。
この阿佐海岸鉄道に乗り換えて甲浦駅に移動。10分ほどで到着しました。甲浦駅は近くにバス待合室があり、そこに DMV のパンフレットが置いてありました。DMV とは「デュアル・モード・ヴィークル」の略で、線路と道路の両方を走ることができる車両を指します。阿佐海岸鉄道では5年ほど前から DMV の導入が検討され、最終的に2020年からの運用開始が決まりました。最終的には現在の鉄道車両を置き換え、甲浦駅以西は道路を走行して室戸岬方面への誘客を目指すようです。また、DMV は全国で初めての導入例となり、DMV 自体が観光の目玉となるかもしれません。
(DMVは2020年の導入です)
(甲浦駅は線路が途切れたような、いかにも仮設の終点駅です)