「ブルートレインテラス」にて14系客車を見学し、「フジサン特急」を撮り鉄【さようなら「ホリデー快速富士山」&「吉田のうどんきっぷ」で行く富士急線の旅④】

富士山駅下吉田駅ブルートレインテラスを見学

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(富士山駅下吉田駅で乗車した「トーマスランド」号、下吉田駅にて)

 

 大月行きの普通列車は発車時刻の数分前に富士山駅にやってきました。富士急線は全線にわたり単線であり、列車交換のできる駅が限られています。富士山駅は列車交換のできる駅の一つであり、大月行と河口湖駅の列車が必ず交換を行います。大月方面からやってきたの成田エクスプレスでした。成田エクスプレスには、1往復だけ河口湖行きがありましたが、これも2019年3月16日のダイヤ改正でなくなってしまいました。今考えるとこちらにも乗っておけばよかったですね。富士山駅河口湖駅間は成田エクスプレスにも乗車券のみで乗ることができました。

 

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(富士山とNEX、NEXも3月16日のダイヤ改正で富士急線への乗り入れを終了しました)

 

 富士山駅12:35発、下吉田駅12:41着。下吉田駅まで乗車した普通列車トーマス列車でした。富士急線は普通列車にも凝ったデザインのものが多いです。次に乗る列車まで時間があったので、近くの新倉浅間神社に行ってみました。名前に「浅間神社」とついていると、富士山をまつる神社だそうです。新倉浅間神社には、奥に忠霊塔という名勝がありますが、今回は時間の関係上スルーしました。また時間があれば訪れてみたいものです。

 

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(新倉浅間神社の鳥居と富士山)

 

 下吉田駅に戻って、ここから乗る「富士登山電車」の着席整理券を買いました。「富士登山電車」は定員制の列車で、乗車には200円の整理券が必要です (特急ではなく快速なので、特急料金は必要ありません) が、実際に乗ってみるとガラガラでした…。とてもいい列車だったのですが… (後述)。また、駅併設の「ブルートレインテラス」に入るために入場券 (100円) を買おうとしましたが、富士急線の切符を持っていれば入れるらしく、「吉田のうどんきっぷ」でも入場することができました。

 「下吉田駅ブルートレインテラス」は、下吉田構内にある車両展示施設で、14系客車や先代のフジサン特急2000形 (元JR東日本169系電車) が保存されています。なぜ富士急の下吉田駅ブルートレイン用の154系客車が展示されているのでしょうか。14系客車は代表的な寝台用客車で、かつての寝台特急「富士」にも使用されていました。「ブルートレインテラス」に展示されている14系客車には、富士山型の「富士」のヘッドマークが掲げられていました。「富士」に使われていた車両ということで、ここに展示されているのですね。

 

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(寝台特急「富士」のヘッドマークを掲出した14系客車)

 

特急「富士」は1929年に、東京―下関間の特急列車として誕生しました。当時、列車に名前を付ける習慣がなく、日本初の愛称付き列車となりました。この「富士」は太平洋戦争の激化に伴い1944年に廃止されますが、戦後、1961年に東京―宇野間の昼行電車特急に「富士」という愛称がつけられ、復活します。この「富士」は1964年に東海道新幹線の開業に伴って廃止され、新たに東京―大分間を結ぶ寝台特急として「富士」が誕生します。この寝台特急「富士」は20系客車によって運転され、いわゆるブルートレイン「富士」の誕生となります。その後、1965年に東京―西鹿児島 (現在の鹿児島中央) 間 (日豊本線経由) に運転区間が延長され、1980年に東京―宮崎間に短縮されるまでは日本最長の運転区間を誇る列車でした。「富士」は利用者減少に伴ってブルートレインが縮小されていく中でも存続しますが、2009年のダイヤ改正で廃止されました。

「富士」に14系客車が連結されるようになったのは1986年からです。14系客車は20系客車の後継として設計されました。分散電源方式を採用することで列車の分離併合に対応し、当時としては画期的な設計であることから1972年に「ブルーリボン賞」を受賞しています。

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(懐かしの開放B寝台)

 

ブルートレインテラス」に展示されている14系客車は、内部にも立ち入ることができ、寝台スペースが解放されています。ここに寝転がれば、かつての寝台車の旅情を味わうことができるかもしれません。

ブルートレインテラス」には富士急2000形電車も展示されていました。こちらは中に入ることはできす、外から見るだけです。富士急2000形電車は元JR東日本165系パノラマエクスプレスアルプス」です。富士急線内では「フジサン特急」として活躍していましたが、小田急からRSE 20000形電車を、JR東海から371系電車を譲渡されることに伴い、2014年に廃車されました。現在は先頭車が「ブルートレインテラス」にて保存されています。

 

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(連結器を舌に見立てて赤く塗るという凝ったデザイン)

 

下吉田では1時間ほど時間をとっていましたが、「ブルートレインテラス」だけでは時間が余ってしまいました。「ブルートレインテラス」を見て回るには30分ほどで大丈夫だと思います。新倉浅間神社に向かう途中にいい雰囲気のカーブがありました。時間が余ったのでここで富士急の写真を撮ることにしました。狙ったのは「フジサン特急 (現役)」です。シャッターチャンスは一瞬でしたが、何とか富士山をバックにして「フジサン特急」を撮ることができました。この「フジサン特急」は富士山駅にて、私が乗車予定の「富士登山電車」と交換を行うものと思われます。「フジサン特急」撮影後は急いで下吉田駅に戻り、「富士登山電車」を待つことにしました。

 

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(富士山とフジサン特急)

 

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(富士山とフジサン特急②)