熊本駅から肥後大津駅まで行ってみた【南阿蘇鉄道の豊肥本線の観光列車乗り継ぎ旅②】

立野駅まで乗車する「かわせみやませみ」号まで時間があったので、熊本駅肥後大津駅間を往復してみました。

 

(肥後大津駅に停車するキハ200形)

肥後大津駅まで行ってみる

 今回の旅程としては、1032熊本駅発の「かわせみやませみ」号で立野駅まで行き、そこから南阿蘇鉄道に乗り換えるというものだったのですが、それまで少し時間があるので、肥後大津駅まで行ってみることにしました。

 熊本駅肥後大津駅行きの普通列車815発で、新幹線から3分の乗り継ぎです。「つばめ」311号の乗り換えアナウンスでは案内されないのですが、少し急げば間に合います。

 

(豊肥本線熊本駅近郊は単線非電化で高頻度運転を行っています)

 

 豊肥本線熊本駅大分駅間を結ぶ路線で、長く単線非電化だったのですが、1999年に熊本駅肥後大津駅間は電化されました。この区間は熊本方面への通勤通学需要が大きく、単線ながら1時間に3本程度の運転本数があります。朝のピーク時には10分間隔での運転があり、単線の路線としてはかなりの高頻度運転を行っています。

 

(列車交換は単線ならではの風景)

 

 肥後大津駅は熊本空港の最寄り駅でもあり、現在はワゴン車による無料の乗り合いタクシーによって、約15分で連絡しています。20242月現在、JR九州の合意を踏まえて、熊本空港と肥後大津駅の間を鉄道で結ぶことが熊本県から表明されています。

 

(今後要注目の肥後大津駅)

 

同じく20242月には台湾の半導体メーカーであるTSMCの工場が、肥後大津駅に近い熊本県菊陽町で操業を開始し、第2工場の建設も決定しています。空港への鉄道アクセスは、今後の空港周辺エリアへの半導体関連企業の集積にも重要であり、肥後大津駅周辺の今後には要注目でしょう。

 

(先ほどとは別の駅で列車交換)

 

 815発の肥後大津駅行き普通列車は、なかなかの利用者数で、4両編成の座席がほとんど埋まっていました。座席は埋まっていたのですが、先頭車端部の車端部が空いていたので、肥後大津駅まで全面展望を楽しむことができました。

 

(3度目の列車交換)

 

 繰り返しになりますが、豊肥本線熊本駅肥後大津駅間は運転本数が多く、私が乗車した列車も数駅ごとに対向列車との行き違いがありました。この区間は行き違い設備を持つ駅も多く、ダイヤがうまく組まれているためか、行き違いの待ち時間もそれほど長くなく、単線ながらスムーズな運転が行われていました。

 

(阿蘇外輪山が近づいてきます)

 

 肥後大津駅が近づくと、徐々に民家がまばらになってきて、阿蘇山の外輪山が近づいてきます。855肥後大津駅着、40分間の乗車でした。

 

肥後大津駅前散歩

 肥後大津駅は、熊本駅肥後大津駅間の豊肥本線電化区間の終点であり、運転系統の区切りの駅になっています。熊本駅からここまでは電車が乗り入れ、肥後大津駅から先は気動車での運転になります。また、20237月の南阿蘇鉄道全線復旧以降は、立野駅から肥後大津駅まで南阿蘇鉄道気動車も直通してきます。

 

(肥後大津駅には南阿蘇鉄道の車両も来ます)

 

 また、肥後大津駅は熊本空港の最寄り駅でもあり、ここから空港まで無料の乗り合いタクシーが約15分で連絡しています。20242月には、肥後大津駅から熊本空港まで空港アクセス鉄道を建設することが、熊本県から発表されました。

 

(「サンジ」人形)

 

 肥後大津駅に併設されたビジターセンターには「ワンピース」の登場人物「サンジ」の人形が飾ってありました。これは「ワンピース熊本復興プロジェクト」の一環で、2016年の熊本地震からの復興のための試みです。このプロジェクトは、「ワンピース」の作者である尾田栄一郎先生が熊本出身であることから始まったものだそうです。

 

(何やら雰囲気のよさそうな建物)

 

 反対側の出口には、「九州の食卓」という看板を掲げた建物がありました。この辺りはもともと穀物倉庫群で、鉄道を使って穀物を運んでいたそうです。「九州の食卓」では地元の農産物を販売しているようでした。私が訪れたときは営業時間外でしたが…。

 肥後大津駅の駅前で時間をつぶして、折り返し電車で熊本駅に戻ります。折り返し便も立野駅方面からの乗り換え客や熊本空港や途中駅から熊本駅に向かう乗客でなかなかの乗車率でした。私は朝が早かったので、ロングシートの片隅で眠り込んでしまいました。帰りも約40分の乗車でした、1006熊本駅着。

 

(この列車は折り返し肥後大津駅行きになるようです)