伊予鉄で高浜駅から松山の市街地まで移動しました。伊予鉄の車窓は変化に富んでいて、それ自体が大きな観光資源です。
(伊予鉄の前面展望)
・伊予鉄道に乗車
繰り返しになりますが、松山観光港と高浜駅の間には連絡バスが運転されている一方、約800 m の距離なので歩けないこともありません。松山観光港では、高浜駅まで徒歩で移動する人向けに丁寧な案内が行われています。
スーパージェットを降りて高浜駅まで歩くと、ちょうど伊予鉄道の電車が出ていくところでした。私は初めてだったので、周りをきょろきょろ見回しながらゆっくりと歩いていたのですが、急げば間に合ったかもしれません。伊予鉄高浜線はおおむね15分間隔で運転されており、次の便まで15分ほど待つことになりました。
(高浜駅に着くとちょうど横河原駅行きの電車が出ていくところでした…)
高浜駅は前述のように高浜港に隣接しており、道路を1本渡ると高浜港です。高浜港からは現在でも、瀬戸内海の島々にわたるフェリーが運航されており、船の発着時にはそれなりに賑わっていました。
(高浜港からは近距離航路が運行されているようです)
高浜港の賑わいを観察していると、次の電車が入線してきました。15分なんてあっという間ですね。やってきたのは伊予鉄700系です。これは、もともと京王電鉄で5000系として活躍していた形式です。特徴として、扉が片開きになっている点が挙げられます。
(伊予鉄700系電車)
現在では、普通列車は扉が両開きになっている方が一般的ですよね。塗装は愛媛のミカンをイメージしたかのようなオレンジ色一色になっており、元京王3000系電車とともに、すっかり伊予鉄道の一員になっています。
(片開き3扉であるところが特徴です)
高浜駅は高浜線の中でもっとも松山市街地から離れた駅ということで、出発時の車内は空いていました。高浜線は、高浜駅―梅津寺駅間の末端1区間は単線ですが、梅津寺駅から先は複線区間になります。よく見ると単線区間でも、複線化に向けた用地が確保されているようです。思い返せば高浜駅の先のところにも、松山観光港方面延伸に向けてなのか、空いている土地がありました!
(高浜線末端部は単線ながら複線化の用地が確保されているようです)
西衣山駅のところでは、JR予讃線と少しだけ並走します。ちょうど特急「しおかぜ」号が走っているところを見られました。特急「しおかぜ」号は、岡山駅―松山駅間を結んでいるJR四国の看板特急です。ちなみに、四国で最も利用者数の多い駅は、JR四国の駅ではなく伊予鉄の松山市駅です。
(対向の伊予鉄700系と、奥に隠れている8000系「しおかぜ」号)
ただ、最近ではJR四国もターミナル駅への誘客に力を入れており、2024年3月には高松駅に商業施設「高松オルネ」をオープンさせました。松山駅も近々高架化される予定であり、その暁には商業施設も新しくなります。JR四国の松山駅も今後は賑わってくるのではないでしょうか。
(複線高架の都会的な車窓)
西衣山駅を過ぎると、高浜線は一度高架区間に入ります。JR予讃線は基本的に単線なので、複線の高架区間の景色を見られるのは伊予鉄特有だと思われます。複線高架ともなると一気に都会的な雰囲気になりますね。
(路面電車との乗換駅である古町駅)
高架を降りると古町駅に着きます。ここは伊予鉄市内線との乗換駅で、いわゆる路面電車との乗り換えができます。いわゆる電車と路面電車がならんでホームに停まるのも、伊予鉄道ならではの景色ですね。伊予鉄道では路面電車は市内線、高浜線などの路線は郊外線として区別されています。
(大手町駅にて下車)
私は、古町駅の1つ隣の大手町駅で下車します。大手町駅の改札を出ると目の前が踏切になっており、これを路面電車が横断していきます。列車と路面電車が踏切で平面交差するというのもなかなか見ることのない風景です。伊予鉄道には独特の景色がたくさんありますね。