姪浜方面にバスで出て、元寇防塁を散策し、地下鉄線と貝塚線で貝塚駅の交通公園まで行き、七隈線で帰路につきました。
橋本駅からは、西鉄バスに乗って北に移動します。橋本駅のちょうど真北あたりに、空港線の姪浜駅があり、そこまでバスで移動することにしました。聞くところによると、七隈線は橋本駅から北に延び、姪浜駅に接続するという計画もあったようです。
西鉄バスは福岡市内にたくさんの路線を持っていますが、この辺りになると都心からは離れており、橋本駅―姪浜駅間のバスは1時間に1本程度です。場合によっては地下鉄で博多駅まで出て、空港線に乗り換えて姪浜駅に行ったほうが早いかもしれませんが、時間が合えばバスのほうが効率的に移動できます。
(気になるバス停ですね)
バスで姪浜駅に行こうと思っていたのですが、「車両基地東」というバス停が気になって、降りてしまいました。こちらは空港線・貝塚線の車両基地のようです。橋本駅の車両基地に続いて、こちらも周りを歩いてみようと思ったのですが、地図を確認したところ、周りから車両基地を見学できそうなところはなさそうだったので、やっぱりスキップします…。実際に歩いてみれば、いいところがあるのかもしれません。
(ここまで言われて元寇防塁に行かないわけにはいきません)
海が近いので、海岸まで歩いてみることにしました。この辺りの海岸は「生 (いき) の松原」と呼ばれ、元の艦隊が襲来した地として知られています。元寇防塁後も保存されていました。元寇の様子を描いた有名な「蒙古襲来絵詞」は、この辺りの様子を描いたものだそうです。博多港は古くから大陸との貿易港として栄えてきましたが、大陸に近いということで、このように外国勢力の侵攻を受けた地でもあります。
(これが元寇防塁!)
また、「生の松原」と呼ばれているだけあって、松林も立派でした。玄海灘周辺は海岸を波や風の浸食から守るため、古くから松が植林されています。現在でも唐津市の「虹の松原」、姪浜の「生の松原」をはじめ、複数の松原が残っています。
(松原に寄せる波)
生の松原に沿って歩いていくと、姪浜の1つ隣の下山門駅の方に出てきました。下山門駅はJR筑肥線の駅で、福岡市地下鉄1日乗車券の範囲には含まれないため、1区間分だけ切符を買って乗車します。
(なぜか下山門駅に来てしまいました)
やってくる電車は空港線のものと変わらないので同じ路線のようにも見えますが、ここはれっきとしたJRの路線です。よく観察すると、下山門駅の駅名標はJR九州のものですが、姪浜駅の駅名標は福岡市地下鉄のものであるなど、細かい違いがあります。下山門駅の駅名標にはシンボルマークはありませんが、姪浜駅の駅名標にはシンボルマークがついています。
(地下鉄の電車も下山門駅に直通してきます)
姪浜駅からはトンネル区間に入り、確かに地下鉄という雰囲気がします。空港線は貝塚線と直通運転をしていますが、私が乗車した電車は福岡空港駅行きだったので、中洲川端駅で貝塚線の電車に乗り換えます。姪浜駅からは貝塚駅行きの便も出ていますが、本数的には福岡空港駅行きのほうが多いようです。空港への需要の大きさを考えれば当然でしょうか。
(中洲川端駅で乗り換え)
貝塚線の車両形式は、空港線のものと共通です。貝塚線内折り返し便は、日中ということもあり、乗車率はそれほど高くないようでした。貝塚駅の手前で地上に出て、貝塚駅に到着します。
(終点なのでみんな降りていきました)
貝塚駅では、西鉄貝塚線と乗り換えられるようになっており、西鉄の方では大きく案内していました。西鉄貝塚線は2両編成で運転されており、福岡市内の路線でありながらローカル線の雰囲気です。その一方で、通勤・通学路線として機能しており、ラッシュ時の混雑は全国屈指です。
貝塚駅の駅前には貝塚公園があり、交通公園として整備されています。ここには年代物の自動車や鉄道車両、航空機などが展示されています。鉄道マニアとして特に注目すべきは20系客車の先頭車でしょう。
(展示してあった20系客車)
20系客車は東京駅―博多駅間の寝台特急「あさかぜ」号などに使用され、高度経済成長期の東京と九州との移動に貢献しました。その後、晩年は門司港駅―西鹿児島駅(現在の鹿児島中央駅)間の寝台特急「かいもん」号として活躍しました。
(「かいもん」幕の20系客車)
20系客車の先頭車両は貝塚公園にあるものと埼玉県の鉄道博物館にあるものの2両のみであり、西日本で見られるのはここだけです。貝塚公園では、「かいもん」の幕を出して、SLと繋いで展示されていました。
(SLと連結されていました)
貝塚駅は純然たる地上駅で、正面もなんとなく西鉄線のような雰囲気です。貝塚駅から地下鉄に乗り、中洲川端駅まで行きます。中洲川端駅は、空港線と貝塚線の乗換駅ですが、繁華街のど真ん中にある駅で、中洲川端駅で乗り降りする人も多くいます。
(貝塚駅は地下鉄駅とは思えない外観)
中洲川端駅を降りてすぐのところから、七隈線の櫛田神社前駅の方に向けて、中洲川端商店街が伸びています。商店街では新年の装飾が行われていました。中洲川端商店街を抜けると、朝にも通った櫛田神社の裏路地に出てきます。ここから七隈線に乗って家路につくことにします。
(新年のおめでたい雰囲気の商店街)
朝は博多駅からスタートしたのですが、気分を変えて西鉄大牟田線から帰ることにしました。風岡市地下鉄の西鉄大牟田線に乗り換えるには、七隈線の天神南駅か空港線の天神駅で、西鉄大牟田線の福岡(天神)駅に乗り換えるのが一般的ですが、薬院駅でも乗り換えることができます。今回は、七隈線の薬院駅から西鉄線に乗り換えることにしました。