神代駅の観光スポット「旧鍋島家住宅」に立ち寄って諫早駅へ【雲仙・有明スローラインきっぷの旅④】

「スローラインきっぷ」では同一方向に限り途中下車ができるので、神代駅で途中下車して旧鍋島家住宅に行きました。

 

(多比良駅から乗った列車)

神代駅で旧鍋島家住宅を見学

 多比良駅から1つ隣の神代駅に移動します。島原鉄道は基本的に単行の気動車で運転されています。何かのキャンペーンなのか、車両ごとに異なるヘッドマークを付けて走っていました。乗車した列車の先頭車両から前を見ると、やはり神代駅で対向列車が待っていました。多比良駅から神代駅までは、ものの数分で着いてしまいます。

 

(神代駅で対向列車と行き違い)

 

 神代駅から歩いて数分のところには、「雲仙市神代小路重要伝統的建造物群保存地区」があり、江戸時代の武家屋敷の町並みが保存されています。神代小路重伝建の中核をなすのが旧鍋島家住宅です。

 

(旧鍋島家住宅の表玄関)

 

鍋島氏と言えば佐賀藩の鍋島氏が有名ですが、こちらの鍋島家は佐賀藩の藩祖鍋島直茂の兄鍋島信房に始まる家系で、佐賀鍋島氏の重臣である神代鍋島家として、佐賀藩の藩主を出すような家柄でした。神代鍋島邸周辺は、鍋島家を中心に武家屋敷の景観を守り続け、現在に至ります。

 

(庭園を散策できる旧鍋島家住宅)

 

 旧鍋島家住宅の主屋は、1930年に建てられたものであり、隠居棟と長屋門が江戸時代の建築です。主屋の方も昭和戦前期の和風住宅の様式を今に伝えるものとして、隠居棟や長屋門と共に国の重要文化財に指定されています。

 

(斜面の上から住宅を見下ろすこともできます)

 

 また、旧鍋島家住宅の良いところは、庭園内を散策できることです。庭園は斜面になっており、斜面の上から邸宅を見下ろすことができます。庭園の植物もきれいに手入れされており、とても良い雰囲気でした。私が訪れたときはもう散り際でしたが、毎年2月ごろがヒガンザクラの見ごろだそうです。

 

(ちょうどヒガンザクラが咲いていました)

 

神代駅から諫早駅

 神代小路重伝建にはもう少し滞在したかったのですが、日中の島原鉄道は1時間に1本の間隔であり、1本逃すと大変なことになるので、大人しく神代駅に戻ります。やはり神代駅で上下列車の交換を行うようで、先に島原港駅行きの列車が入線してきました。しばらくすると、私が乗車する諫早駅行きの列車も入線してきます。

 

(先に島原港駅行きが入線してきました)

 

 ここから諫早駅まで、約45分の乗車です。1両編成の気動車で、車内はロングシートとバックスシートで構成されていましたが、うまく海側のボックスシートに収まることができました。進行方向右側には、有明海の景色が広がり、干潮時だったのか車窓から干潟を見ることもできました。有明海は日本一の干満差を誇る海です。

 

(私が乗車する便もやってきました)

 

 諫早駅に近づくと、島原鉄道有明海から離れて内陸部を走ります。同時に、沿線人口が多くなるためか、駅間が短くなり、こまめに停車するようになります。1519諫早駅着、気動車に揺られていると心地よくて、少しうとうとしてしまいました(笑)。

 

(有明海の景色は潮の満ち引きで大きく変わります)

 

 この後はバスに乗って、長崎空港に向かい、関西空港に飛びました。諫早駅は西九州新幹線の停車駅でもあり、長崎県の交通結節点になっています。島原鉄道やフェリー会社各社としては、諫早駅への需要を何とか取り込みたいところでしょうね。

 

(無事に諫早駅に着きました)