南阿蘇白川水源駅と高森駅で水源めぐり【南阿蘇鉄道の豊肥本線の観光列車乗り継ぎ旅⑤】

南阿蘇白川水源駅高森駅で降りて、沿線の湧水池を巡りました。南阿蘇鉄道は沿線の観光スポットも充実しています。

 

(南阿蘇鉄道の主力車両)

南阿蘇白川水源駅にて水源見学

 中松駅でランチをいただいて、1時間後の列車で2駅先の南阿蘇白川水源駅に向かいます。今回乗車したのはロングシート仕様の車両でした。2ドアのロングシートなので、文字通りシートが長いですね。中松駅で先ほど乗車した「サニー号トレイン」と行き違いをして発車します。

 

(反対側のホームには「サニー後トレイン」が入ってきました)

 

 2駅なので、ほんの数分で南阿蘇白川水源駅に到着します。駅から10分ほど歩くと、その名の通り白川水源があります。白川水源は環境庁 (環境省) の「名水百選」、熊本県の「熊本名水百選」にも選ばれており、湧水池から直接汲んで飲むことができます。

 

(南阿蘇白川水源駅)

 

湧水量は毎分60トンで、私が行った時もすごい勢いで水が流れていました!まるで川のようでしたね!流れは川のような勢いでしたが、湧水だけあって水の透明度は高く、とても澄んでいました。まさに名水という感じです。

 

(湧き水とは思えないほどの水の勢い)

 

 白川水源を見学して、次の列車に乗るために駅に戻ります。南阿蘇白川水源駅にはハンバーガーショップが併設されています。南阿蘇鉄道では誘客のために、各駅にお店が入居しているようです。駅としては無人駅ですが、こうすることで店員さんが駅に常駐することになるので、不慣れな観光客も安心ですね!

 

(駅前の絶景!)

 

 駅にやってきたのは再び「サニー号トレイン」でした。この時間帯は2本の列車でダイヤを回しているようです。1時間か2時間に1本なので、それぐらいで十分なのでしょうね。

 

(再び「サニー号トレイン」)

 

高森駅周辺を散策

 南阿蘇白川水源駅から、終点の高森駅に向かいます。高森駅には車両基地が併設されており、先日引退した車両が解体を待っていました。

 

(解体されつつある車両)

 

 高森駅からは、高森湧水トンネルに向かいます。このトンネルは、もともと国鉄高森線と高千穂線を結ぶために建設されたものでしたが、建設中に大量出水に見舞われ、建設が中断されました。また、トンネル建設によって、この辺りの水源の水が枯れてしまいました。出水対策と水源対応を検討しているうちに国鉄の収支が悪化し、高森線も高千穂線も廃線になったためにトンネルも廃止されました。

 

(言われてみれば線路が敷けそうなトンネルの入り口)

 

 高森線は南阿蘇鉄道として存続しているのですが、確かに高森湧水トンネルの延長線上には南阿蘇鉄道の線路があります。南阿蘇鉄道見晴台駅から高森駅に向かう途中で大きく北にカーブしますが、もともとはまっすぐトンネルに入る計画だったのでしょうね。

 

(鉄道トンネルっぽい入口)

 

 高森湧水トンネルからは今でも水が湧いているので、現在では地域の水源として利用されています。もともとの水源の水脈がトンネルの方に来てしまったのでしょうか。私がトンネルに向かって歩いていると、水を汲みに行くお婆さんが挨拶してくれました。ここで汲んだ水はとてもおいしくて、水道の水なんか飲めたものではないそうです(笑)。

 

(トンネルの中央には水が流れていました)

 

 トンネルに降りると、線路を引けそうな感じのトンネルの入り口が口を開けていました。鉄道用のトンネルに歩いては入れると思うと貴重な体験ですね。中は右側通行で、真ん中に湧水が流れていました。トンネル内には光を使ったアート作品が展示されていましたが、鉄道用のトンネル跡というだけで貴重な観光資源だと思います!

 

(トンネルの一番奥)

 

 トンネルの真上には「高森町湧水館」があり、無料で見学することができます。ちなみに、高森湧水トンネルの入場料は300円です。どちらにしても格安ですね。「高森町湧水館」では、高森トンネルの苦難の歴史や、水を中心にした環境問題についての展示がありました。また、高森町が白川水系、五ヶ瀬川水系、大野川水系3河川の水源地であることも紹介されていました。それだけ山が深いということでしょうか。

 

(高森町湧水館にいたカエル)